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だから何? 「赤ちゃんが乗っています」のステッカーが持つ本当の意味

  • 2015.5.20
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【女性からのご相談】

『赤ちゃんが乗っています』のステッカーが大嫌いです。運転中、前の車に貼ってあっても、「だから何?」と感じます。私は子どもがいないのですが、親になれば気持ちがわかるのでしょうか?

3月に出産をした姉が早速このステッカーを車に貼っていたので、「ダサいし、意味がわからないよ。自慢に見えるから剥がした方がいい」と伝えました。すると、「もしも事故が起きたとき、赤ちゃんを探してもらうための目印なんだよ」と言われ、少しケンカになりました。

そんな意味は、『赤ちゃんが乗っています』だけでは伝わりませんし、その車に姉の旦那さんしか乗車していないこともあります。『赤ちゃんが乗っています』ステッカーって、何のために貼るのですか?

●A. 「赤ちゃんが乗っています」の後に続く言葉は、受け取り手によって異なるようです。

ご相談ありがとうございます。ママライターの木村華子です。

Googleで、「赤ちゃんが乗っています」と検索をかけると、「赤ちゃんが乗っています だから何」なんていう検索候補が表示されます(実際はもっとショッキングな言葉が並んで表示されるのですが……)。どうやらあのステッカーをよく思わない人もいるようです。

『赤ちゃんが乗っています』ステッカーの賛否は、さまざまな場所で議論されているおなじみのテーマです。ステッカーを貼る派と、否定派が生まれてしまう背景には、このステッカーの持つ意味の曖昧さがあるようです。ご相談者様も、この意味の曖昧さにイライラされているのではないでしょうか?

今回は、『赤ちゃんが乗っています』ステッカーの意味と、実際につけている方々が感じたメリットをご紹介いたします。

●『赤ちゃんが乗っています』のあのエピソード、じつはウソ!?

『赤ちゃんが乗っています』『BABY IN CAR』の持つ意味について、海外の親子にまつわるエピソードを聞いたことのある方は多いでしょう。以下のようなお話です。

「赤ちゃんを含むある親子が乗った車が事故に見舞われたとき、その親や大きな子どもは救助されて一命を取り止めたが、後部座席に隠れてしまった小さな赤ちゃんは見つけ出してもらうことができず、命を落としてしまった。両親は自分たちのような悲劇が繰り返されないよう、小さな赤ちゃんや子どもの乗る車へのステッカー貼り付けを広めた。『赤ちゃんが乗っています』は、レスキュー隊に対して赤ちゃんの存在を伝えるという大切な意味を持っている」

とても有名で、かつ、なるほどと納得してしまいそうになるこのエピソードですが、なんと都市伝説を扱ったアメリカの人気サイト『Snopes.com』で、単なるデマだったことが公表されているのです。

また、同サイト内ではステッカー開発者の意図として、「赤ちゃん(小さな子ども)を乗せた車には、いつも以上に安全運転を気遣ってほしいという注意や理解を求める意味がある」ということも紹介されていますので、本来の意味ではこちらが正しいようです。

●『赤ちゃんが乗っています』ステッカーを貼るメリット

レスキュー隊へのメッセージ説がデマとなると、貼ることへの説得力が薄れてしまうこのステッカーですが、メリットがないわけではありません。実際にステッカーを貼って、メリットを感じた賛成派の方々の意見をご紹介します。

・「初めての赤ちゃんを産んだばかりのとき、本当は車に乗せたくないほど不安だった。私自身、細心の注意を払って運転していたし、その思いを周囲に知らせる手段があってよかった」

・「もしも、事故が起こったときには、赤ちゃんを優先的に探して欲しいと思うから、やっぱりつけておいたほうが安心できる」

・「子どもを乗せていると、どうしても運転がゆっくりになってしまう。周りに『何やってんだ!?』と思わせてしまうかもしれないから、『子どもがいるからゆっくり走っているんですよ』と理解してもらいたい」

・「正直、運転には関係ないけど、子どもを持てた喜びを実感できてうれしかった」

・「ステッカーを購入した際に同封されていたハガキを送ると、1年間普通傷害保険に加入できるシステムになっていた。高額な保険ではないにしろ、お得感があった」

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レスキュー隊のエピソードが事実ではないにしろ、実際にその理由に納得している方は大勢いらっしゃるようです。また、ステッカーに保険がついているという意外なメリットもありました。

●お互いの思いやりで、快適な運転を

『赤ちゃんが乗っています』ステッカーは、使用を義務付けられたものではありません。また、その意味の受け取り方は人によって異なってしまう現実があります。“赤ちゃんが乗っています”の後に続く言葉は、読み手やケースによってさまざまな解釈に変わってしまいます。

そのため、「なんのために貼ってるの?」「幸せ自慢したいだけじゃない?」といった受け取り方をされてしまうこともあるでしょう。しかし、決してすべての親が幸せアピールのために貼っているわけではないと理解することも必要なのではないでしょうか?

初めての赤ちゃんを大切に運んでいる新米ママ、眠った子どもが起きないようにスピードを抑えて運転するパパ……。そんなパパママに対し、「自慢だ」「アピールだ」と中傷することは、あまり褒められたものではありません。

また、ステッカーを貼っているパパやママの側も、ステッカーを、“横柄な運転が許される免罪符”のように扱うことを改めるべきです。全ての親がそうだとは限りませんが、一部のマナーを守らないパパママの存在が、ますます『赤ちゃんが乗っています』ステッカーを貼る人の肩身を狭くしているようにも感じます。

ステッカーを貼る人も、またステッカーを貼った車を見かけた人も、お互いの思いやりが大切ですね。

【参考リンク】

・Origin of Baby on Board Signs | Snopes.com

●ライター/木村華子(ママライター)

第一子出産を皮切りに、20代後半のほとんどを妊婦生活で過ごす。自然分娩で生まれてくれた長男の後、胎盤剥離や卵管結紮など、出産での様々なトラブルやアクシデントを経験。現在は日々慌ただしい育児で経験値更新中。3人の子供達と、何考えてんのか分からない旦那様、そして自分を含めた5人の胃袋を満たすため、家事の傍らライター業をはじめました。ガーデニング、家庭菜園、料理、絵、カメラ、お酒、あとは裁縫編み物手芸工芸と、手当たり次第に手を出すチャレンジャー(飽き症)。「お母さんが楽しくないと、楽しい家庭にならんでしょ!」をポリシーに、今日も楽しく育児しています。

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