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子どもも大人も一緒に楽しめるクラシック音楽がある!有名作曲家が『子どものために』書いたクラシック名曲2選

  • 2020.10.27
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3歳からヴァイオリンを始め、クラシック音楽と共に歩むこと26年。そんな筆者が、シンプルに「楽しい」「聴いてみたい」と思えるクラシック音楽の魅力をつまみ食い気分でお伝えしていくクラシック音楽入門。クラシック音楽は敷居が高いと思って遠ざけていたらもったいない!新しい趣味を見つけたい、癒されたい…そんなHanako女子へ捧げる連載。今回のテーマは「子どもと一緒に楽しむクラシック音楽」です。

“子どものために”書かれた名曲に注目。

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2歳の姪も最近ピアノやヴァイオリンに興味を持つようになりました。

世界中の頭の良い人たちの研究によって、クラシック音楽が人々に癒やしの効果や、子どもの成長に良い効果をもたらしたりするとの結果が出ています。
でも実際、クラシック音楽は、長くて退屈そう…、勉強してないと理解できなさそう…ましてや子どもと一緒に楽しのは難易度の高いことなのでは…。と敬遠している方も少なくないのではないでしょうか。
ですが、クラシック音楽にも子どものために書かれた曲が数多く存在します。知識がなくても十分楽しめる、むしろ作曲家は自分の作品から音楽の楽しさを感じるきっかけになったらという思いでこの曲たちを書いています。
そこで今回は、大人も子どもも一緒に楽しめる“子どものために書かれた”クラシック音楽の名曲をご紹介します。これを機にお子さまと一緒にクラシック音楽を楽しんでみませんか?

1.勇敢な少年・ピーターと森の動物たちのお話。『ピーターと狼』/プロコフィエフ作曲

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セルゲイ・プロコフィエフ

『ピーターと狼』は、ロシア人作曲家セルゲイ・プロコフィエフが、子どもたちの為にオーケストラの楽器を紹介する為に作曲した作品です。ナレーションがついているので、まるで聴く絵本のような作品になっています。まさにオーケストラ入門と言える作品です。ディズニーでもこのお話をベースとしたアニメが映画化されたり、世界の著名人たちがナレーションを務めたCDも多くあるので手に入りやすい作品のひとつだと思います。

あらすじ
ある日、主人公の勇敢な少年・ピーターが出かけると、仲良しの小鳥に出会います。そこにあひるがやってきて、小鳥とケンカを始めてしまうのです。そんなケンカをしている鳥たちを猫が狙うのですが、ピーターが叫ぶことによって救われます。しばらくすると、森からお腹を空かせたオオカミが出てきて、なんとオオカミはあひるを食べてしまいます。そこでピーターは、仲良しの小鳥と協力してオオカミを捕まえに行くのですが、果たして無事にオオカミを捕まえられるのでしょうか…。

登場人物と演奏される楽器
・ピーター…弦楽器
(ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバス)
・小鳥…フルート
・猫…クラリネット
・アヒル…オーボエ
・狼…フレンチホルン
・ピーターのおじいさん…ファゴット
・ハンターたち…打楽器

登場人物がオーケストラの各楽器に当てはめられていて、楽器それぞれの特徴も知ることができるのでお子さまはもちろん、オーケストラが初めてという方にもおすすめです。聴けば聴くほどこの作品とプロコフィエフの音楽の魅力に引き込まれていくのです…。余談ですが、私が小学生の頃のオーケストラデビューはこの曲でしたとっても楽しかったのを覚えています。

2.反抗期の坊やが「優しさ」を学ぶお話。『子供と魔法』/ラヴェル作曲

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モーリス・ラヴェル

フランス生まれの作曲家・モーリス・ラヴェルによって書かれ、オペラとバレエを融合させた幻想的な作品です。『子供と魔法』…このタイトルだけ聞くと子ども向けの作品なのかな?と思いますが、そんなことはありません。ストーリーはとても奥深く、大人もつい聴き入ってしまう作品です。上でご紹介した『ピーターと狼』を作曲したのはロシア人のプロコフィエフ。そしてこの作品は、フランス人のラヴェル。国が違うだけでもこうも違うのか!というほど作風も変わってきます。その違いを楽しむのも面白さのひとつです。

あらすじ
主役の小さな男の子はある日いたずらをして母親に怒られてしまいます。その腹いせに、家具や動物や虫たちに八つ当たりしてしまうのですが、なんと彼らから逆襲されてしまうのです。いたずらな坊やが、様々なモノとの出会いを通して「優しさ」を学び、人間として成長していくという物語。ティーカップや時計や絵本のお姫様やトンボや蛙たちがしゃべったり歌ったり踊ったり…なんともファンタスティックな作品になっています。それぞれのキャラクターを歌手が、効果音やテーマ曲はオーケストラで演奏されます。

登場人物と演奏される歌手のパート
(下にいくほど声の高さは低くなっていきます。)
【ソプラノ】(一番高い声)
安楽椅子/火/王女/ナイチンゲール/コウモリ/羊飼いの娘/フクロウ/お姫様/ウグイス

【メゾソプラノ】
子供/雌猫

【コントラルト】
母親

【アルト】
羊飼いの男/カップ/トンボ

【テノール】
算数を教える小さい老人/雨蛙/中国の茶碗(ティーポット)

【バリトン】
ソファー/大時計/雄猫

【バス】(一番低い声)

登場人物を見るだけでも、なんともファンタジックな物語だと思いませんか?子どものために作られた作品ではありますが、物語は深いもので大人でも引き込まれ、最後まで夢中になって観てしまう世界観です。今でこそ世界中で演奏されている作品ですが、発表された当時は不評で、認められるようになったのは彼が亡くなってからとのこと…。

いかがでしたでしょうか。作品の解説についてはあくまで個人の見解であり、諸説あります。難しいことは抜きにして、このつまみ食いをきっかけに、この作品をきっかけにお子さまと一緒にクラシック音楽を楽しむ時間ができたら嬉しいです。お子さまと一緒に行けるコンサートなどもたくさんあるので、ぜひ探してみてくださいね。次回もお楽しみに。

(illustration:Erena Kobayashi)

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