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脳科学でも判明! 勉強嫌いな子どものモチベーションを上げる褒め方

  • 2015.5.15
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【ママからのご相談】

小学5年の息子のことです。先日、学級懇談会があり、そのときに担任から、「5年生は学力の別れ道になる」みたいなことを言われました。 難しくなるから家庭での復習が必要なのはわかっています。でも勉強嫌いな子にどうやって勉強するように仕向けたらいいのでしょう。

●A. ちょっとした褒め言葉で学習を定着させることから始めましょう。

こんにちは。学習塾で講師をしていたことのあるフリーライターの桜井涼です。ご相談ありがとうございます。

確かに高学年に入ってきますと、難しい箇所や復習をして定着を図ることが必要な分野が出てきます。学力を定着させるためには家庭学習をすると効果的ですが、子どもにそれをさせるのは、なかなか簡単じゃないですよね。

ご相談者様のお子さんは、勉強嫌いということですが、この時期の男子の多くが勉強よりも遊びが優先的であったり、部活に打ち込んでいたりしています。私が講師をしていたころもそういった生徒が多かったです。

このときに、勉強が好きでない子ども(宿題すらしてこない子もいました)に、勉強に取り組んでもらうため、“あること”をしました。それは、“ちょっとした褒め言葉をかける”ことです。

●褒めることが勉強することにつながるのはなぜ?

さまざまな子育て雑誌や教育書の中で、「褒めましょう」と出てきます。「どうして褒めることが勉強することにつながるのか」と疑問に思われますよね。

褒めることは、心の中にある自己評価を高くすることにつながります。自己評価が高くなると、もっと褒められて評価を高くしたくなるのです。人は褒められるとうれしくなりますよね。子どもならなおさらで、褒められたことを頑張ってやるようになります。

部活などでコーチに褒められるとうれしいからと、練習をがんばりますよね。それと同じことなのです。

しかし、親はわが子のことを思って、勉強をさせようと次のような言葉をつい言ってしまいがちになります。

・「勉強しなさい」

・「先生の話を聞いてないとわからなくなるわよ」

・「何でわからないの!」

・「授業中、話を聞いていたの?」

このような叱るとも取れる言葉では、自己評価は低くなる一方であることがおわかりになることでしょう。褒めることは、自己評価を高くしやる気を起こさせることができます。

●脳科学の面から見ても“褒める”は有効!

脳の前頭前野の働きを知っていますか?

この部分では、考えたりものを憶えたり、意志を決めるなどさまざまなことに使われています。いわゆる理性の部分ですね。前頭前野の部分は、簡単な計算や書くこと、音読をするといった行動で活性化され、脳が成長することがわかっています。

脳科学者で有名な川島隆太教授は、次のようなことを言っています。

『褒められたとき、脳の前頭前野には“快”の情動が起こります。褒められると気持ちがいいでしょう? その気持ち良さを脳が憶えて、「もっとがんばろう」「また、褒めてもらおう」と、やる気が出てくる、というわけなんです』

褒めることで脳が活性化され、やる気を出してくれるのならば、家庭学習を自主的にし出すように仕向けることができるというわけです。

●具体的にどうやって褒めるか

ご相談者様だけでなく、多くの親が褒めて勉強させるのは難しいと考えています。ついつい、ネガティブな言葉を言ってしまいがちになります。それに、「勉強して当たり前」と感じることもあるでしょう。褒めるのは難しいと思ってしまうのはこういった理由があるからかもしれません。

いきなり、「全てを褒めなくてはいけない」と考えるのは大変です。少しずつから始めてみましょう。ちょっとしたことでいいので褒めるのです。

例えば、

「今日は字をキレイに書けているね」

「計算が間違えないでできてすごいね」

「読み仮名、間違えなかった、えらいぞ!」

「今日の音読は、聞きやすかった。ありがとう」

「宿題を自分からやってるの!? さすが高学年になると違うね!」

「プリントの字が見やすい! 丁寧っていいね!」

など、具体的に何が良かったのかを褒めてあげると、子どももわかりやすいですし、親も褒めやすいと思います。

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褒めることが子どもを伸ばすことにつながる事実は、多くの大人が知っていることです。しかし、行動に移すのが難しいですよね。最初に、「何でわからないの!」といった叱るような言葉が出てきてしまいますから。わが子であればなおさらです。

学習は毎日の積み重ねが本当に大事です。それをさせるために、ちょっとの褒め言葉を毎日積み重ねていくことができたら、子どもの自己評価を高くすることができるはずです。

褒めることが脳にいいと分かっているのですから、ちょっとの褒め言葉をかけて、脳を刺激し学習の記憶を脳に定着させる方法でいきましょう。

【参考文献】

・『わかっちゃいるけどほめられない! 脳を育てる「ほめる表現力」』高取しづか・著

●ライター/桜井涼(フリーライター)

新潟県佐渡島出身。親が転勤族だったため、幼少期より引越し・転校を多数経験しました。母親が病弱だったこともあり、「地球が滅亡しても生きていける!」と呼ばれている父の元、家事からサバイバルまでを様々経験してきました(そのワザが震災時に大活躍!)。4人兄弟の長として奮闘してきましたが、現在は、2児の母をしています。妊娠中と出産のハプニングを乗り越え、今はフリーライターとして活動中です!

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