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【緊急特集】身近にあるママとパパの産後うつ。回避のために知っておきたいこと3

  • 2020.10.2
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育児中、赤ちゃんと2人でいるのに孤独を感じるなどママの孤独からママが疲弊しきってしまうと産後うつにつながってしまう可能性があります。そして、この産後うつは決してママだけの問題ではありません。パパもママと同じく3人に1人の割合で産後うつにかかってしまっているという現実があるのです。ママとパパの産後うつを回避するためにはどうすればいいのでしょうか。

産後うつとは?

産後うつの主な兆候としてはうつの症状と非常に似通っており、気分が落ち込んだり、以前は楽しんでいたものが楽しめなくなったり、イライラしやすくなるということが起こります。赤ちゃんをかわいいと感じない、良いママではないと自分自身を責めるということもよく見られる症状です。

これらが進むと、自分自身だけでなく赤ちゃんを傷つけたり、自殺について思考を巡らせ、最悪の場合、ママが死を選んでしまう場合もあります。赤ちゃんが生まれて1~3週間後に症状が現れるのが一般的と言われていますが、育児を何カ月かした後に発症する場合もあります。

産後うつの原因は決して、ママの頑張りが不足していたりするからではありません。産後はホルモンバランスの急激な変化により精神の安定を崩しやすい状態であり、産後うつの症状が出やすい状況であるため決して自分のせいではないということ、だれでもなりうる特別なことではないという意識を持つことが大切です。

一方、パパの産後うつは、仕事が忙しい中、ママから育児や家事をもっと手伝ってほしいと言われ、自分ではやっているつもりでもなかなかうまくいかないことから発症してしまうと考えられています。

産後うつの要因とは?

産後うつの大きな要因として考えられることの一つに“孤独”があります。1人でつらい状況を抱え込んでしまい、だれにも相談できない状況がうつを引き起こしてしまうのです。

この孤独感を和らげることを、最も身近にいてできる人は、ママにとってはパパであり、パパにとってはママです。けれど、実際は忙しくて話し合う時間がなかったり、話し合える距離感をお互いにうまく取ることができず、結果、お互いに孤独を感じてしまうということが起きてしまいます。

お互いの“孤独感”を醸成しないためにしておきたいこと

そもそも、産後うつは男女の思考の違いから起こってしまう部分が多々あります。そのため、まずはママとパパがお互いの思考について知っておくことが回避の一つのきっかけになり得ます。

ママが産後うつにならないためにパパが知っておいたほうがいいこと3

・ママの言う「ゆっくり」について知る
育児中のママには、おそらくパパが想像している以上に次から次へと課題が襲いかかってきています。食事の支度をしている横で赤ちゃんが泣き出した、洗濯物を片付けている横でおやつのお皿を子どもがひっくり返した……。

ママがパパに「ゆっくりしたい」と漏らすのは、決しておしゃれをしてお出かけをしたいということではありません。ただカップに入れたコーヒーを温かいうちに飲みたい、トイレにゆっくり入りたい、そこからなんです。

・ママの脳内もいつでも大変
食事の準備をしながら子どもの世話をしているだけではありません。脳内は次の仕事について考えを巡らせています。これをやったらミルクの準備をしなければ、ミルクの準備をしたらお風呂を沸かさなきゃ……。頭の中も爆発しそうなくらい忙しいのです。

・パパに話を聞いてほしい
一日中、体も頭もフル稼働しているママにとって、実は唯一の息抜きがパパだったりします。「大人と会話をできる」というこの普通のことが、ママにとっては非常にレアな時間なのです。しかし、多くの場合、仕事で疲れて帰ってきた男性は、面倒くさそうに聞いたり、スマホを見ながら聞いているのか聞いていないのかわからない状態。あげくの果てには「だからなんなの?」「○○したらいいんじゃない?」と一方的に会話を途切らせてしまうこともあります。

唯一の一日の息抜きのはずが、ママの心をポキっと折ってしまうことになることが多いのです。

パパが産後うつにならないためにママが知っておいたほうがいいこと3

・パパが認められたいのはママ
人間はだれしも承認欲求があります。人に認めてもらえることで自信がつき、さまざまなことに挑戦ができます。パパは仕事で評価を受けていますが、実は、パパが一番評価を受けたい人はママであることが多いのです。仕事で評価を受けても、それをママが喜んでくれなければ、パパの中での評価は半減、いやそれ以上減ってしまうでしょう。

育児や家事もそうです。パパがやってくれたことを褒めたら、パパのやる気は倍増するに違いありません。

・仕事の頑張りを認めてもらいたい
パパには「ママと子どもを養っている」という自負があります。それゆえ、家で子どもの世話をしているママよりも、少なくとも同じ、またはそれ以上は自分は大変であり、感謝されて当然だと思っているパパがほとんどでしょう。ママは、パパへの感謝の気持ちをぜひ頻繁に表わしてみてください。

・リストがあっても行間が読めない
例えば、「赤ちゃんを沐浴させてほしい」とパパに頼んだところ、沐浴はさせてくれたものの、使ってほしくないタオルを使われた、使ったタオルをそのまま放り出してある、なんてことはどこの家庭でもあることです。

ママにとっての沐浴は、赤ちゃんの洋服を脱がせることから、赤ちゃんに着替えを着せて寒くない状況にするまでの一連の流れを指しますが、パパにとっては沐浴させることだけが「沐浴」であることが多くあります。育児と家事に疲れきったママは、そこで大きなため息をついて、パパの不足していることについて文句を言ったり、ぼそっと嫌味を言ったりすることに……。

疲れ切ったママにはその気はなくても、パパはそれでどんどん萎縮してしまい、うつになってしまう状況に追い込まれてしまうのです。

ママも大変。パパも大変。お互いに大変であることを認め合って、お互いに孤独を感じないよう、接してみてください。それがお互いの産後うつを回避する一歩となるはずです。


著者:ライター メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー カトウ ヒロコ

メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。

ベビーカレンダー編集部

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