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春に残業すると損!? サラリーマンの「社会保険料」が決まるポイント3つ

  • 2015.5.22
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【パパからのご相談】

40代のサラリーマンです。今まで給与明細をあまり気にしてこなかったのですが、子どもが中学生になってなにかと物入りのため、毎月きちんと給与明細を見直すようになりました。そこで気になったのが去年の10月から社会保険料が上がっていること。 私の会社では春〜夏にかけて忙しく、残業も結構あります。今年も社会保険料は上がるのでしょうか?

●A. 社会保険料は4・5・6月に支払われた給与をもとに決定します。

ご相談ありがとうございます。労務管理の専門家である社会保険労務士の糠谷栄子と申します。

一般的な会社員であれば、雇用保険料・健康保険料・厚生年金保険料が給与から天引きされていますよね。なんとなく、お給料が高いほど、これらの保険料が高くなるということは皆さんご存じでしょう。

しかし、実はきちんと保険料を見直すルールがあります。失業手当などに関わる雇用保険料に関しては、毎年4月に保険料が見直されます(平成27年4月年度は平成26年と同じ)。

ただし、健康保険料と厚生年金保険料をまとめた社会保険料に関しては異なるルールで見直しが行われますので、今回は社会保険料の見直しについて詳しくご説明させていただきますね。

●社会保険料のポイント3つ

●(1)社会保険料は“標準報酬月額”によって決まる

雇用保険料は、税金その他社会保険料を控除する前のほぼすべての給与に、雇用保険料率を乗じて計算します。ところが、社会保険料は給与そのものではなく、“標準報酬”をもとに等級分けされた“標準報酬月額”に社会保険料率を乗じて計算します。

たとえば、“標準報酬”が25万円〜27万円ですと、“標準報酬月額”は26万円となり、この26万円を基準に社会保険料を計算するのです。

●(2)標準報酬月額を決めるのは4・5・6月に支払われる給料

それでは、“標準報酬月額”のもととなる“標準報酬”はどうやって決めるのでしょうか。実は、実際に払われている給与と“標準報酬月額”に大きな差ができないように、毎年調整をしています。

その方法は、7月1日現在で雇用されている社会保険加入者の、4・5・6月に支払った給与(賞与を除く)を平均して算出した“標準報酬”をもとに、表に照らし合わせて“標準報酬月額”を算定しています。そして、新しい“標準報酬月額”は、原則として、その年の9月から翌年8月までの社会保険料の計算に使われます。

つまり、給与の支払い日が翌月の場合、3・4・5月の残業代が、当月払いの場合は、4・5・6月の残業代が、他の月に比べて高いといったケースでは、社会保険料が高くなってしまう可能性があります。

そうした事態を避けるため、その間はなるべく残業をしない会社も。また通勤費を2月と8月に半年ずつ支給して、4月〜6月の給与が高くならないようにと考えている会社もありますよ。

●(3)“標準報酬月額”が変わる場合は、(2)以外にもある

上記以外の場合でも、昇給や降給などで月の給与が大幅に変動すると、“標準報酬月額”を見直す場合があります。

(a)固定的賃金の変動がある

(b)変動月からの3か月間の給与をもとにして計算した“標準報酬月額”と、これまでの“標準報酬月額”との間に2等級以上ひらきが出ている

(c)3か月間の各月ごとに17日以上出勤している

という3つの要件が当てはまる場合は、会社が手続きをして(2)以外の時期に社会保険料が変わりますよ。

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いかがでしたか。

このように4・5・6月に支払われる給与というのは、社会保険料の計算にとってポイントとなります。仕事の加減で残業の調整は非常に難しいと思いますが、こういった社会保険料の計算方法も頭の片隅においていただくと、社会保険料の変動に驚かないのかもしれませんね。

【参考リンク】

・標準報酬月額・標準賞与額とは? | 全国健康保険協会

●ライター/糠谷栄子(社会保険労務士)

「女性のパワーで業績UP」を合言葉に、専業主婦からのステップアップ経験をもとに、主婦のお仕事再デビューや育休復帰などを企業の成長につなげる、社会保険労務士です。コラムでは、主に社会保障にまつわる制度をわかりやすくご紹介。引越3回の現役バリバリ転勤族の妻&小学生2人の娘のアラフォー母ちゃんの視点も生かして、パパママにお役立ちな情報をお届けいたします。

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