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40歳の平均年収「492万円」ってどんな生活?

  • 2020.11.14
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2020年1月に転職サービスサイトdoda(デューダ)が正社員のオフィスワーカーに対し行った調査結果によれば、40歳の平均年収は492万円でした。40歳前後の人の中には、年収492万円だとどのような暮らしぶりになるのか気になる人もいるでしょう。そこで今回は、年収492万円の生活について検証してみました。

■年収492万円は日本人全体の平均よりやや多い額

まず、国税庁が発表する「民間給与実態統計調査(2018年)」によれば、正規雇用・非正規雇用含め、日本人の平均年収は441万円でした。これと比較すると、年収492万円は平均より50万円ほど多い額であることがわかります。

なお、正規雇用のみの場合の平均は504万円となっており、年収492万円は正規雇用者全体で見ると、平均に近い額と言えるでしょう。

■実質の手取り額は369~418万円程度

年収492万円と言っても、もちろん全額が支給されるわけではありません。実際の手取り額は給与から税金や社会保険料などを差し引いた金額で、一般的には総支給額の75~85%ほどです。つまり年収492万円の場合、手取り額は369万~418万円ほどということになります。

この額を純粋に12ヵ月で割ると、1ヵ月あたり約30万~34万円の計算です。ただし年収にはボーナスや交通費も含まれるため、たとえば年収のうち100万円がボーナスの場合は、毎月の実際の手取り額は22万~26万円ほどということになります。

■年収492万円の平均的な生活は?

続いて、年収492万円の場合の実際の暮らしぶりについて、政府発表の「家計調査(2019年)」を元に見てみましょう。ここでは例として、家族が2人以上いる世帯のデータを紹介します。

家計調査報告によれば、年収492万円の人が属する「年収450万~500万円」世帯(2人以上)の消費支出額は、平均で月27万5,203円です。一方、2人以上世帯の全体平均は29万3,379円であることから、年収450万~500万円世帯では、ほぼ平均並みか、それよりやや節約した生活ぶりが想像できます。なお、全体の平均値は高額所得者などの極端な数値によって大幅に上がることがあるため、あくまで参考の金額と考えてください。

さらに項目別に見てみると、平均値より大きく抑えられているのが教育費と娯楽費です。それぞれ、教育費は全体平均が1万1,492円なのに対して、該当世帯では6,122円、娯楽費は全体平均2万9,343円に対して2万5,256円となっています。

ちなみに両方の金額が、平均を上回るのは年収650万を超えてからです。このことから、年収492万円は「平均以上の生活まであと一歩」のところにあると言えるでしょう。

■条件次第で生活に差が出る場合も

年収492万円での家計の状態は、家族構成や住まいのあり方によっても大きく変わります。仮に月々の手取りが34万円だとしても、そこから先ほど挙げた平均支出額27万5,203円を純粋に引くと、残りは約6万円ちょっとです。この平均支出額27万5,203円には住宅ローンは含まれず、家賃地代も持ち家世帯によって平均が引き下げられるため、約8,000円と金額が少なくなっています。

さらにここから、将来のための貯蓄なども捻出するとなると、あまり余裕はありません。家賃が少し高めの賃貸を借りたり、住宅ローンの返済額が高かったりすると、赤字にもなりかねない数字です。なお参考までに、同じく家計調査によれば、住宅ローン返済中の勤労者世帯(2人以上)における住宅ローン返済額は、全体平均で月9万1,854円となっています。実収入が低い第1分位階級でも7万1,866円です。

これらのことから考えると、将来のためにも、年収492万円の2人以上世帯では、夫婦共働きなどを検討したほうが賢明と言えます。すでに配偶者がパートに出ている場合なども、2018年に配偶者特別控除の枠が150万円まで拡大されたこともあり、配偶者の働き方を一度見直してみてもいいでしょう。

■年収492万円は、もうひと頑張りで平均以上が目指せる

年収492万円は、全体の年収の平均額よりは高いものの、平均的な消費支出が可能な生活まであと一歩というところです。特に2人以上の世帯の場合は、あまり余裕がない場合もあります。将来に向けて貯蓄を増やすためにも、さらなる収入アップを目指してあとひと頑張りするかどうかが、先々の生活を左右するポイントと言えるでしょう。

文・中村あずさ

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