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青森県産りんごを「飲み比べ」できる自販機が話題に どうやって選べばいいの...?運営会社に聞いてみた

  • 2020.10.14
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地方活性化のためのレシピを開発し活躍中の、料理家・フードコーディネーターの河瀬璃菜(@Linasuke0508)さんが、2020年10月6日に投稿した、次のようなツイートが大きな注目を集めている。

ツイートには、「品種別のりんごジュース飲み比べ自販機」というコメントが添えられている。

写真は2枚あり、1枚は「トキ」「ふじ」「ジョナゴールド」「王林」「青森りんご」...といったラベルが貼られたペットボトルが並ぶ自動販売機が映っている。この自販機では、様々な種類のりんごジュースのみを販売しているらしい。

もう一枚は「お気に入りの品種を見つけよう!」というチャートで、それぞれのジュースの味の特徴が書かれている。これを見ながら、自分が好きそうな味のりんごジュースを選ぶ、というわけだ。

河瀬さんは、新青森駅の構内でこの「りんごジュース自販機」を発見したらしい。このツイートには、なんと15万件を超える「いいね」が付けられ、今も拡散中だ(10月13日昼現在)。

ツイッターにはさまざまな声が寄せられている。

「一昨日、青森で見かけたばかりですが、そのチャート票があれば迷わず選べたのに...」
「飲み比べしてみたい」
「以前トキとジョナゴールドを買いました。 トキも美味しかったけど、 私はジョナゴールドがお気に入りです」
「買うか買わないかではなく、どれ買うかってなっちゃいますね」
「これは効きりんごしたくなりますね」

りんごの品種の多さはもちろんだが、品種を選ぶためのチャートに興味をそそられた人が多かったようだ。

読者のみなさんは、りんごの品種についてどれだけご存じだろうか。ましてやそれぞれの味の違いや、選び方が分かるだろうか。

Jタウンネット記者の場合、王林(おうりん)さんという津軽弁を話すタレントさんの存在を知って初めて、王林がりんごの品種であることを知ったほどだ。自慢じゃないが、王林もトキもジョナゴールドも、いったいどこがどう違うのか、まったく分からない。「りんごジュース自販機」があっても、チャートがなければ、どれを買えばよいか、途方に暮れるしかないだろう。

この自販機とチャートに興味をひかれたJタウンネット記者は、「りんごジュース自販機」を運営するJR東日本ウォータービジネスに取材することにした。

「夏の時期はすっぱい品種、冬の時期は甘い品種が人気」

 河瀬璃菜 りな助 (@Linasuke0508)さんのツイートより

取材に応じたのは、JR東日本ウォータービジネスの広報担当者だ。

りんごジュースだけが並ぶ自販機の名は、「りんご自販機」。ジュースは同社のオリジナル飲料ブランド「acure made」のうちのひとつである「青森りんごシリーズ」だ。

「『青森りんごシリーズ』は青森県産のりんごだけを使用しています。
青森県産りんごにこだわるためには原料の確保が最大のポイントです。
当然青森県で収穫されるりんごの量は年によって異なりますし、品種によってもさまざまです。また収穫されたものの中から加工用に回ってくる量は限られています。
そのため、『青森りんごシリーズ』はそれぞれの品種毎に生産数量がすべて限定されています(生産数は非公開)。
現在は『ふじ』を通年で販売し、その他の品種は時期を分けて販売しています」

とのこと。そのため、自販機に並ぶりんごジュースの品種ラインナップは、時期により変更するものもあるそうだ。

「りんご自販機は2017年から登場したものですが、以前は青森県内の青森駅、新青森駅、弘前駅に設置されていました。今年の10月6日より、新たに東京駅と上野駅に各1台ずつ新たに期間限定で設置いたしました」

とのことで、20年10月6日についに東京進出を果たしたようだ。今なら、りんご自販機でりんごジュースを買うために、わざわざ青森まで出かける必要はない。

しかし東京では、青森のりんごの種類の多さについていけない人も多いかもしれない。

自分の好みがどの品種なのか...。自販機の前で悩んでしまう人もきっといるだろう。

そこで担当者に、「りんごチャート」の見方をやさしく解説してもらえるとありがたいと、頼み込んでみた。

 画像提供:JR東日本ウォータービジネス

すると、担当者はこう答えた。

「チャート表に関しては、当社として『甘味』と『酸味』で分けて表示をしています。単一で飲むと『りんごジュース』という捉え方になってしまうのは致し方なく、おすすめはチャート上で異なる位置にある2商品を飲み比べていただくと、品種によって『甘い』と『すっぱい』が明確にお分かりいただけると思います。
なお、夏の時期はゴクゴク飲める『すっぱい』品種が、冬の時期はほっこりできる『甘い』品種が人気です」

なるほど、りんご音痴なJタウンネット記者にも、少し分かってきたような気もする。夏は酸味が強い「ジョナゴールド」などのジュース、冬は甘味が強い「王林」などのジュースを選べばいいようだ。

ところで、自販機の真ん中あたりには、チャートにはないジュースも入っている。

 画像提供:JR東日本ウォータービジネス

金色に輝く「世界一」だ。他のジュースが170円のところ、これだけは300円だと表示されている。これは10月6日、「青森りんごシリーズ」登場10周年を記念して発売されたものらしい。

「『世界一』という品種です。青森県のりんご試験場で育成されたりんごで、誕生当初サイズが世界一大きいと言われたのが品種名の由来です。小さいもので 350グラムくらいあり、大きめのものは 500~600グラムほどで、とくにに大玉のものは 1キロ 近くになることもあると言われています(通常のりんごは 300グラム程度)。
甘味と酸味のバランスが良くまろやかさが感じられる味わいです。大玉のものは見た目のインパクトがあるため、ハレの日の贈り物に使われることも多いりんごです。
甘味の調整や大きさ故の管理が難しく、青森県内でも作付面積は全体の 0.5%程度と限られた数しか生産していない希少な品種で、飲料化されることは滅多にありません」

とのことで、かなり珍しいジュースのようだ。

 画像提供:JR東日本ウォータービジネス

様々な品種を飲み比べることができる「青森りんごシリーズ」。ツイッターには、コンビニで販売してほしいという希望も届いていた。その可能性はあるのだろうか?

「『青森りんごシリーズ』はエキナカを中心に展開しているアキュアの自販機が主な販売箇所です。しかし、近年は東日本エリア以外の方からも反響をいただき、アキュアのオンラインショップなどでも人気の商品となっています。
また、ご採用いただいた一部の手売り店舗でも販売しています」

コンビニはともかく、オンラインショップでは販売されているそうだ。気になる人はアキュア公式オンラインストアをのぞいてみてはいかがだろう。

またSNSで話題になっていることについては、JR東日本ウォータービジネス広報担当者次のようにコメントした。

「非常に多くの方々から反響をいただき、驚いております。多くの方々に青森りんごシリーズを知ってもらえるきっかけを作ることができ嬉しい気持ちでいっぱいです。
青森りんごシリーズは今年登場から10年経ち、これまで以上にお客さまに愛されるブランドを目指していきます」

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