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ビリー・アイリッシュ、「Therefore I Am」は自分史上一番自分らしい曲 歌詞とMVが意味深

  • 2020.11.13
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ビリー・アイリッシュの新曲「Therefore I Am(ゆえに我あり)」の歌詞に込められた深い意味って? MVに登場する“盗み食い”シーンにも、あるメッセージが込められている? (フロントロウ編集部)

ビリー・アイリッシュが「Therefore I Am」をリリース

シンガーのビリー・アイリッシュが第62回グラミー賞授賞式で最優秀レコード賞、最優秀アルバム賞、最優秀楽曲賞、最優秀新人賞の主要4部門を制覇したアルバム『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』のリリース以降、4曲目の新曲となる「Therefore I AM(ゼアフォー・アイ・アム/ゆえに我あり)」を、事前告知していた通りの日本時間11月13日未明に解禁した。

日本では「ゆえに我あり」というサブタイトルがついた同曲の歌詞は、自分のことをよく知った気になってあれこれ言ったり、自分の人気や名声にあやかろうとする人々やメディアへのディスともとれる内容。

他人の意見など知ったことではないという、“我が道を行く”ビリーの揺るぎない性格や信条を表現したフレーズがいくつも登場する。

以下歌詞の一部を抜粋して和訳。

やめてよ、は? 何言ってんの?/私のカワイイ名前を口にするのはやめてくれない?/どう転んだって私たちは同じじゃない/まるで私の胸の内を知ってるみたいに私のことを語らないで/世界の頂点にでも立ったつもり? まあ、あんたの世界は架空でしかないけど
どうぞ、せいぜい楽しんで/私はマジで気にもしてないから/みなさんによろしく言っといて/でも、これだけは知っておきな
私はあんたの友だちでもなんでもない/ヤバいね、あんたは、自分が最高だって思ってるんだ/我思う、ゆえに我あり
メディアにあんたの名前を私の名前の隣に載せられたくない/私たちは違う考えの持ち主なんだから/奴らに“フリ”がバレないように優しくしてあげる/だって記事、記事、記事…なんてことになるのは嫌だもん/あんたなんて平凡なままでいればいい/インタビュー、インタビュー、インタビューづくし/あんたの名前を口に出されても、私は困惑したフリをするだけ
あ、ごめん、名前何だったっけ? /ごめんね、名前聞くの忘れちゃった

自分史上、一番自分らしい曲

“ビリー節”炸裂の「Therefore I AM」について、「解釈の仕方はリスナー次第」、「みんながどんな受け取り方をするか、この曲を聴いてどう感じるか楽しみ」と、リリース直前に応じたApple Musicのラジオ番組で語ったビリー。

「この曲はすごく自分らしいと思う。これまで出してきた曲ももちろん自分らしいけど、この曲は…もし、自分を外側の観点から見たら、もし、自分が(自分の)いちファンだったら、きっと満足する内容だと思う」と、過去にリリースしてきたどの曲よりも、自分らしさが表現されていると自負した。

あの哲学者の言葉を引用

哲学に興味がある人なら、すでにピンと来たかもしれないが、サビ部分に登場し、タイトルの一部にもなっている「I think, therefore, I am(我思う、ゆえに我あり)」という言葉は、フランスの哲学者で合理主義哲学や近世哲学の祖として知られるルネ・デカルトが自著『方法序説』唱えた命題。

画像: あの哲学者の言葉を引用

“疑いようのない真実”を追求したデカルトが辿り着いたのは、「どうしても疑うことのできないもの、それは、今、すべてを疑っている自意識の存在である」という独自の結論。これをもとに、「すべてを疑っている私の自意識は確かに存在している=我思う、ゆえに我あり」と提唱した。

ビリーはこのフレーズを巧みに歌詞に取り入れることで、自分をコントロールしようとする人々の思惑に中指を立て、自分は自立した個人であり、他人の意見に左右されるつもりはないと宣言したよう。

MVの盗み食いシーンは「体形批判」への挑発?

ビリーに向けられた批判や中傷で思い浮かぶのが、つい最近も、タンクトップにショートパンツ姿というあまり見慣れない薄着姿のパパラッチ写真が出回ったことで、一部の人々から浴びせられた体形批判の声

ビリーが自ら監督し、iPhoneのカメラで撮影された、閉店後のショッピングモールを舞台にしたMVでは、ビリーがプレッツェルやドーナツ、フライドポテト、レモネードを次々に盗み食いする様子が映っている。

これは、自分の体型に難癖をつける人がいたとしても、カロリーなど気にせず、好きな物を食べてやる、という反抗心の表れなのではないかとみられている。

画像: MVの盗み食いシーンは「体形批判」への挑発?

ビリーはMVについて、「ビデオは私がこの曲から私が感じるものを表現しただけ。無頓着であんまり頑張らないっていうね。もともとiPhoneで撮るつもりもなくて、何となくそうなったんだ」と、撮影はかなりゆるい雰囲気で行なわれたこともApple Musicのインタビューで明かしている。

ビリーは米現地時間の11月22日に開催されるアメリカン・ミュージック・アワードのステージで、『Therefore I AM』を初パフォーマンスすることが発表されている。

(フロントロウ編集部)

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