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産業医が教える、3カ月で自己肯定感が驚くほどアップする「毎日の小さな習慣」5つ

  • 2020.9.28
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「ないものねだりをする」「謙遜しすぎる」「姿勢が悪い」のは、自己肯定感を下げる悪習慣。では反対に自己肯定感を上げる、よい習慣とはどんなものでしょうか。今すぐ始められる5つの方法を井上智介先生が教えてくれました。ほんのちょっと意識を変えるだけで、自分がかけがえのない存在であることに気づくことができます。

泡風呂にキャンドルを焚き、バスタブに横たわる女性
※写真はイメージです(写真=iStock.com/Prostock-Studio)
当たり前のことができていない人が多い

前回は、つい自己肯定感を下げてしまう悪習慣についてお話ししましたが、今回は自己肯定感を高めるために、ぜひ身に付けてほしい習慣をご紹介します。ほんの少し意識を変えるだけで、自己肯定感はアップし、人生の満足度が高くなります。

1 身体を休ませる

当たり前のことですが、意外にできていない人が多いですね。そもそも日本人は休むのが苦手。「自分の身体のことは、自分がいちばんわかっている」と思いがちですが、たいがいの人は無理をしています。

まずは自分の身体を大切に扱うことが、自分の存在を大切に扱うことにつながり、自己肯定感が高まると知っておいてください。

具体的には「睡眠時間をとる」「湯船にゆっくりつかる」「タンパク質をとる」といったことです。まず夜は十分に寝ることが大切です。そして、お風呂はシャワーですませるのではなく、ちゃんと湯船に入る。食事は、体の元気の素になるタンパク質を意識的にとります。おすすめは肉や魚、大豆など。朝食には納豆や豆腐がおすすめです。時間がないときには、プロテインを摂取してもよいですね。

無理しながらも動いてくれている、自分の身体に感謝する。身体を尊重すると、自分の心が休まってきます。ぜひ習慣として意識してください。

2 誰もが面倒くさがる小さなことをする

「自分を大切にする」とは逆説的なイメージですが、自己肯定感の低い人は、周りから認められたという感覚が少ないので、こうした経験値を増やしていくことが大切です。周りから認められたことがきっかけで「このままの自分で大丈夫」「今の自分でいいんだ」と思えるからです。

そのためには、誰もが面倒くさがる小さなことをコツコツと積み上げていきましょう。たとえば洗面台に飛び散った水を拭いておくとか、コピー用紙の残りを確認して補充しておくとか、誰かがやってくれたら助かることを積極的にやる。そうすると、自分で自分の頑張りを認めやすいですし、必ずその姿を周りは見ていますから、今まで以上に自分をていねいに扱ってくれる人が増えて、自己肯定感は確実に上がります。

3 つくり笑顔でもOK、笑顔のハードルを下げる

笑顔を作ると、幸福感をもたらす「エンドルフィン」が出たり、心をリラックスさせる「セロトニン」が分泌されたりする、という調査結果が数多く発表されています。面白いのは、これがつくり笑顔でもかまわないということです。

また笑顔をつくることは、自分自身にとってプラスになるだけでなく、笑顔を見た相手にも幸せをもたらすという説もあります。ですから、笑顔というのは、自分にとっても相手にとってもいいんですね。

ただ、つくり笑顔でOKとはいっても、慣れていないとなかなかできないもの。だからこそ、笑顔のトレーニングが必要なのです。

トレーニングは簡単。鏡を見ながら「10秒間口角を上げる」×3回を毎日行いましょう。続けるうちに、笑顔になるハードルが下がっていき、自然と笑顔になる機会が増えて、自己肯定感が上がっていきます。

4 一日の終わりに自分にねぎらいの言葉をかける

毎晩1分でいいので「今日も仕事をよく頑張った」と、自分にねぎらいの言葉をかけてあげましょう。「二度寝せずに朝起きることができた」など、当たり前のようにやっていることでも、あえて褒めていくことが大切。ちょっとした自分の行動に「偉い!」「スゴイ!」「頑張った!」とつけていくだけで、自分が大切な存在であることに気づけます。

自己肯定感の低い人は、とかく自分を卑下したり、無下に扱ったりしがち。そうではなく、自分にねぎらいの言葉をかけて、自分を丁寧に価値のあるものとして扱うことが重要です。

5 「ないものねだり」ではなく「あるもの感謝」を

「もっと理解のある上司だったらいいのに」「もっとルックスがよかったらいいのに」……、前回もお話ししましたが「ないものねだり」は、自分のないものに注目して、自分自身を否定してしまう行為。自己肯定感を下げる大きな原因になります。

そうではなく、今あるものに感謝して過ごすこと。「自分はこれで大丈夫」「これでいいんだ」と満たされる気持ちが、自己肯定感をアップさせてくれます。

なかでも身近な「衣食住」に感謝することは、とても大切です。ぜいたくとまではいかなくても、今日着る洋服があって、食べるものがあって、住むところがある。当たり前の環境も改めて考えてみると、すごく恵まれていることなのです。

そういうことに感謝していくと、通勤ひとつとっても、電車を運転する人がいるから時間通りに会社に行けるし、食べ物があるのもスーパーの店員さんがいるから買える。自分の人生は、たくさんの人に支えてもらっていること、そしてこのままでも十分に満たされていることに気づき、これ以上、上を目指す自分は違うのではないか、今の自分で大丈夫なのではないかと思えます。

こうした5つのことを毎日意識して取り組むうちに、3カ月ごろから自分が変わるのが実感できるはずです。ぜひ実践してみてください。

構成=池田純子 写真=iStock.com

井上 智介(いのうえ・ともすけ)
産業医・精神科医
島根大学医学部を卒業後、様々な病院で内科・外科・救急科・皮膚科など、多岐の分野にわたるプライマリケアを学び、2年間の臨床研修を修了。その後は、産業医・精神科医・健診医の3つの役割を中心に活動している。産業医として毎月約30社を訪問。精神科医・健診医としての経験も活かし、健康障害や労災を未然に防ぐべく活動している。また、精神科医として大阪府内のクリニックにも勤務

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