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【篠原ともえ連載vol.5】墨や絵具でイラストレーションをつくる。

  • 2020.10.22
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幼少の頃から絵を描くことが大好きな私ですが、フィガロジャポンではイラストレーターとして「石井ゆかりの星占い」の連載ページに2018年からイラストを描かせて頂いています。さまざまな手法で自分らしい技法を模索しながら描いています。

最近体験したのは墨の世界。うすい色の墨のことを「淡墨」(たんぼく)というそうです。墨は皆さんも子どもの頃にお習字の習い事などで親しみがあるのではないでしょうか。私は寺院での写経体験などでも墨には馴染みがありました。絵や字を書く前にまず墨を磨ることからはじめるのですが、漂う墨の香りが心地よく、気持ちが引き締まります。

墨と相性の良い和紙を何枚か試しながら、好みを探していきます。この滲みは二度と同じ風合いにはなりません。間違えも正解もないのですが、美しさをどのように表現したいかオリジナルの調合をしながら淡墨を作るのです。

墨の世界に興味を持ったのは、作品展を見に行ったことがきっかけでした。今年初個展をされた書作家の一滴さんの作品は、墨の滲みが美しくかろやかでどこかユーモアもある愛らしい作品でうっとり眺めました。

アートに触れることはとても贅沢な時間ですよね。12月15日から19日まで、銀座の第7ビルギャラリーにて、書とアートとデザインを融合させたモダン・インテリアの作品展「LIFE展」が開催されます。墨の世界に触れてみたいと思った方は是非足を運んでみてくださいね。

最新号のフィガロの連載イラストは、墨で描いたイラストを一枚のテキスタイルのように、大胆に色を変えて展開してみました。季節に合わせて、またはトレンドカラーなどを取り入れてPhotoshopなどで色をアレンジしていきます。

これまでのイラストレーションはアクリルガッシュで描いてみたり、絵具でスパッタリングしてみたり、さまざまな手法を使っています。昨年は、学生の頃から愛用している絵具メーカーのTURNERのショールーム「カラースパイス」へ行き、絵具を活用した体験もさせてもらいました。

これは低粘度の絵具を注ぎ、マーブリングのようなテクスチャー演出できる技法。偶然が重なり、自分の想像を超える作品に出会える体験は、豊かな気持ちになりついつい夢中に…。ショールームギャラリーで自分好みの手法を探す時間も楽しいのでおすすめです!

インスピレーションは著者である石井ゆかりさんの豊かな言葉たちからイメージを膨らませることも。自分のイラストが紙面に掲載される高揚感は私にとって特別です。

これからも自分らしいオリジナルの作品を生み出せるように日々、見たり、体験することを大切にしながら絵を描き続けたい。雑誌フィガロジャポンの「石井ゆかりの星占い」では不安や迷いを撫でながらも、新しい挑戦を応援してくれるような美しい言葉が紡がれています。イラストレーションも皆さんに元気を届けられるように、心を込めて創作してゆこうと思います。

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