1. トップ
  2. 恋愛
  3. 18歳になったらもう大人!成人年齢引き下げの時期や影響について学ぼう

18歳になったらもう大人!成人年齢引き下げの時期や影響について学ぼう

  • 2020.10.30
  • 1107 views

子どもが大人になるのは20歳・・・と思っていたら、実は成年年齢が18歳に引き下げられます。成年の定義が見直されるのは約140年ぶりとのことです。従来よりも早く大人になる子どもたち。いつから法が適用されるのか、どんなことが変わるのか、そしてその影響などを今から知っておきましょう。

成人年齢は20歳から18歳へ引き下げされる

成年(または成人年齢)とは、法的に単独で法律行為が行える様になる年齢のことです。成年に達した者を成人と言い、それ以下の者は未成年者と呼ばれます。日本での成年年齢は民法で定められており20歳となっています。しかし、民法の改正により2022年4月1日から、その年齢が18歳に変わります。2022年4月1日時点で18歳以上20歳未満の方が新成人となります。

2019年の調査では、引き下げについて74.3%が「知っている」と回答したものの、約4分の1の25.4%は「知らない」との回答でした。引き下げについては知っていても、いつから適用されるかについて把握していない方も多い様です。

成人式の由来

成人となったことを祝うのが「成人式」ですが、その由来を知っている方は多くないのではないでしょうか。
日本では古くから、成人の儀礼が行われていました。奈良時代には、男子は元服、女子は裳着(もぎ)という成人への通過儀礼を16歳になった時に行ったとされます。

今日の成人式は、第二次世界大戦後1946年に埼玉県で行われた「青年祭」がルーツになっていると言われています。これは未来を担う若者に希望を持ってもらうことを目的に企画されたものでしたが、日本政府がこれに触発され「成人の日」という祝日を制定しました。かつては1月15日でしたが、現在は1月の第2月曜日が成人の日とされています。

成人式に女子が振袖を着るのはどうしてでしょうか。振袖は、日本の未婚女性が身に着ける第一正装とされています。振袖は江戸時代に誕生し、未婚の女性が正装として着ることが定着したのは明治時代でした。袖が長く動きづらい為、普段着としては活用されなかったのです。第一正装である振袖を、人生の通過儀礼である成人式に着る様になったと考えられています。

また、袖を振る仕草には厄払いや清めの儀式に通じる為、結婚式や成人式で振袖を着ることは「人生の門出において身を清める」という意味合いもあります。

世界の成人年齢は18歳が主流

日本では100年以上、20歳を成人と定めていましたが、世界の標準は18歳です。世界(187の国と地域)の約9割(141の国と地域)で18歳が成人となっています。OECD(経済協力機構)に加盟する30ヶ国においても20歳を成人とするのは日本のみで、概ね18歳となっています(韓国は19歳、アメリカは州によって異なるが45州で18歳)。

こうした世界各国も、以前は20歳か21歳を成人と定めていましたが、ここ数十年で18歳に変更されていきました。イギリスでは1969年、ドイツ・フランスは1974年、イタリアは1975年に変更されています。

カナダやアメリカは州により18~19歳とされており、州によっては18歳から飲酒が可能です。イギリスでも飲酒・喫煙が18歳からとなっており、地域によっては16歳からOKのところもあります。オーストラリアでは飲酒やタバコ購入も含めて18歳からとなっており、選挙権は16歳からとなっています。シンガポールでは成人は21歳ですが、自動車免許の取得や酒・タバコの購入は18歳から可能となっています。

成人年齢が引き下げによる影響を知ろう

日本でも諸外国にならって成人年齢が引き下げられることが分かりましたが、全てが18歳から可能となるわけではありません。具体的な内容を見ていきましょう。
まず選挙権の年齢は公職選挙法に基づいており、平成27年6月に一部が介される法律が成立した為、既に平成28年6月から満年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げられています。

民法が定める成年には「一人で契約することが出来る」「父母の親権に服さなくなる」という意味があります。18歳になって得られる資格は下記の通りです。

・携帯電話やクレジットカード、賃貸住宅などを契約出来る
・親の同意なしにローンを組むことが出来る
・アルバイトや正社員などの雇用契約が出来る(企業によっては、保護者のサインが求められる場合もある)
・10年間有効のパスポートを取得出来る
・公認会計士や司法書士、行政書士、医師免許、薬剤師免許など、国家資格に基づく職業に就ける
・性同一性障害の人が、性別取り扱いの変更審判を受けられる

結婚可能年齢は、現在男性が18歳以上、女性が16歳以上ですが、法改正と共に男女とも18歳以上に統一されます。また、普通自動車免許の取得は、従来通り18歳以上となる為変更ありません。

一方で、成年年齢が18歳になっても、心身の発達や非行防止の観点から年齢制限が20歳のままとされているものもあります。

・飲酒や喫煙をする
・競馬、競輪、オートレース、競艇などの公営競技で投票券を買う
・養子を迎える
・大型・中型自動車運転免許の取得
・国民年金の納税義務

成人式についてはそもそも法律による決まりがない為、各自治体の判断となっています。成人年齢が引き下げられると高校3年生となり受験に影響する為、従来の冬開催から夏開催する自治体も既にあります。

養育費については「子どもが成年に達するまで養育費を支払う」と取り決められていた場合でも、取り決めが行われていた時点の成年年齢が20歳であればそこまでの支払い義務が生じます。また、養育費は子どもが経済的に自立することを期待出来ない場合に支払われるものなので、成年年齢が引き下げられたとしても、例えば大学に進学している場合には卒業までの支払い義務を負うことが多いと考えられます。

あくまでお互いの取り決めによるので、確固とした決まりはありませんので、「(大学を卒業する)22歳3月まで」など、明確な支払期間の終わりを定めることが望ましいでしょう。

小中学生の内から成人への準備を

成人年齢が18歳に引き下げられることで、多くの人が高校3年生の内に成人を迎えることになります。自分の判断で物事を決めることが可能になりますが、18歳は精神的にも経済的にも成熟しているとは言い難い年齢でもあります。高校の在学中に「もう大人だ」と言われても困惑するでしょう。

また、契約の責任が発生するということは悪い契約に騙されたり、重い責任を負わされたりすることもあるかもしれません。クラスの中で成人と未成年が混在することになり、クレジットカードの名義貸しや、マルチ商法の勧誘などの問題を懸念する声もあります。

若者の契約トラブルを未然に防ぐ為には、消費者教育が重要となります。トラブルに巻き込まれることのない様契約に関する十分な知識を高校2年生の時点で身につけておく為に、全国で学校や教員によって実施状況に差が生じていた消費者教育を一定のものとする動きが生じています。専門家を外部講師として学校に派遣する、現場の教職員研修を行うなどが進められています。

経済的なことばかりではありません。ニートや社会への無力感など、若者を取り囲む環境が先進国で共通の課題となっています。社会の一員として自立するとはどういうことなのか、を改めて考え子どもと話し合うきっかけにしていくことが大切です。

既に選挙権は18歳からとなっていますが、若者の投票率の低さについても問題となっています。選挙時には家族で投票に出向く習慣をつけることで、投票を行うことが当たり前と感じる様になり、社会の情勢やニュースにも興味を持つかもしれません。幼少期からそういった環境を整えておくことも、自立に向けての第一歩となりえます。

家庭でも、成人年齢の引き下げについて話し合いを持ちましょう。大人が守るべきルールと責任について理解をさせ、権利や義務とは何か、どの様な心構えが必要であるかを教育する必要があります。

成人年齢の引き下げがなかったとしても、子どもはいずれ大人となり自立していきます。その時を待ったり、学校や他人任せにしたりするのではなく、法改正を機に成人について一緒に考える機会を持つことが大切です。

筆者の親戚が2022年に20歳となりますが、その兄弟が同じ年に18歳となる為、兄弟で同じ年に成人を迎えることとなります。法改正が決まった際にその親と話したところ、まさか自分の子どもにそんな影響があるとは知らなかったとのことでした。

筆者の子どもにそこまでの直接的な影響はありませんが、成人を迎える際に慌てるのではなく前もって機会を作り、成人することの意味や心構えについて話し合うことは必要だと感じました。まだ成人が先であるという家庭でも、2022年の法改正をきっかけに成人することについて家庭で話す機会を作ってはいかがでしょうか。

元記事で読む
の記事をもっとみる