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返還を要求?ジョージ王子が貰った「サメの歯」を巡る論争

  • 2020.10.1
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ケンジントン宮殿は先日、ウィリアム王子一家が動物学者デヴィッド・アッテンボロー卿の訪問を受けたことをInstagramで報告。ジョージ王子が、卿からプレゼントをもらったことを明らかにした。

王子が受け取ったのは、先史時代に生息し、現在は絶滅しているサメの一種「カルカロクレス・メガロドン」の歯の化石。宮殿はInstagramへの投稿で、次のように説明している。

「アッテンボロー卿が1960年代後半に家族でマルタへ旅行した時、柔らかい石灰岩の層から見つけたものです。約2300万年前、中新世のころの化石です」
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The Duke and Duchess of Cambridge are delighted to share new photographs of their family with @DavidAttenborough. The photographs were taken earlier this week in the gardens of Kensington Palace, after The Duke and Sir David attended an outdoor screening of Sir David’s upcoming feature film ?️ ‘David Attenborough: A Life On Our Planet’. With a shared passion for protecting the natural world, they continue to support one another in their missions to tackle some of the biggest environmental challenges our planet faces. This includes working together on The @EarthshotPrize ? the most prestigious global environment prize in history – further details of which will be shared in the coming weeks. When they met, Sir David gave Prince George a tooth from a giant shark ? the scientific name of which is carcharocles megalodon (‘big tooth’). Sir David found the tooth on a family holiday to Malta in the late 1960s, embedded in the island’s soft yellow limestone which was laid down during the Miocene period some 23 million years ago. Carcharocles is believed to have grown to 15 metres in length, which is about twice the length of the Great White, the largest shark alive today.

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だが、この贈り物について公表したことが、一部に論争を巻き起こすきっかけとなったもよう。マルタの文化相が、「この化石はそもそも、アッテンボロー卿が(自分のものとして)誰かに贈れるものだったのかどうか」に疑問を呈したという。

英『ガーディアン』紙も指摘しているとおり、イギリスには実際に、他国から貴重な物を“奪ってきた”長い歴史がある。それらの多くは、植民地化や略奪を通じて“探検家”たちが持ち帰ったものだ。

たとえば、「ベニン・プラーク」(ナイジェリアで作られた真鍮の飾り板)や「コーイヌール」(インド産出のダイヤモンド)、「エルギン・マーブル」(ギリシャのパルテノン神殿の彫刻)などがその例として挙げられる。

マルタの文化相は『タイムズ・オブ・マルタ』紙に対し、メガロドンの歯の化石は、それが発見された国に返されるべきとの考えを示したという。『ガーディアン』紙は、「マルタの自然遺産として重要な物でありながら、外国で保管されているものがあります。それらは返還されるべきものです」との同相の言葉を伝えている。

同相は、自然史に関連した遺物には歴史的、芸術的なものほど関心が向けられてこなかったと指摘し、「変化を起こしていく」決意を明らかにしたとのこと。

しかし、マルタ文化省は今後この化石について問題を追及する考えはない模様。同省の広報担当者は、発表した声明で「大臣の先の発言は、国内の関連法、特に化石の発掘や撤去を禁じた『2002年文化遺産法』に関連したもの」だと説明し、「大臣はこの件(ジョージ王子に化石が贈られたこと)について、さらに追求する意思があるわけではないことを明確にしておきたい考えです」

※この翻訳は抄訳です。

Translation:Hearst Contents Hub

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