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来春までハリウッド映画は公開されない!? 本国で『ナイル殺人事件』『フリー・ガイ』の公開延期が発表

  • 2020.11.7
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『ナイル殺人事件』(c)2020 20th Century Studios. All rights reserved

相変わらず世の中は『鬼滅の刃』の興行関連のニュースだらけ、しかも、相変わらず圧倒的な独走状態が続いていて、ついつい自分も「今週の興行コラムもう書いたっけ?」みたいな気持ちになってしまって、いつもよりちょっと遅い金曜日更新になりました。すみません。

先週末の動員ランキングは、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が土日2日間で動員202万8000人、興収24億9900万円をあげて3週連続で1位。3週目の週末2日間で約25億円。もうわけがわからない。先週末の時点の累計動員は1189万人、累計興収158億円。このペースだと、間違いなく今週末に200億円を突破する見込み。過去に興収200億円以上の作品となると『千と千尋の神隠し』(308億円)、『タイタニック』(262億円)、『アナと雪の女王』(255億円)、『君の名は。』(250.3億円)、『ハリーポッターと賢者の石』(203億円)の5本だけ。えーと、もう敢えて言うまでもないが、歴代1位になるのは時間の問題だ。

2位には小栗旬&星野源出演の『罪の声』が初登場。初日から3日間の累計では動員20万人、興収2億5800万円。ウィークデイに入ってからも堅調だが、もちろん『鬼滅の刃』に一矢を報いるには程遠い状況。何よりも気になるのは、先週末の時点で上位7作品がすべて日本映画。先週末8位の『TENET テネット』に息切れが見られる中、今週末はトップ10すべてが日本映画となる可能性もでてきた。

実際、ハリウッドのメジャー作品の供給が止まっていることによる映画興行全体にとってのマイナスは、『鬼滅の刃』の歴史的大ヒットだけではとても補えない段階に入ってきている。通常、『鬼滅の刃』ほどの動員力のある作品の後には、劇場での予告編鑑賞効果で日本映画、外国映画問わずその後にヒット作が続いたりするものだが、少なくとも外国映画にはそのタマがまったくない状況。ちなみに本日11月6日には、先ほど歴代5位の作品として名前を挙げた『ハリーポッターと賢者の石』がロードショー公開(!)された。2020年に『ハリー・ポッター』、それほど事態は逼迫している。

11月6日17時の時点でまだ日本では正式発表されていないが、昨日未明、アメリカのディズニーは、同社傘下のFOX作品、ケネス・ブラナー監督・主演作品『ナイル殺人事件』とライアン・レイノルズ主演作品『フリー・ガイ』の公開延期を発表した。前者は12月18日日本公開予定、後者は2021年1月8日日本公開予定。両作とも、この冬に日本公開される数少ないハリウッド映画だったわけだが、またしても公開スケジュールから消えてしまう作品が増えてしまったことになる。本国でも新しい公開日については未発表で、FOX作品はディズニーのコントロール下にあるため、新作映画の配信公開に注力している同社の方針に則って、ストリーミングでの公開になる可能性も考えられる。

これらの判断は、相変わらずアメリカでのコロナウイルスの感染拡大が止まらないことに加えて、ヨーロッパ各国でもここにきて感染者が急増していることを受けてのことだろう。アメリカのエンターテインメント系サイトやビジネス系サイトでは、連日、ディズニー、ライオンズゲート、ソニーなどの大手スタジオのリストラ関連のニュースが報じられている。ここにきて再び広がっているウイルスの猛威が日本にも本格的にやってくるかはまだわからないが、残念ながらエンターテインメント系企業(特に外資)の人員削減の波は確実にやってくるだろう。(宇野維正)

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