1. トップ
  2. 北村匠海&二宮健監督がコメディに挑戦!『とんかつDJアゲ太郎』“アガる”撮影現場に潜入

北村匠海&二宮健監督がコメディに挑戦!『とんかつDJアゲ太郎』“アガる”撮影現場に潜入

  • 2020.9.26
  • 483 views

「少年ジャンプ+」で連載されたイーピャオと小山ゆうじろう原作の人気ギャグ漫画を実写映画化した『とんかつDJアゲ太郎』が10月30日(金)より公開される。

【写真を見る】“しぶかつ”の撮影現場で北村匠海、二宮健監督にインタビュー!

老舗とんかつ屋3代目のアゲ太郎がとんかつもクラブフロアもアゲられる男を目指し奮闘する本作で、日々“おもしろいことをする攻防”が繰り広げられているというその撮影現場にMOVIE WALKER PRESSが潜入!今回が本格的なコメディ初挑戦となった主人公アゲ太郎役の北村匠海、二宮健監督らの現場インタビューとともに、撮影の模様をお届けする。

『とんかつDJアゲ太郎』若いパワーあふれる撮影現場に潜入! [c]イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会
『とんかつDJアゲ太郎』若いパワーあふれる撮影現場に潜入! [c]イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会

2016年にはテレビアニメ化され人気を博し、実写映画化発表の際にはYahoo!リアルタイム検索ワード1位になるなど早くから話題を呼んでいた本作。キャスト、スタッフともに若い才能が集結し、駆けだしDJのアゲ太郎を単独主演初となる北村匠海がこれまでにない“アゲキャラ”で熱演。また、アゲ太郎が想いを寄せる苑子を『今日から俺は!!劇場版』(公開中)にも出演している山本舞香、ライバルDJでIT社長の屋敷を『弱虫ペダル』(公開中)など話題作への出演が相次ぐ伊藤健太郎が演じるなど、フレッシュな顔ぶれがずらりと並ぶ。さらに監督と脚本を『チワワちゃん』(19)でメガホンをとった28歳の俊英、二宮健が手掛けるなど、まさに若いパワーが炸裂。

また物語の要となるアゲ太郎の家族には、“しぶかつ”2代目店主で厳しくも優しい父親の揚作を俳優やアーティストとして幅広く活躍するブラザートムが好演し、アゲ太郎を温かく見守る母親のかつ代を『楽園』(19)の片岡礼子が、いい加減な兄を常に心配する妹のころもを『ニセコイ』(18)の池間夏海が演じる。

とんかつの香りただよう撮影現場へ、いざ潜入!

【写真を見る】“しぶかつ”の撮影現場で北村匠海、二宮健監督にインタビュー! [c]イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会
【写真を見る】“しぶかつ”の撮影現場で北村匠海、二宮健監督にインタビュー! [c]イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会

撮影期間真っただなかのこの日、記者が訪れたのは、湾岸スタジオに作られた老舗とんかつ屋“しぶかつ”での店内シーン。細かい部分までこだわり抜かれたお店のセットは、監督が「仕事という枠を超えた遊び心を、これでもかとぶち込んでくれている」と表現する通り美術部のアイディアがぎっちりと詰め込まれており、年季の入ったメニュー札や豚の置物など味わい深い飾りものがたくさん。製作陣の狙いでどの角度から撮影しても装飾物が映像に入るように空間がデザインされており、まさに本物のとんかつ屋に来店したかのような、なんとも言えないレトロないい雰囲気が漂う。さらにセットの横には、九州を中心に展開する老舗「とんかつ濵かつ」の協力で揚げ場が設置され、その名店の味を再現し黄金色となるよう研究を重ねたという“とんかつ”を実際に調理。物語のキーポイントとなる香ばしい匂いがただよい、まさに世界観を五感で感じる撮影現場に。

そこへ「はい本番!よーい、スタート」という二宮監督の威勢のいいかけ声が響き渡り、アゲ太郎の会話シーンが撮影されていく。撮影直前に髪を切ったというアゲ太郎役の北村は、自分史上一番に前髪を短く切って役作り。原作通り左目下に“つけぼくろ”をつけ、白い調理着を着た姿は、最初スタジオ内を見渡しても北村がどこにいるか分からなかったほどの再現度。「なるべく新しい才能や、いままでやったことのない若いメンバーでやりたかった」という監督の狙い通り若い制作スタッフも多く、現場全体を若いパワーが包みこんでいるのも印象的だった。

こだわり抜かれた作られた“しぶかつ”の店内撮影セット [c]イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会
こだわり抜かれた作られた“しぶかつ”の店内撮影セット [c]イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会

新たな挑戦に奮闘するキャスト&スタッフ

本格的なコメディ初挑戦となった北村匠海 [c]イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会
本格的なコメディ初挑戦となった北村匠海 [c]イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会

「最初に製作プロデューサーからタイトルを聞いた時は、新手の詐欺かと思った(笑)」と話すのは、二宮監督。コメディを撮れる監督が少ないなかで、製作プロデューサーが「若い世代に向けた作品だし、若い空気を入れたい」と探し見つけた才能が二宮監督だ。『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY -リミット・オブ・スリーピング ビューティ-』(17)や前作『チワワちゃん』(19)など鬼才のイメージが強かった二宮監督だが、現場では記者の目線を感じてわざとスタッフの陰に隠れたり、何気なく声をかけてくれたりと気さくでチャーミングな一面ものぞかせる。カリスマ的人気を持つ原作の実写化は、監督にとっても大きなチャレンジとなったはずだが「この作品を実写化するというハードルを乗り越えられたら、おもしろそうだと好奇心が湧きました」と回顧。また過去の二作とは方向性もまったく異なるが、「新しいことができるかなというワクワクがあった」と新たな挑戦を楽しんでいる様子がうかがえる。

キャベツの千切りも猛特訓したというアゲ太郎役の北村匠海 [c]イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会
キャベツの千切りも猛特訓したというアゲ太郎役の北村匠海 [c]イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会

同じく「こういう作品に出会ったことがなかった」と話すのが北村だ。本人も「いままでは相手の女の子が亡くなってしまったりと、悲しい役柄ばかりで(苦笑)」という通り、『君の膵臓をたべたい』(17)など比較的センチメンタルな作品が多かったなかで、本作は新たな挑戦となった。渋谷にある“しぶかつ”3代目として生まれたアゲ太郎は、店を継ぎたい気持ちも中途半端でうだつがあがらない。そんななか、たまたま配達で訪れたクラブで盛り上がるフロアとその高揚感に衝撃を受け、持ち前のポジティブ思考とみなぎるやる気でDJ修行にうちこみ始める。「アゲ太郎はエネルギッシュで、とにかく前にしか進まない。そういう少年を演じたことがなかったのでチャレンジングですし、皆さん個性的な方が集まっているのですごい爆発力がある。日々負けないように過ごしています」と、力強くも穏やかな眼差しで語る。

そんな北村のことを「本当にいい子」だと、本人の目の前で明かす二宮監督。本作が初顔合わせとなった二人だが、「北村くんのなかの“純真さ”みたいなものがアゲ太郎ととてもリンクしていていて、それがきちんと作品に出ればいいし、一つそういうラインさえあればすごく輝くんじゃないかと。これまでやってきた役とは違うからこそ、見たことのない北村くんになって欲しい」と監督ならではの想いを吐露する。また父親役を演じたブラザートムも、そんな北村のことをとても気に入ったようで「あの青年はいい」と絶賛。「人見知りで、打ち解けるのに時間がかかるところがいいですよね。そういう人間を信じます。(本作は)現場に行くとき、アガる作品でした。息子(北村)に会えるから」と、その人柄に本当の息子のような愛情を感じていたようだ。

“おもしろいことをする攻防”が繰り広げられる撮影現場

はたしてアゲ太郎は“とんかつ”も“クラブフロア”もアゲられるのか…⁉ [c]イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会
はたしてアゲ太郎は“とんかつ”も“クラブフロア”もアゲられるのか…⁉ [c]イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社・映画「とんかつDJアゲ太郎」製作委員会

「迷ったらおもしろいものをやろうがキーワード」と語るのは、本作のプロデューサーを務めたフジテレビ映画部の小原一隆。「大変だけどおもしろくなるほうを。ただもしかしたら、やり過ぎている所はあるかもしれない(笑)」と話してくれた通り、その絶妙なさじ加減がコメディ映画の難しい部分でもある。「こういうことをやりたい」、「いや、それはやり過ぎかな」と撮影現場では日々“おもしろいことをする攻防”が製作陣とキャストのなかで繰り広げられているようだが、北村も「トライして、そうじゃない、あってる、と本当に試行錯誤しながらやっているんですけど、難しい」と初のコメディに不安げな表情を見せる。しかし「そういう感情は、朝トイレに流しています(笑)」と静かに見せるひょうひょうとした笑顔からは、新しいチャレンジを楽しんでいる様子がしっかりと伝わってくる。

たんなるコメディ映画ではおわらない!アゲ太郎の成長物語も大きな魅力

原作は様々なエピソードのオムニバス形式になっているため、脚本作りでは「どこをどう切り取るかというのがかなり重要だった」と小原プロデューサーは話す。たんなるコメディ映画ではなく、全体を通して“アゲ太郎の成長物語”に大きく軸足を置いているのも本作の大きな魅力だ。「基本線はアゲ太郎の成長なんですけど、その成長を促したのはアゲ太郎と関わっていく周りの人たち。アゲ太郎がDJに入り込むきっかけとなった片想い相手の苑子と最終的に結ばれるのかという“ラブ線”もきちんと描きつつ、最後まで席を立たないでいただきたいですね」と自信をのぞかせる。

二宮監督も「脚本を作る段階からも、僕たちがおもしろいだろうというものをただ見せるだけではなく、導線を全部作っていきたいと思っていました」と語る。続けて「現場でおもしろいことが、スクリーンを通しておもしろいわけじゃない」とコメディの難しさについても言及する。「現場で普通に見えていることが、映画の流れのなかでおもしろく見えるのがベストです。とはいえ現場は盛り上がっている方が楽しいので(笑)、そこは葛藤がありつつも、みんながいたって真剣に目の前のことに対してリアクションしている様子が、結果的におもしろい仕上がりになると思っています」と、力強く語ってくれた。

取材・文/富塚沙羅

元記事で読む