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男性からの好意を感じたら逃げてしまう癖があります。直りますか?【ひとみしょうのお悩み解決】

  • 2020.11.11
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“【お便り募集】文筆家ひとみしょう お悩み解決” に送っていただいたお便りの中から、お悩みをひとつピックアップしてひとみしょうさんがお答えします。

「ひつじさん21歳」のお悩み

私は人からアプローチを受けて感情が向けられていると分かると、相手に恐怖感や気持ち悪さを感じて逃げてしまうのですが、男性にもそのようなことはありますか?

今片思いしている男性がいますが、自分がアプローチすることでその人に怖い思いをさせてしまわないか心配で踏み出せません。

〜ひとみしょうのお悩み解決コラム〜

久しぶりに初々しい相談で、身が引き締まる思いがします。

さて、ご質問の件ですが、男の人の中にも「人からアプローチを受けて感情が向けられていると分かると、相手に恐怖感や気持ち悪さを感じて逃げてしまう」人はいます。

逃げしてしまう男の人(というか男子ですね)には共通点があります。それは自分に自信がないということです。

きっとひつじさんも同じじゃないかなと想像します。今の自分に自信が持てないから、他者からアプローチを受けて感情が向けられているとわかると、相手に恐怖感や気持ち悪さを感じて逃げてしまうということではないですか?

扉は自分のペースで開けるといいです

ただ、20歳くらいだと、自分に自信が持てなくて当然といえば当然だとぼくは思います。なぜなら、まだ知らない世界がいっぱいあるから。世界って、自分の力で扉を開けることによってしか広がっていかないのですが、まだまだ開けていない扉がいっぱいあるでしょう?

だから、あの扉の向こうにもしかしたら怖い人がいるかもしれないとおじけづいてしまう……。あるいは、自分に自信のない自分を見られたくないと思って恐怖してしまう……。

それで当然でしょう。焦ることはないです。ゆっくり自分のペースで1つずつ扉を開けていくといいです。そしたら、ときには怖いことが待っているかもしれないし、反対に「こんなラッキーがわたしの身に起こっていいの?」というようなことが待っているかもしれないし。

というのが、ひとまずの答えですが、以下にもっと細かく見ていきましょう。

心のピュアさについて

他者に好意を持たれているとわかると、とたんに怖くなって(あるいは気持ち悪くなって)逃げ出してしまう男女の特徴として、心がピュアだという点を挙げることができると思います。村上春樹の『ノルウェイの森』みたいな薄いガラスのような純粋さ「を持っている」、というか「を生きている」ピュアさがあると思います。

そのピュアさは、おそらく10代から20代前半くらいにしか持つことのできないものです。きっと、後世の人に文豪と呼ばれることになるであろう、あの村上春樹も、今ふたたび『ノルウェイの森』っぽい小説を書いてくださいと依頼されてもきっと書けないでしょう(彼はすでに70歳を超えています)。

なので、その意味においては、ひつじさんのピュアさは財産です。絶対にお金で買うことのできない、かけがえのない財産です。大切にしていただきたいと思います。

しかし他方で、そのピュアさがひつじさんの人生を邪魔するときがあります。たとえば新しいことを始めるときに。

ピュアさの弊害

純粋であるがゆえに、新しい世界がとても怖くなって、その怖がっている自分を誰にも見られたくなくて、扉に鍵をかけて、ひとり閉じこもるかもしれない。

そうやって扉に鍵をかける癖がついてしまえば、最悪、20代はずっとひとりぼっちです。新しい世界に行きたいと意思しても、恐怖心が勝るから、どこにも行けません。その必然の結果として「自分を変えたい」と思うようになります。「なりたい自分」になりたいと思うようになります。

そう思ってしまうと、あとの人生を生きるのがとてもしんどくなります。「あのとき」さっと扉を開けて「清水ジャンプ」してしまえば済んだものを、いつまでもひとりで「自分を変えたい」「なりたい自分になりたい」と思い悩むようになるからです。

そしたら、とどの詰まりどうなるかといえば「自分を愛せない人」になります。そうなればもう暗黒の人生の完成です。自分を愛せない人は他人のことを愛せないから、どこに行って誰といても、「なんとなく淋しい人」になります。

自分で自分を奮い立たせて、電車に乗って新しい人に会いに行くのです

先に「扉は自分のペースで開けるといい」と言いましたが、その「自分のペース」に少し勇気をプラスしてみてください。

誰だって新しい扉の向こうは怖いです。ぼくだって、いまだに知らない人と初めて会う日はドキドキします。

でも行くんです。自分で自分を奮い立たせて、電車に乗って新しい人に会いに行くのです。そうしないと「なにも」始まらないから。「そこ」にひとりじっとしていてもなにも起こらないから。

人生の扉は自力で開けるしかありません。これは誰がなんと言おうと真実です。

こういう女子向けのサイトには「女子に努力を強いること」は書いてはいけない、という暗黙のルールがあります。この『Grapps』はどうか知らないですよ。業界全体として、そのような暗黙のルールがあります。

でも、とぼくは思います。

勇気を出して自力で扉を開ける大切さを誰かが伝えなければ、その人はまず間違いなく自分を愛せない人になってしまうのです。

「対岸の火事」を「おお、燃えてる燃えてる!」と他人事のように見ていい時と悪い時があります。今、ひつじさんの相談メールを前に、ぼくは「おお、燃えてるな」とは言えないのです。

お互いがんばっていきましょう!(ひとみしょう/作家・コラムニスト)

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