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季節の実りが健康や美をサポート 大人が楽しむ秋の果物

  • 2020.10.22
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季節の実りが健康や美をサポート 大人が楽しむ秋の果物

ビタミンやミネラルを豊富に含む果物は、健康や美をサポートしてくれる食べ物として親しまれています。とはいえ、含まれている栄養素や、それを生かす楽しみ方については意外と意識していないものですよね。そこで今回は、今がおいしい秋のフルーツについて、その力やそれをサポートする食べ方などを紹介します。

構成・文/髙木幸、撮影/熱田智寿佳(アンドボーダー) 表紙撮影協力/にいがた園芸農産物宣伝会(おけさ柿)

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出典:リビング札幌Web

栄養監修・レシピ作成・スタイリング

上坂マチコさん
出典:リビング札幌Web

お食事のカウンセリングサロン「colan」代表 上坂マチコさん 管理栄養士・料理家。講演や執筆、テレビ出演、レシピ提供など多方面で活躍。インスタグラムで健康レシピを公開中。 https://www.colan.jp/

香りがよく彩り豊かな果物は、食卓に運ぶだけでも気分が上がります。季節の実りを楽しみながら、美や健康維持に役立てませんか。今回は、旬の柿、ミカン、洋梨、リンゴについて紹介します。上坂マチコさんに、それぞれのフルーツの栄養、それがより生かされる食べ方などについて教えてもらいました。 果物を食べるときのポイントとしては、「搾らずに食べるのがおすすめ」とのこと。搾って果汁のみにした場合、食物繊維が失われて糖質中心になり、血糖値を上げる一因になるのだそう。よくかんで食べると、食物繊維がしっかり取れると同時に、血糖値の上昇も比較的ゆっくりになるので「“果物”として食べてください。生のまま食べるときは、朝や昼の食後がよいでしょう」。次ペーシから、果物を使った料理も紹介します。ぜひ活用してくみてださい。

抗酸化作用のある栄養素がたっぷり 免疫力を高めるビタミンCが豊富。コラーゲンの合成も助けます。含有量は100g当たり70mgと、100g当たり32mgのミカン以上。また、色素成分のベータクリプトキサンチンには免疫力アップ、渋み成分のタンニンにはアルコール分解を助ける働きが。利尿作用のあるカリウムも多く、二日酔いの原因物質の排出を促すため、二日酔いの緩和に働く果物として有名です。カロテノイドの一種・ベータカロテンとベータクリプトキサンチンや、ビタミンC、タンニンは抗酸化作用が高く、“体のさび”の原因といわれる活性酸素の働きを抑制します。

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出典:リビング札幌Web

選ぶときのポイント/皮がつややかで色鮮やか。全体にハリがあり、持ったときに重みのあるもの。へたの形がきれいで、実に張り付いているもの。

さびない体づくり&免疫力アップ 柿のビタミンCとクルミのビタミンEは、一緒に取ることで抗酸化作用が高まる黄金コンビ。カロテノイドと合わせて抗酸化ビタミンといわれています。ベータクリプトキサンチン、ベータカロテン、ビタミンEは油脂類と一緒に取ると吸収率がアップ。抗酸化作用によるさびない体づくりと免疫力アップを意識した料理です。ワインとも好相性。

柿とクルミのバターソテー

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出典:リビング札幌Web

【材料】2人分 柿‥‥‥‥‥‥‥‥‥3個 クルミ(素焼き)‥‥‥30g クリームチーズ‥‥‥30g バター‥‥‥‥‥‥‥10g

【A】 砂糖‥‥‥‥‥大さじ2 塩‥‥‥‥‥‥‥少々

粗びき黒コショウ‥‥適量

【作り方】 ❶ 柿は食べやすい大きさに切り、クルミは粗く刻む。クリームチーズは5mm角に切る。 ❷ フライパンにバターを熱し、柿とクルミを入れて中火で炒める。バターが全体になじんだら、Ⓐを加えて軽く炒める。 ❸ 器に盛り、粗熱を取る。クリームチーズを散らして黒コショウを振る。

他にも! 油脂類と合わせると柿の栄養成分が効率よく吸収されるので、オリーブオイルをかけるのもおすすめです。抗酸化作用のある調味料・酢を使った酢の物にもぴったり。

ミカン

薄皮ごと食べると特長がより生かされます ビタミンCが多いことで知られるミカン。白い筋は、ヘスペリジンというビタミンP(ビタミン様物質)を含み、ビタミンCの吸収を助けるほか、ビタミンCとともに毛細血管を強くしたり、血圧を下げたりする作用も。免疫力アップに役立つベータクリプトキサンチンも豊富です。薄皮には水溶性食物繊維・ペクチンが含まれ、腸内環境を整える働きもあり。薄皮ごと食べるとよいでしょう。酸味成分のシネフリンは体脂肪を分解する働きが期待されています。

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出典:リビング札幌Web

選ぶときのポイント/皮の色が均一で表面がなめらか。へたの切り口が大きくないもの。皮が実にしっかり張り付いてふかふか浮いていないもの。

美肌、美髪へ導く組み合わせ マグロのタンパク質とビタミンCを一緒にとることで、コラーゲンの合成を助け美肌をサポート。ビタミンCはマグロに含まれる鉄や亜鉛の吸収も促します。鉄は全身に酸素を運ぶヘモグロビンの構成成分で、亜鉛は新陳代謝や育毛に関与する働きが。美肌と美髪へ導く組み合わせです。ミカンの自然な甘みがマグロの旨みを引き立てます。

マグロのミカン醤油かけ

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【材料】2人分 ミカン‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1個 カイワレ大根‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1パック

【A】 練りわさび‥‥小さじ1/4(好みで加減する) 醤油‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 大さじ1と1 / 2

マグロ(刺し身用、カットされたもの)‥‥150g

【作り方】 ❶ ミカンは皮をむき、薄皮のついたまま粗みじん切りにする。カイワレ大根は根元を切り落とす。 ❷ ボウルにⒶを入れて合わせ、ミカンを加えてサッと混ぜる。 ❸ 器にカイワレ大根を敷き、上にマグロを盛って②をかける。

他にも! 油脂類と一緒に取ると、ベータクリプトキサンチンの吸収率が上がります。つぶしたミカンと、オリーブオイル、塩、コショウでドレッシングにしてもおいしい。

洋梨

疲れ対策に働く栄養成分が豊富 アスパラギン酸(アミノ酸の一種)、クエン酸、リンゴ酸を多く含みます。これらはどれも疲労回復に役立つ栄養成分です。また、洋梨に含まれる天然のソルビトール(難消化性糖質)が腸内環境を整えるので、便秘の予防にも。タンパク質分解酵素のプロテアーゼが含まれており、肉や魚の消化を助ける働きもあります。

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選ぶときのポイント/色むらがなく、皮にハリがあるもの。重みがあり、軸がしっかりしているもの。

疲労回復をサポート 梨のアスパラギン酸、リンゴ酸、クエン酸、生ハムのビタミンB1、ニンニクのアリシンには疲労を回復する働きが。また、タンパク質(生ハム)の消化をプロテアーゼが助けます。梨を炒め過ぎないよう程よく食感を残すのがポイント。

洋梨と生ハムのマスタードパスタ

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【材料】2人分 洋梨‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥150g 塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 適量 セロリ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥7 0 g 生ハム‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥50g ニンニク‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1 片 スパゲティ‥‥‥‥‥‥‥‥ 1 6 0 g オリーブ油‥‥‥‥‥‥‥‥‥適量

【A】 コンソメ(顆粒)‥‥小さじ1と1/2 スパゲティのゆで汁‥‥カップ1/2

粒マスタード‥‥‥‥‥‥ 大さじ2 塩、コショウ‥‥‥‥‥‥‥ 各少々

【作り方】 ❶ 洋梨は幅5mmのイチョウ切りにし、塩水につける。セロリは筋を取り斜め薄切りに、生ハムは細切りに、ニンニクはみじん切りにする。 ❷ 熱湯に塩を入れ、スパゲティをゆでる。 ❸ フライパンにオリーブ油とニンニクを入れて弱火にかける。香りが出たら中火にし、セロリと生ハムを加えて軽く炒める。湯切りしたスパゲティと水気を切った洋梨、Ⓐを入れて炒める。粒マスタードを加え、塩、コショウで味を調える。 ※好みでイタリアンパセリをのせる

他にも! 肉や魚の消化を助けるプロテアーゼを含むので、鶏肉や白身魚とあわせた料理もおすすめです。肉をやわらかくする作用もあり。

リンゴ

有機酸や食物繊維が腸の働きを助けます 有機酸のクエン酸、リンゴ酸、酒石酸などを含み、疲労回復や腸内環境を整える働きがあります。水溶性食物繊維のペクチンが豊富で、コレステロール値、血糖値の上昇を抑える効果も。抗酸化作用のあるアントシアニンが皮に、カテキンが果肉に含まれます。アントシアニンの他にもリンゴにはさまざまなポリフェノールが含まれていて、免疫力の向上や、抗酸化作用があるといわれています。皮と一緒に食べるとよいでしょう。

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選ぶときのポイント/皮の色が濃く、ハリとつやがあるもの。軸が中心にあり、おしりのくぼみが締まって深いもの。

腸内環境を整えます リンゴに含まれる有機酸、食物繊維のペクチン、さらにヨーグルトの乳酸菌、白ワインの有機酸、蜂蜜のオリゴ糖とグルコン酸が腸内環境を整えます。簡単に出来上がる一工夫のあるお茶菓子です。

リンゴのヨーグルトソースピッツァ風

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【材料】2人分 リンゴ‥‥‥‥‥‥ 1 個 塩‥‥‥‥‥‥‥‥少々

【A】 砂糖‥‥‥‥‥ 5 0 g 白ワイン‥‥ 大さじ2 レモン汁‥‥大さじ2 シナモン‥‥‥ 少々

【B】 ヨーグルト‥‥大さじ2 生クリーム‥‥大さじ1 蜂蜜‥‥‥‥大さじ1

餃子の皮‥‥‥‥ 1 2 枚

【作り方】 ❶ リンゴは皮付きのまま幅5mmのイチョウ切りにし、塩水につける。 ❷ 耐熱容器に水気を切った①とⒶを入れて混ぜ、フワッとラップをかけて電子レンジ(600W)で3分間加熱する。一度取り出して混ぜ、ラップをはずしたまま電子レンジ(600W)で3〜4分ほどやわらかくなるまで加熱し、粗熱を取る。 ❸ Ⓑを合わせる。 ❹ 餃子の皮1枚の片面に水をつけ、もう1枚の餃子の皮を重ねる。同様に5個作る。 ❺ ④の上に②をのせ、オーブントースターで餃子の皮に焼き色がつくまで焼く。食べる直前に③をかける。 ※好みでチャービルをのせる

他にも! 有機酸とビタミンB1を合わせると疲労回復にダブルで働きます。豚肉で巻く料理などもよいでしょう。

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