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コロナ禍だからこそ、あえて伝えたい――「ご乗車ありがとうございます」 能勢電鉄の異例ポスターに反響「あかん。泣いてまう」

  • 2020.10.29
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「のせでん」こと能勢電鉄(兵庫県川西市)のポスターがツイッターで注目を集めている。

 能勢電鉄のポスターに注目(画像は普ぅ。@WsbyNSrACさん提供)

ポスターには、走る電車にむかってホーム上で一礼する駅員の姿。電光掲示板には「電車が発車します」と表示され、発車直後であることが伺える。

写真の下には、

「ご乗車ありがとうございます。」

この数か月は、のせでんがどれほどの方に
支えられていたのかを実感するものでした。
不安な日々が続きますが、
何気ない一日が戻ってくることを信じて、
私たちも走り続けます。

今日も一日、お気をつけて。

「この数か月」とは、おそらく新型コロナの感染拡大が続く昨今のこと。テレワークの推進や緊急事態宣言下の外出自粛により、鉄道利用者は減少。能勢電鉄も影響を受けた会社の1つだろう。

そんな鉄道会社にとって、決して楽ではない状況下での「感謝」の言葉。ポスターはツイッターユーザーの普ぅ。(@WsbyNSrAC)さんが「能勢電鉄の広告が泣ける」とコメントをつけて投稿し、注目を集めている。

他のユーザーからは、

「感動!」
「あかん。泣いてまうやんか。」
「素晴らしい広告ですね」
「こちらこそ通常運行、暖かい対応ありがとうございます」(原文ママ)

といった声が寄せられている。

「乗っていただいて当たり前と思っていた」

Jタウンネットは2020年10月28日、能勢電鉄の広報担当者に詳しい話を聞いた。

担当者によれば、ポスターは22日から各駅に掲示。その意図を、次のように説明している。

「緊急事態宣言の中、まったくとは言わないですが(編注・利用者が)減った状況がありまして。その中でも止まることなく運転させていただいたのは、少なからず乗っていただいたお客様がおられたから、ということです。
また解除後もご乗車いただけたので、そういった日頃の感謝を改めて掲出させていただきました」

川西能勢口駅から妙見山と日生ニュータウンを結ぶ能勢電鉄。通勤客がメインだが、緊急事態宣言中は乗車率が7割近く減ってしまったという。

現状に関しては「ちょっと落ち着いています。宣言下よりはお客様が戻ってきています」と担当者。利用者に感謝の思いを伝える広告は今回が初めてだという。

ポスターに対する利用者の反応は温かい。ツイッターでは、地元の観光情報などを発信する学生団体「川西ジャーナル」のアカウントが普ぅ。さんの投稿に反応。能勢電鉄のポスターをオマージュした画像を投稿した。

川西ジャーナルの投稿した画像には「いつもありがとうございます」「コロナ禍でもいつものように走り続けるのせでんに、どれだけ支えられただろう」と能勢電鉄への感謝が綴られている。担当者はこの投稿について、「嬉しかったです」と話している。

ポスターの掲示期間は年内を予定。担当者はポスターがツイッターで注目を集めていることに対し、

「乗っていただいて当たり前と思っていたのが、考え直させられました。このポスターへの反応を見て、改めてお客様と支えあっているのかなと感じています」

と話している。

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