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特別な訓練は不要! 心肺停止者へのAEDの使い方と蘇生法3ステップ

  • 2015.5.14
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【男性からのご相談】

最近いたるところで、“AED”と書かれた赤い箱を見かけるようになりました。心肺停止のときに使用する救命具だと聞きましたが、使い方が分かりません。また、テレビで、心肺が停止した場合、すぐに蘇生措置を行ったかどうかで命を取り留める確率が変わってくるとも聞きました。 いつも近くに医師や看護師、救急救命士などの専門家がいるとは限りません。経験も知識もない自分にできる蘇生法もあるのでしょうか?

●A. その場に居合わせた一般人による処置で、多くの命が救われる可能性があります。

こんにちは。海外在住プロママライターのさとうあきこです。

心肺停止者を見つけたら、ほとんどの人はまず救急車を呼ぼうとします。ただし、救急車の平均到着時間は8~9分といわれています。その空白時間に、どんな措置を行うことができるかは救命に大きく影響を与えます。AED(自動体外式除細動器)が各所に置かれるようになったのも、この空白時間を有効に使った救命活動を行うためです。

しかし、ご相談文にもあるように、その使用法や肝心の蘇生方法を知らなければ十分な措置を行えないのも確かです。ここでは、誰にでもできる心肺蘇生法とAEDについてご紹介したいと思います。

●心肺蘇生のやり方3ステップ

意識を失っている人を見つけたときにできることを3ステップでまとめてみました。

●(1)意識有無と呼吸の有無を確認する

「聞こえますか?」などと大声で話しかけたり、腕を持ったりします。さらに、胸や腹部の動きを観察して呼吸状態を確認します。意識がなく、呼吸が正常ではない場合には次のステップに進みます。

●(2)心臓マッサージを行う

胸の真ん中に、両手の手の平を重ねて胸に向け、体重をかけるくらい強力に圧迫します。このとき、胸が最低でも5cmは沈み、1分あたり100回押すスピードで行います。休憩は極力取らず反応が現れるまでひたすら続けます。内臓を傷つける心配から力を加減してしまわないように注意しましょう。かなり息の切れるハードな動きになるはずです。

●(3)人工呼吸を組み合わせる

患者の頭部を下げ、顎を上げるという気道確保の体勢をとり、患者の鼻を軽くつまんだら口移しで大きく息を吹き込みます。心臓マッサージ30回と人工呼吸2回を1セットとして意識や呼吸が確認できるまで続けます。

人工呼吸は誰にでもできることではないかもしれませんが、できないことでもありません。特に、水の事故による溺水や窒息などの場合や、体が小さく心臓マッサージを激しく行いにくい乳幼児の場合には人工呼吸を組み合わせるのが効果的です。

●AEDの使用方法

AEDは、付属のパッドを胸部に当てると自動的に解析を行った上で、必要な電気ショックを与えることのできる医療機器です。病院などで使われているものとの違いは、細かい動作が自動化されている点にあり、医療関係者でなくても、また特別な訓練を受けていなくても使用できます。

多くのAEDは、音声ガイドがついているため、それにしたがって電源を入れ、電極パッドを胸部に装着すれば準備は完了です。ガイドに従って電気ショックを与えたら、再び心肺蘇生のための心臓マッサージと人工呼吸を始めます。

●まとめ

心肺蘇生法が、特別な訓練を受けていない人でもできることだとお分かりいただけたかと思います。心臓マッサージと人工呼吸が有効な処置だとは知っていても、その場所・強さ・回数などを知らないために臆病になって、救助の手を差し出すのをためらってきただけなのです。

救急車が到着するまでの間にできることは限られていますが、救命の観点から見ると非常に重要な分かれ道でもあります。これを機会に、身近な存在である家族と一緒に話し合いながら訓練をしてみてはいかがでしょうか?

【参考リンク】

・救急蘇生法 | 日本医師会

●ライター/さとうあきこ(海外在住プロママライター)

子育て、教育、健康、食、仕事、人間関係などなど、海外に場所を移してもやっぱり悩むことは多いし大変。でも、ガッツリ取り組んでみたらなんだかおもしろい! 何かと不便な海外生活の中での工夫の数々と、実際に体験した失敗と成功を元手に、日々多方面へと情報発信中です。フルタイムプロライターとして、またライフワークとして、好奇心のおもむくままに、時には情報の海を、時には世界中を母娘で旅しながら、子育て・自分育てにまい進中。

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