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「不安感」を和らげる2つの対策 “情報から離れること”とあと一つは?

  • 2020.9.26
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憂鬱な時期を、体質別養生で快適に。中医学や養生法に詳しい櫻井大典さんによる「Daily(デイリー)養生」。今回のテーマは「不安感」です。

自然物の力で、ネガティブ感情を静めて。

ここ数か月、世界的に何かと心落ち着かない状況が続いていますね。不安で心が覆われる時間が長引き、気づかぬうちに心身のバランスを崩している人が少なくないようです。今回は、こうした場面で必要な養生について、お話ししたいと思います。

不安などのストレスを受け止めるのは、五臓のうちの肝の役割です。肝は脾=胃腸を制御する働きも担っているのですが、肝にストレスがかかり続けるとこの制御機能が暴走し、脾を必要以上に押さえつけてしまう。結果、食べられない、消化がうまくいかないなどの胃腸機能障害が起こります。

脾は気(き)や血(けつ)など、体に不可欠なものを生み出す大事な工場です。そこが弱れば当然、体じゅうに影響が出てくる。気が足りないことはそのままエネルギーの枯渇を意味しますし、血不足は精神統括を司る「心(しん)」の活動を阻害するので、落ち着きがなくなるほか、集中力低下の原因にも。結果、不安がますます増幅し、それらがさらに肝を刺激して…という悪循環を生んでしまいます。

気持ちを整える条件が揃っているのは、神社。

五臓が互いに影響し合い、成り立っているのが私たちの心身。不調改善にも多くの方法がありますが、とくにメンタルに関する要素は複雑です。ここでは、優先順位の高い2つの対策法をお伝えしたいと思います。

気持ちが落ち着かないと感じたら、まずは不安のもとである情報から離れることが先決。ニュースを検索するのをやめましょう。心理学の領域の話ですが、もともと人は情報を探すとき、不安を強化する方向に目が行きがちです。スマホの見すぎは血を消耗するので、心に悪影響。視線の固定は気の停滞にもつながります。スマホもパソコンも、TVもオフを。

そして自然に触れられる場所に出かけること、これが2つめ。中医学では感情にも自然の事物が呼応すると考え、緊張を静めるには水に、思い悩むときは木に、恐怖を感じたときは土、そして怒りを感じたときは金属に触れるのが良いとされています。そうした観点からいうと、個人的におすすめなのは神社。どんなに小さくても、神社にはこのすべての要素が揃っています。視界が広がり、気を巡らせるのにも有効。通勤や休日の散歩で、気持ちを整えに立ち寄ってみてください。

さくらい・だいすけ 漢方専門家、国際中医専門員。完全予約制の漢方相談処「成城漢方たまり」で相談を行う。『体をおいしくととのえる! 食べる漢方』(小社刊)ほか、監修書、著書多数。

※『anan』2020年9月30日号より。イラスト・原田桃子 文・新田草子

(by anan編集部)

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