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新木優子、初の記者役で感じた「正義」「メディア」に対する思いとは? <「連続ドラマW セイレーンの懺悔」インタビュー>

  • 2020.10.16
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10月18日(日)より、WOWOWプライムにてスタートする「連続ドラマW セイレーンの懺悔」。中山七里の同名小説を原作とする本作は、報道番組の新人記者として働く朝倉多香美(新木優子)が、自身の信念と報道の自由、悲しい現実の狭間でもがきながら、必死に真実を追い求めていく姿を描いていく。今回、本作で主演を務める新木優子にインタビューを敢行。サスペンスに思い入れがあったという新木が、自身の演じる役柄や現場でのエピソード、本作に込められたテーマに対する思いなどを語ってくれた。

【写真を見る】普段「撮られる側」の新木優子が感じた報道の現場の大変さとは?

10月18日(日)スタートの「連続ドラマW セイレーンの懺悔」で主演を務める新木優子
撮影=阿部岳人

「サスペンスの中に自分がちゃんと『生きれている』のが確認できた」

――「連続ドラマW セイレーンの懺悔」のオファーを受けた時の感想を教えてください。

新木優子:これまでサスペンス作品に挑戦する機会がなかったので、この役のお話を頂いたことはすごくうれしかったんですが、不安もあって。

私自身サスペンスの世界が好きなだけに、好きだからこそしっかりと自分ができるのかという不安と、緊張感のようなものも同時に感じました。実際のサスペンスの現場は、本当に憧れていた世界がそこにありました。

――今回がWOWOWドラマ初出演にして主演となりましたが、それを受けての意気込みやWOWOWドラマのイメージなどを教えてください。

新木:WOWOWの連続ドラマは社会問題やリアルなところに突っ込んでいく印象がすごくあるので、WOWOWだからこそ表現できる奥深さであったり、サスペンスの本当にダークな部分であったり、そういう作品の芯の部分を主演として演技でお届け出来るように頑張りました。

撮影の途中で予告編も見させていただいたんですけど、サスペンスの物語の中に自分がちゃんと「生きれている」のが確認できたので、この調子のまま最後まで役を演じきれればと自信に繋がりました。

サスペンス作品の撮影は「ちょっとした仕草や演技の裏側を見ているようで刺激的」

――撮影現場はどのような雰囲気でしたか?

新木:すごく気合いと活気が溢れている現場でした。撮影が始まってから1週間くらいは、本当に灼熱という言葉がピッタリなくらい暑かったので、「大丈夫かな?」と思ったんですけど、暑さに負けず頑張っていました(笑)。

すごく天気に恵まれた撮影チームで、外での撮影の時はすごく晴れて、室内での撮影の時はちゃんと雨が降るっていう(笑)、本当に天気を味方に付けているんじゃないかと思いました。

シリアスな作品ですが、重苦しい空気で慎重に進めていくというよりはメリハリがしっかりしているというか。シリアスなシーンでは皆さんが空気感を作ってくださるし、自分自身も作品の世界観に入り込める感じなんですけど、そうじゃない時は現場の雰囲気も明るいですし。

監督もリハーサルが終わった後に役についていろいろと意見や提案をしてくださったりするので、監督が先頭に立って明るく活気あふれる現場を作ってくださってるなという印象がありました。

――今回は実力派キャストの方々との共演となりますが、共演者の皆さんとのエピソードがあれば教えてください。

新木:すごく刺激的ですね。サスペンスって、見る側は犯人がわからない状態で話を進めていける楽しさがあると思うんですけど、撮影する側は当然すべてを知った上で撮影しているという。

だからこそ、役者のちょっとした仕草や演技がなぜそうなっているのかが理解できて。そこが何か裏側を見ることが出来ているような気持ちで、演じていてすごく面白かったです。

池内博之さんをはじめ、本当に皆さん想像していた以上に素敵なキャラクターとしてそこにいてくださるので、私自身もすごく刺激をいただきますし、とにかく楽しかったですね。

多香美(新木優子)は先輩記者・里谷(池内博之)と共に女子高生誘拐殺人事件の真相を追っていく
KADOKAWA

物語のキーアイテムは「兵頭さんの孫の手」!?

――非常にリアリティーのある作品なので、報道フロアのセットや、記者クラブのセットなど、撮影現場もかなり作り込まれていたのではと思いますが、新木さんからご覧になってセットの様子はいかがでしたか。

新木:(多香美が働く)帝都テレビの現場はすごくリアルで。エキストラの皆さんも、自分たちの私物を持ち込んでデスクを飾っていたりしていて、それぞれの個性がすごく出ていて面白かったです。

――美術さんが用意されたアイテムや、演者の皆さんが持ち込まれたアイテムの中で、特に印象的だったものはありましたか。

新木:(池田成志さん演じる)兵頭さんがいつも持ち歩いている「孫の手」のようなアイテムがあるんですけど、それがあると「兵頭さんがいる!」っていう印象が強かったですね。

兵頭さんはそれで肩とかをマッサージするだけじゃなくて、人を指す時などにも使ったりするので、やっぱりそういうアイテム一つでキャラクターを表現できるというのは素敵だなと思いました。

多香美は「正義感を『持たなきゃいけない』と思っている」?

――今回新木さんが演じる朝倉多香美の印象を教えてください。また、実際に多香美を演じる中で変わってきたことや、演じるにあたって心掛けていたことはありますか?

新木:今回演じる多香美は社会人2年目、24歳の役なので私よりも年下ですし、撮影する前はもっとフレッシュな、ガツガツした役柄を想像して多香美を演じようと思っていたんです。

撮影が始まってみると、もちろん熱量はあるんですけど、想像以上に達観している部分もあるなと。演じる前は感じられなかった多香美の強さをより感じることができたかなと思います。

あと、多香美の「正義感の強さ」は自分自身と重なる部分もあるなと撮影前から思っていたんです。私自身正義感がある方だと思うのですが、多香美の正義感には過去のある事件が背景としてあって。

その過去があるからこそより正義感が強まって、多香美の「正しいことを突き詰めていく」という性格がどんどん作られていくイメージでしたが、一方で何かに追い込まれるように正義感を「持たなきゃいけない」と思っているような印象もありました。

(自分の正義のために)頑張って、苦しんでいるような多香美の正義感は、私とまた違ったものなのかなと思う部分もあって、ちょっと複雑な心境でした。「正義感」という言葉を一つとっても、いろんな側面があるなと思っています。

多香美(新木優子)がこの女子高生誘拐殺人事件にこだわるのには、自身のある思いがあった
KADOKAWA

――ドラマ中盤では、そんな多香美の「正義感」が行き過ぎてしまう様子も描かれます。現実でも正義感の暴走が大きな事件に発展するなど、持ち方次第では危険なものになりうると思いますが、新木さんご自身にとっての「正義」とはどのようなものでしょうか。

新木:やっぱり自分の信念を貫けるかどうかなのかと思います。正しいことには「正しい」、間違っていることは「間違っている」と自分の意志を持つことも大事ですし、その中で自分の信念を曲げないことが「正義」なのかなと思います。

報道の現場を追体験し「寝る時間あるのかな?っていう大変さを感じました」

――初めての記者役となりますが、実際に記者を演じてみていかがですか?

新木:私は普段「撮られる側」ではありますが、テレビのニュースや報道の世界というのはあまり接点がないので、もちろん大変そうだと思ってはいたんですけど、演じてみてより大変だなと思いました。

やっぱり報道の方は自分がスクープを取りに行くだけでなく、自分で現場から報道するという、言わばキャスターのような役割をするようなこともあって、臨機応変にいろんな役割の仕事をこなさなければならないのがすごく大変だなと思いました。

あとはとにかく「寝る時間あるのかな?」と思うほどの大変さを感じました。スクープが取れたらすぐに局に素材を持ち帰って伝えることもあるし、次の放送に向けて原稿を用意したり、心配になるくらいずっと動いていて、より体育会系的なイメージが付きました。

【写真を見る】普段「撮られる側」の新木優子が感じた報道の現場の大変さとは?
撮影=阿部岳人

――報道という比較的“男社会”の現場で奮闘する多香美や、高梨臨さん演じるライバル局の記者・三島奈那子の姿はどのように映りましたか。

新木:確かに(報道の現場は)男社会というか、女性であることがメリットになる部分もあれば、デメリットになってしまう状況もあって。

その中で、すごく信念を持って、女性にしかない観点で事件を追い、考えながら「こうじゃないか」とやっていく姿はすごく素敵だなと思いました。また、高梨臨さん演じる奈那子は、すごく強くてパワフルな女性像だったのでカッコいいなと思いました。

――多香美は事件の真相を追っているつもりが、いつの間にかさまざまな事に「追われる」「追い込まれる」側となっていきます。心情的にも演じていて難しい部分があったのではと思いますが、そうしたシーンは演じられていかがでしたか。

新木:多香美は結果的に自分で蒔いた種に苦しめられていくんですが、私の中では、ああいう状況に多香美が落ちてしまったことは、多香美にとっては良かったんじゃないかと捉えていて。

あれが無ければ多香美はきっとこの先も間違った正義を持ったまま突き進んでしまうことがあっただろうし、あの事件をきっかけに多香美はちゃんと「報道記者」になれた気がします。

それまでは「朝倉多香美」としてやってきたけれど、ちゃんと「報道記者・朝倉多香美」として前に進むきっかけになったと思うので、追い込まれることは多香美にとってすごくプラスに作用したんじゃないかなと思いながら演じていました。

数々の刺激的な言葉の中から新木が選んだ名ぜりふとは?

捜査一課の刑事・宮藤(高嶋政伸)による言葉など、キャラクターたちのせりふにも注目!
KADOKAWA

――高嶋政伸さん演じる捜査一課の刑事・宮藤の「マスコミはセイレーンだ。視聴者を耳触りのいい言葉で誘って、真実と名付けた娯楽の中に引きずり込む」というせりふは、本作のテーマと言える言葉だと思いますが、作品と向き合う中で新木さんはこのせりふをどのように受け止められましたか。

新木:その通りと言えばその通りだなとは思うんですが、そこにその人の行動だったり、メディアを通して自分が発言したことに対して責任が伴っているのであれば、それは「正義」なのかなとも思いました。

――本作ではその言葉以外にも、兵頭の「数字が上がる音が聞こえる」のような刺激的なせりふが数多く登場してきます。新木さんの中で特に印象に残っているせりふはありますか。

新木:「スクープは生もの、鮮度が大切」という兵頭さんのせりふがあるんですが、本当に報道記者の皆さんの中でもそうなんだろうなと。

「今自分が撮ってきた“とれたての映像”を、熟すまで待っていて腐らせるわけにはいかない」という思いは、報道記者の皆さんが常に思っていらっしゃるようなリアルなせりふなんだろうと思うので、私の中でもすごく印象に残りました。

新木が取材したいのは「スポーツ」!

新木優子お薦めの鑑賞法は「作品のキャラクター一人一人になったつもりで見る」!
撮影=阿部岳人

――もし一日報道の現場で働くとしたら、どんなことを取材してみたいですか。

新木:スポーツの現場を取材したいです。お客さんとして見る視点とはまた違う、記者の方ならではの考察や視点というものがあると思うので、面白そうですね。グラウンドのすぐ近くで、取材という形で競技に触れてみたいです。

――最後に、本作の見どころや期待してほしいところを交えて、視聴者の皆さんへメッセージをお願いします!

新木:今回は「報道サスペンス」という、私自身も初めてですし、あまり見ることのないジャンルの作品だと思うので、まず新鮮に楽しんでいただけると思います。

犯人を追い、真相にたどり着くというサスペンスならではの楽しみもありますが、その部分が本当に深いというか一筋縄ではいかない展開で。スッキリはするんですけど、真相がわかってからモヤモヤしてしまうという、演じていても考えさせられる物語になっています。

結末も、きっと見ていただく皆さんの考える糧になるような作品というか、新しい自分の考えを構築していくきっかけになる作品だと思います。

それから、今回は共演者の皆さんのキャラクターがそれぞれすごく光っていて。キャラクター一人一人が本当に面白いです。リアルでシリアスな場面もあれば、それぞれのキャラが色濃く、ちょっと笑えるくらいに見える場面もありますし、それらが物語の中で上手く重なり合って一つのものになっていきます。

予想しては裏切られてというのがサスペンスの面白いところだと思うんですが、それを繰り返していくことで、真相を知った時にまた自分の考えが結構変わっていたり。

私自身は「自分が犯人だったら」とか、キーパーソンの気持ちになってみるとか、この作品のキャラクター一人一人になったつもりで見るとすごく楽しかったので、皆さんもそうやって見ていただけたらより楽しめるのではないかと思います。(ザテレビジョン)

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