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失われゆくフィーチャーフォンゲームを救えフライハイトクラウディア、勇者死す・・・名作復刻プロジェクト

  • 2020.10.7
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「G-MODEアーカイブス」のプロデューサー・竹下功一氏

「ガラケー」や「フィーチャーフォン」の呼び名で知られる従来型携帯電話。スマートフォン普及が進んだ影響で利用者数が減少傾向にあることから、通話やデータ通信を行うために各キャリアが提供しているサービス「3G回線」が2026年月末までに終了予定だ。これにより、ガラケーのアプリゲームも遊べなくなる。

このアプリゲームを当時のまま忠実に再現する「復刻プロジェクト」がある。モバイルに特化したゲームメーカー、ジー・モード(東京都品川区)が展開する「G-MODEアーカイブス」だ。「Nintendo Switch」(ニンテンドースイッチ)で遊べるようにしている。

5日後に死ぬ「勇者」を操り恋人を探すゲームに挑戦

「G-MODEアーカイブス」で配信しているゲームジャンルはパズルやスポーツ、アクションなど多岐に渡る。2020年4月にロールプレイングゲーム(RPG)「フライハイトクラウディア」を復刻させたのを皮切りに、半年で約20作品を配信した。タイトルは一律で税込500円。ニンテンドースイッチでダウンロード購入できる。

J-CASTトレンド記者はジー・モード社を訪ね、10月1日に配信されたRPG「勇者死す。ディレクターズカット」で実際に遊んでみた。主人公は「魔王を討ち、命と引き換えに世界を救った勇者」。神の計らいで与えられた「5日間の命」で行方不明の恋人を探す旅に出るが、何をして過ごすかはプレイヤーの自由だ。ただ生前の行いによって、エンディングで執り行われる葬儀内容が変化する。寂しい最期になるのは嫌だ・・・。

恋人は見つけたいし、人々に惜しまれながら世を去りたい。欲張りな記者はスタート地点の城下町にある、戦火で焼失した礼拝堂の前に立つシスターに「礼拝堂を再建させたいので、寄付してほしい」と声を掛けられ、二つ返事で承諾した。特に深く考えず、所持金9万9999円を全額寄付。再建には倍以上のお金が必要らしく、恋人を探しながら稼がなければならない。

だが、徒歩で隣の村を目指そうとすると時間がかかる。お金を払えば馬車が使えて、比較的早く移動できる。ただ寄付した直後で財布はすっからかん。勇者に残された時間はわずかで、死が迫るにつれて力を失っていくため、まさに「時は金なり」――。

いきなり失敗したかもしれない。幸せな最期を迎えるためには緻密な戦略が必要になるようだ。奥が深い・・・。

あらゆるゲームが揃う「ハブ」のような場を目指して

ジー・モード取締役で「G-MODEアーカイブス」のプロデューサー・竹下功一氏は取材に、「失われゆく、全てのアプリを救う」思いでプロジェクトを推進していると語った。

「アーケードゲームや家庭用ゲームだけでなく、フィーチャーフォンアプリゲームにも多くの人の心に残り続ける名作がいくつもあります。例えば『フライハイトクラウディア』については復刻前に『また遊びたい』という声を、問い合わせメールやツイッターで数多く受け取っていました」

同作は15年以上前に誕生したゲームだが、「今なお人気があると感じた」という。続編の2や3と共に「G-MODEアーカイブス」を支える、売れ筋タイトルだ。

竹下氏によると「G-MODEアーカイブス」は、2022年3月までに計100タイトルの配信を見込んでいる。現在は自社の開発タイトルを配信するのみだが、ゆくゆくは「他社が作ったゲームもアーカイブスに加えたい」と意気込む。目指すのは「あらゆるゲームが揃う、『ハブ』のような役割を果たす場」。かつて生み出したゲームが現代の最新ハードでも遊べるよう、移植方法を模索するメーカーとも強力に連携していきたい考えだ。

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