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映画「あざみさんのこと―」本編冒頭映像を公開!小篠恵奈が覚悟の初主演に挑む「中途半端にあざみを生きたら、役者として終わる」

  • 2020.10.8
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映画「あざみさんのこと」誰でもない恋人たちの風景vol.2
(C)2020キングレコード

【写真を見る】好きで仕方ないキタジマさん(斉藤陽一郎)にキスを迫ったあざみ(小篠恵奈)

小篠恵奈主演の映画「あざみさんのこと 誰でもない恋人たちの風景 vol.2」が、新宿K'Sシネマにて10月10日(土)より公開される。

忘れられない恋に執着するヒロイン・あざみを演じた小篠は、複雑な家庭環境に育ち、愛と誰かへの依存にすがりつく、寂しがり屋の女性を、繊細に表現した。寝起きのようなむくんだ素顔を披露したり、大胆なセックスシーンも熱演した小篠に、初の長編主演作に挑んだ思いを聞いた。

監督のオファーに即決「とにかく死ぬ気で彼女を生きようと覚悟を決めました」

【写真を見る】好きで仕方ないキタジマさん(斉藤陽一郎)にキスを迫ったあざみ(小篠恵奈)
映画「あざみさんのこと」誰でもない恋人たちの風景vol.2より (C)2020キングレコード

ーー本作の脚本・監督は、越川道夫が務めた。「アレノ」での監督デビュー以来、「海辺の生と死」「二十六夜待ち」やシリーズ前作「誰でもない恋人たちの風景vol.1 愛の小さな歴史」など、男と女の揺れ動く情愛を描き続けてきた。

越川監督からはどのようなアプローチがあったのですか?

「以前、越川監督の未発表作に出演したことがあり、本作でリベンジしようと声を掛けていただきました。その段階では構想を説明されただけでしたが、監督の作品ならばぜひと即決しました。ところが、完成した脚本は構想と違っていて、驚きました」

ーーその驚きとは、どんなことでしょう?

「私には、男性にすぐに向かうあざみの行動原理が自傷行為や破滅に近いものに感じられて、脚本を読みながら“なんでそっちに行くの!”と戸惑うばかりでした。でも、彼女の意思を尊重して作品に取り組まないと、自分の中で齟齬が生まれて苦しくなる。中途半端にあざみを生きたら、役者として終わる。とにかく死ぬ気で彼女を生きようと覚悟を決めました。肌を見せることには不安はなかったですね。私はバストに自信がないので、少しでもふっくらするようにラーメンをたくさん食べました。あまり効果はなかったようで残念ですが……」

絶望的なラストに「あざみを救ってあげて欲しい」と懇願

映画「あざみさんのこと」誰でもない恋人たちの風景vol.2
(C)2020キングレコード

ーー越川監督からは、あざみについての説明や注文はありましたか?

「脚本はある女性の日記を核に、越川監督ご自身や友人のエピソードが散りばめられています。実は私のものも入っていますが、どれかは秘密です(笑)。脚本の経緯を知っていたので、監督は私を信頼して任せてくれました。だからこそ、いろいろな方の人生が入り混じったあざみを死ぬ気でやらなきゃと覚悟したんだと思います」

ーー小篠さんからも監督にアイデアを出したそうですね。

「最初にいただいた脚本は絶望的なラストだったので、あざみを救ってあげて欲しいと監督にお願いしました。こんなにも痛々しくて、誰からも愛おしいとも思われず、共感もされないままだなんて悲しすぎます、と。あざみが堕ちていくだけの女性と描かれるのには、抵抗があったんです。監督には撮影直前まで調整していただき、このようなラストに落ち着きました」

撮影で「心も体もあざみの情念に乗っ取られたような不思議な経験」

映画「あざみさんのこと」誰でもない恋人たちの風景vol.2
(C)2020キングレコード

ーー過去の忘れられない男、キタジマさん(斉藤陽一郎)。ほんの少し前の男、シン(嶺豪一)。これから始まる男、ノダくん(奥野瑛太)。3人の男の間で揺れるあざみさんを、どう演じ分けたのですか?

「大人の男性がバリバリ仕事に打ち込んでる姿に、あざみが吸い寄せられる気持ちは理解できます。そんな人から愛がもらえたらうれしいって。でも、あざみはほんの数滴よりもバケツ満杯にほしいタイプなので、キタジマさんに振り向いてもらえない彼女を演じるのはつらかった。シンとあざみは対等な感じで、一般的な現代のカップルという感じでした。シンはいつか素敵な女性と出会って、結婚して、幸せになってほしいです。ノダくんは、愛に飢えているあざみが初めて愛を与えることになる男性です。あざみも彼のまっすぐな気持ちに揺さぶられますが、私もノダくん役の奥野さんの熱演を受けて同じ気持ちになりました」

ーー撮影現場はいかがでしたか?

「荒れた海に向かうキタジマさんを引き留める壮絶な海のシーンは本当に大変でした。“海に入ったら、倒れるくらいの勢いでやるでしょ”と軽く言われて、“もちろんそうですよね”と応えたものの、波に揉みくちゃにされて膝はアザだらけ。お風呂のシーンで見える膝を確認してみてください(笑)。肉体的に厳しいシーンでしたが、あざみになるにはいいスタートになりました。それまでの彼女はキタジマさんの幻を追って生きてきたけれど、彼の気持ちに寄り添おうと海に入っていったら、あざみがこの人を忘れられない理由が胸にストンと降りてきたんです。脚本だけでは感じ取れなかったけれど、その後は納得してキタジマさんを忘れられないあざみを演じることができました。

だから、キタジマさんと別れる居酒屋のシーンは苦しくて……。脚本では、さよならを言ってすぐに店から立ち去ることになっていたのに、足が鉛のように重くなって動けないんです。涙はポロポロこぼれてくるし、セリフも出てこない。そこにキタジマさんがもう一度“じゃ”とたたみかけるじゃないですか。その瞬間、“この人は2回も私を出て行かせようとするんだ”と突き放された衝撃を受けて…。ノダくんが待ってるから早く店を出なくちゃ。でも、もう一度キタジマさんの腕の中に抱かれたい気持ちも消えない。心も体もあざみの情念に乗っ取られたような、不思議な経験でしたね」

全力で男性にぶつかるあざみは「痛々しいけれど愛おしい」

映画「あざみさんのこと」誰でもない恋人たちの風景vol.2
(C)2020キングレコード

ーー越川監督は何度もテイクを重ねませんし、長回しも多いので、奥野さんとは撮影前に打ち合わしたのですか?

「監督と奥野さんの打ち合わせに同席しても、私と奥野さんの間では打ち合わせはありませんでした。奥野さんは役者としてもノダくんとしても全力で私にぶつかってくるので、私もあざみとしてノダくんに愛を与えたいと強く感じましたし、役者として奥野さんに影響を与えたいと火がつきました。奥野さんは考え抜いた末に演技しているのに、出てくるものに思考を感じさせず、純粋に人としてそこにいるんです。そういった気持ちがぶつかりあいました」

ーー完成作がついに公開されます。

「うれしかったのは、常に全力で男性にぶつかるあざみの生き方を批判する人がいなかったことです。むしろ、痛々しいけれど愛おしいという声が多くて、あざみの心がちゃんと伝わったんだとホッとしました。嘘がなかったという感想もうれしかったですね。いろいろな人のエピソードが入っているので、あざみさんの行動になんとなく思い当たる節があったり、引っかかる言葉があると思います。鑑賞後に恋人や友達と恋愛談義したくなりますので、お酒でも飲みながら感想をぶつけ合って欲しいですね」

小篠恵奈が体当たりの演技に挑んだ映画「あざみさんのこと 誰でもない恋人たちの風景 vol.2」の本編映像は「ザテレビジョンYouTubeチャンネル」にて公開中。ヒリヒリするような一人の女性の愛と再生の物語が、10月10日(土)より公開される。(ザテレビジョン)

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