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【3つの事例】さまざまな結婚のかたち 〜事実婚・週末婚・別居婚〜

  • 2020.11.3
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結婚と一口に言ってもそのかたちはさまざま。自分たちだけの“オンリーワン”な結婚のかたちを見つけ、暮らし方、生き方を選択する。コミュニケーション・コンサルタントの西澤史子さんが、3つのケースから、令和の結婚のかたちを考えます。

こんにちは。コミュニケーション・コンサルタントの西澤史子です。

先日、三代目 J SOUL BROTHERSのELLYさんとモデルのMEGBABYさんが入籍結婚をせずにパートナー同士のまま第一子を授かったというニュースがありました。

男性も女性もさまざまな価値観や生き方ができる時代だからこそ、すでに入籍、同居=結婚がスタンダードだった時代は緩やかに終わりを告げているのかもしれません。それぞれの結婚のかたちを3人の女性を通じてご紹介しましょう。

■ケース1.事実婚

あえて入籍をしないことで恋愛の緊張感とドキドキを継続

ひとりめは事実婚を選択したIさん(35歳)。

「結婚をしたくないわけではなかったんですが、気が付くとそこそこのキャリアと収入を得るようになってしまい、入籍婚をしようと婚活サービスに登録してパートナーを探したり、紹介してもらったりと頑張ってはみたんですが、恋愛的にいいと思う人は経済力がいまいち。社会的、経済的に自分より上の人は恋愛相手としてはいまいちというジレンマにぶつかりました。(笑)」

Iさんは女優さんかと思うばかりの容姿端麗で華やかさのある女性で、トレーダーとして成功し、保有資産は億を超えるそうです。

「経済的に全く困っていないので自分のお金が相手にとって魅力になるような相手だけは勘弁とだけは思っていました。」

入籍婚となるとお互いの家族構成や履歴、仕事や資産状況をある程度開示しなければならないという暗黙のプレッシャーがあります。家族構成や履歴、仕事までは全く問題ないけれど、資産は開示したくなかったというIさん。そんなときに知り合った彼は同じ30代。業界が全く違うもののその業界ではプロとして実績と信頼を得ている人だそうです。

「価値観も似ている上、お互いひとりの時間は大切だというところも似ています。異性として魅力的でありたい、あって欲しいというところも。毎回デートはエスコートしてくれますし、話していると勉強になることも多い人です。」

彼もIさんに惹かれ、パートナーとして一生を共にしたいと感じたそう。

「ふたりで話し合い、このベストな関係を崩したくなかったので事実婚という選択をしました。今は妊活中です。子供が生まれても事実婚という形は可能な限り続けていきたいです。」

Iさんと彼は今5年目を迎えるそうですが、お互いが愛おしく、好きという気持ちはますます高くなっているそうです。

■ケース2.週末婚

会えない飢餓感が生む密度が魅力な週末婚の良い面とリスク

入籍はしたり、しなかったり。けれど、実際に会えるのは週末や限られた日だけ。そんな形を週末婚と呼びます。

Mさんは40代後半。三田寛子さんに雰囲気が似た品と感じの良さが漂う上品な女性です。

「結婚したのは20代前半です。大学を出て直ぐに就職しましたが仕事が辛く、結婚すれば仕事を辞められると寿退社を狙って今の主人と結婚しました。」

Mさんのご主人は出張が多い上に2〜3年に一度の転勤が必ずある職種。

「週末婚というテレビドラマを見た時に“うちはこれだな”って納得したことを今でも憶えています。新婚当初から出張が多く金曜の最終の新幹線で帰宅して、火曜日には出張先の東京へと大阪から出発していくような日々です。」

※週末婚(しゅうまつこん):1999年4月9日から7月2日まで毎週金曜日22:00〜22:54、TBS系の「金曜ドラマ」枠で放送された日本のテレビドラマ。主演は 永作博美。(出典:Wikipedia)

週末婚は会いたくても会えないという飢餓感を生みます。だからこそ会ったときには互いを抱きしめたい、温度を感じたいという密度の高い関係になるとMさんは言います。

「新婚当初は寂しさがありました。けれど、子供が生まれてからは主人が居ない平日は好きなことができますし、金曜は主人が帰ってくるのでママモードから女モードにシフトチェンジすることが逆に楽しくなりました。」

結婚して20年以上。お子さんが大きくなるに連れ、週末婚のスタイルに慣れてしまったMさんは今別の悩みがあるといいます。

「コロナで主人がリモートワークが基本になってしまい、週末婚のスタイルが崩れてしまったんです。平日自分ひとりでゴロゴロする時間がなくなり、今は逆にストレスです。早く以前のような週末婚に戻りたいんですが、主人は“やっぱり家はいいな”と言っていて、リモートが解除されてもこのまま家から出勤になりそう。本音は憂鬱なんですが、それは主人に言えないのでストレスです。」

会えないことがスタンダードになってしまうと、ずっと一緒にいる事がイレギュラーになる。週末婚のリスクとして覚えておいた方が良いかもしれません。

■ケース3.別居婚

ひとりの時間と場所を尊重したい、だから別居婚を選びました

Tさんは20代後半。仕事はデザイン関係でフリーランスで活動しているため、自宅が事務所を兼ねています。

「クリエイティブな仕事って“生む時間“が必要になるんですよね。私の場合、まわりに人がいると集中できないということと、“生む時間”が大抵夜遅くだということから別居婚を選択しました。」

Tさんのパートナーも同じくクリエイターだということ。

「私も彼も仕事に波があるし、締め切りや納期がある仕事なので一緒に暮らすとお互い事務所を別に借りなくてはならないから経済的に非効率なんです。別居婚であればお互いの住居兼事務所をふたつを行ったり来たりでいいですし、インテリアや空間にお互いこだわりが強いので、そのテイストの調整もしなくて済みますし。同じクリエイター同士だったから、解り合える価値観かもしれませんが」

入籍はしていけれど、Tさんご夫婦にお子さんはまだ居ません。将来的には子供を持ちたいと考えていますが、タイミングを考えてしまうそう。

「別居婚の良さはお互い恋愛をしている時と同じライフスタイルでいられることですが、いざ子供をつくろうとすると、まさに“いつ作る?”の議論からになってしまい、結婚4年目を迎えますが妊活は未定です。漠然と35歳までには生みたいとは思っているんですが、私も彼も仕事が軌道に乗りはじめているので仕事を優先したいんですよね」

別居婚はお互いの自由を尊重できますが、出産や子育てなどの夫婦共同で行うことをしようとすると調整が難しいという側面も。

「子供が生まれたら同居したいと思っていますが、そのためには経済力が必要ですし、だからこそ今は仕事を頑張ろうと暫くは別居婚のままかな? とふたりで話しています。一生別居婚を続けたいとは思っていませんが、ひとつの選択として一定の期間を決めてやってみるのはいいと思います。私は子供が大きくなったら、自分の事務所を借りて円満な別居にまたトライしたいなと考えています(笑)」

たしかに、一生別居婚でなくともテンポラリーな別居婚で、お互いの存在がどれだけ大切か、いないと寂しいかなどを理解する時間となるかもしれません。

■オンリーワンの結婚のかたちを見つけ、生き方を選択する時代

これまでのスタンダードにとらわれず、自分だけのオンリーワンな結婚のかたちを見つけ、生き方を選択する、それが令和の結婚のスタンダードになっていくのかもしれません。3人の女性から話を聞いてみると、概念としてしなやかに、やわらかく捉えられるもの、それが令和の結婚のかたちかもしれませんね。

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