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120年の歴史を持つ帯広「真鍋庭園」は、今こそ行きたい3密回避スポット

  • 2020.10.21
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自然溢れる帯広。このエリアにある「真鍋庭園」は、120年の歴史をもつ広大な庭園だ。一見、密になりづらそうなスポットだが、コロナ禍では休業を余儀なくされるなど、大きな影響を受けたという。道外からの観光客が少ない現在、帯広屈指の庭園はどんな様子なのか。真鍋庭園三代目、眞鍋憲太郎さんに話を聞いた。

取材日は小雨が降ったりやんだりの平日だったが、レンタカーで訪れたカップルや地元客が庭を楽しんでいた。

非常に開放的な「真鍋庭園」。それでも、他の観光スポットと同じようにコロナの影響を受けたと話すのは、真鍋庭園三代目の、眞鍋憲太郎さん。眞鍋さんは祖父の代から続く樹木生産業を営みながら、同ガーデンを運営している。

真鍋庭園三代目 真鍋憲太郎さんHarumari Inc.

「冬季休業があけて、今年も4月下旬のオープンを目指して準備していたのですが、そのタイミングでコロナが直撃。約3週間の休業を余儀なくされ、5月にやっとオープンできました」

「真鍋庭園」は都会型のアトリウムや温室と違い、庭園内は3000人が入園しても「密」にはならないほどの広さがある。しかし、国の休業要請対象に「植物園」が入っていたことから、同ガーデンを含め、近郊のガーデンはすべて休業対象となってしまった。

「開園後は、入園受付やショップ、カフェのある無料スペースの消毒を徹底しました。トイレも、野外用簡易トイレを3台レンタルし、毎回、噴霧器による消毒を行っていました」

受付カウンターにはシールドを設置し、客の手に触れるハンドルや手すり、散策時に貸し出す長靴や傘も、消毒し続けている。緊急事態宣言の解除後には、少しずつ地元ナンバーから道内ナンバーの車が増え、夏休みにはレンタカーも見られるようになった。

「現在は関西弁のお客様も見かけるようになりましたが、印象的なのは例年よりSNSへの投稿が少ないこと。皆さん、きっと各所を訪れてもすぐにはアップされないのでしょうね(笑)」

園内の「アマビエ」像Harumari Inc.

旅行に対しての控えめな雰囲気を感じているという真眞鍋さん。コロナ渦で道外からの来客数が落ち込んた今、改めて力を入れているのは地元への発信と、障がい者・高齢者を対象とした園内設備の充実だ。

「障がいをお持ちの方やご高齢の方にも園内を楽しんでもらおうと通路を整備し、介助付きオフロード用車イスを導入したんです」

アメリカのビーチで使用されていたオフロード用車イスは、車輪が太いためチップや砂利道でも埋まらず、介助者にとっても嬉しい造りとなっている。

「庭って、五感で感じてもらうものなんですよね。同園を訪れた障がい者の方の表情が和らぎ、普段はなかなか出ない笑顔が見られたなど、ありがたい声をいただいています。樹木の香り、鳥のさえずり、自由に動き回るリスやキツネなど、自然が与えてくれる力の大きさを実感しています」

昨年放映された朝の連続テレビ小説「なつぞら」のロケ地にもなった同園。現在はロケセットの一部が置かれ、来場者を楽しませている。

「なつぞら」ロケセットHarumari Inc.

庭園内にはほかにも、「エゾリスコース」、「キタキツネコース」などの散策コースや、日本庭園・西洋風庭園・風景式庭園といったジャンルの違う庭園があり、様々な楽しみ方ができる。密になりづらいガーデンで、十勝の香りを感じてみてはいかがだろう。(2020年9月14日取材)

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