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年間500件以上!? 乳幼児の“誤飲事故”対策と危険物リスト

  • 2015.5.21
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【ママからのご相談】

息子が先日2歳になりました。動きも活発になり、戸棚にしまっていた物や引き出しも開けて、しまってある物を出してしまいます。この間は、消しゴムを口に入れていたことに気付いて、かなり驚きました。 万が一何かを飲み込んでしまったとしたら、どのように対処すればいいでしょうか。

●A. “誤飲させない”ことが最優先! 万が一のときは落ち着いて対処を!

ご相談ありがとうございます。ライターの川中です。

ずっと寝てばかりの子どもは、あっという間に成長していきます。寝返りを打ち、ハイハイをするようになり、つたい歩きをするころには、自宅の危険エリアがかなり多いことに気付くはずです。

わが家でも、「大人の目線の高さにある棚は大丈夫だろう」とそのまま対処しなかったところ、目を離したスキに椅子を使ってよじ登り、中のものをぶちまけて誤飲してしまったことがあります。本当にヒヤッとしますよね……。

これまで大人仕様でおしゃれに飾っていたインテリアも、子どもの前ではただの“おもしろそうなもの”であり、危険物になりえます。消費者庁からは、子どもが異物を飲みこんだという誤飲事故が2014年の1年で530件も起きていて、特に薬の誤飲が多かったという発表もありました。

●子どもの手の届く場所に危険物を置かない

まずは室内を座って見渡してみてください。高さ1m前後の範囲、座ったまま手の届く場所は、必ず子どもも手が届く場所です。また、自由に歩けるぐらいになっていたら、椅子や踏み台を使ってよじ登ろうとすることもあります。1mに限らず、それ以上の範囲も要注意です。

子どもは、“手に触れたものはとりあえず口に入れる”という前提を頭において、危ないものはないか再確認してみてください。見せるタイプのインテリアや、取り出しやすさ優先にしているものは、子どもの手が絶対に届かない場所へ確実に片付けましょう。常飲している薬やサプリメントは特に気を付けてください。

それから、扉や引き出しになっているから大丈夫、ということは絶対にありません。確かにインテリア性や取り出しやすさは損なわれますが、チャイルドロックなどを上手に使って、絶対に開けられないようにしておいたほうが安全上確実です。

●誤飲事故で多いものは薬! 意外と大きなサイズまで注意が必要

冒頭でも述べたとおり、薬の誤飲事故が現在多くなっています。大人向けの薬やドリンク剤などによって、重篤な症状に陥ってしまう場合も多々あるので、飲んだ後は、残りの薬をすぐに片づけることが大切です。

冷蔵庫で管理するドリンクタイプの薬を飲んでしまうこともあるので、チャイルドガードなどを活用し、キッチンなどに子どもが立ち入れないエリアを作っておくとよいでしょう。少量でも危険性が高い薬類はそのエリア内で管理することを徹底したほうがいいかもしれません。

子どもが口に入れて飲み込めるサイズは意外と大きく、直径で3.2cm~3.5cmと言われています。以前は、“写真のフィルムケースに通る大きさ”と表現されていましたが、2lサイズのペットボトルのキャップ程度の大きさであれば、簡単に飲み込めてしまうというわけです。

●もし何か飲み込んだ可能性があったら?

まずは慌てず、何を飲み込んでしまったのかを確認しましょう。飲み込んでしまったものによって、対処法が異なります。吐かせないほうがいいものを自宅で対処しようとしたがために、症状が重篤に陥ることも多々あります。何を飲んだのかわからない場合は、“あるはずなのにないもの”を確認してください。

【吐かせずに病院へ行ったほうがいいもの】

・除光液やベンジン、石油など、揮発性の液体

・漂白剤やカビとり、トイレ用など、強酸・強アルカリの表示がある洗剤

・ハリや安全ピンなどの鋭利な物

・電池類、硬貨、ピアスなどの固いもの

上記以外のケースは、まずは吐かせて応急処置をしてから救急病院へ受診しましょう。しかし、けいれんや意識障害が起こっているときなどは、吐かせずに病院へ連れて行きましょう。

どうしたらいいかわからない場合は、厚生労働省の『小児救急電話相談(#8000)』で相談することをお勧めします。

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乳幼児の命を守れるのは、大人しかいません。知識も準備も、“備えあれば憂いなし”です。ぜひもう一度部屋の中を見渡して、危険がないか確かめるとともに対処をしていただければと思います。

それでも、“万が一”が起こることはあります。慌ててしまう気持ちはとてもよくわかりますが、深呼吸をして、まずは大人が落ち着いて対処をすることが大切です。

【参考リンク】

・子どもによる医薬品の誤飲事故に注意! | 消費者庁(PDF)

●ライター/川中利恵(在宅ワーカー)

IT系からインタビュー、コラムなど雑多なジャンルの執筆を手がける在宅ワーカー。21歳のときにデキ婚し、2児に恵まれるも26歳で離婚。以降、女手一つで子どもたちを育てつつ、現在に至る。都内開催の一人親家庭支援や在宅ワーク系セミナーで壇上に立つことも。子どもたちとは少し遠くから見守るスタンスで、それが結構面白い。ポリシーは、「やりたいことがあるなら時間を作ればいいじゃない!」

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