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老後が危ない!やってはいけない退職金の使い方

  • 2020.9.22
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老後の生活費の3つの柱は、退職までに貯めてきた貯金(金融資産)、年金、そして退職金です。この中でも退職金は一度に大金を手にするため、どのように管理すればいいのか迷う人も多いと思います。退職金は長年働いてきたことへのご褒美という側面もあるため、好きなこと、または今までやりたかったけどできなかったことに使いたくなる気持ちはわかりますが、使い方を誤ると老後の生活が危なくなることも。今回は特に安定した老後を送るために、やってはいけない退職金の使い方を4つご紹介します。

■やってはいけない行動1:よくわからない金融商品に手を出す

何千万円ものお金を預金で持っていても、増えないし、もったいないので、資産運用を始めたいと思う人は多いですが、これまで投資をまったくしてこなかった人は充分注意が必要です。特に銀行や証券会社などの金融機関に勧められるまま、外貨預金や途上国ファンド、仕組債など内容がよくわからない金融商品を買うのは絶対にやめましょう。

確実にお金が増える投資はこの世にありませんし、もしあなたの退職金が減っても誰も責任は取ってくれません。よくわからないまま資産運用をするなら、預貯金のまま持っている方がまだ健全と言えます。

■やってはいけない行動2:全額を投資に回す

ある程度投資に関する知識がある人でも、全額を投資に回すのではなく、預貯金などの安全資産は残しておくようにしましょう。預貯金はほとんど増えませんが、減ることもないですし、いつでも使えるというメリットがあります。

株や投資信託は上手に運用すれば資産を増やすことはできるかもしれませんが、それでも右肩上がりに増やして行ける人は稀です。もし投資の損益がマイナスの時に生活費が必要になれば、損失が出ているのに金融商品を売らなければならなくなり、損をしてしまいます。その点、預貯金があれば、一時的に投資商品で損失が出ていても、預貯金を取り崩している間に景気がよくなって運用がプラスに転じる可能性があります。

資産運用を考えるのであれば、大きく増やすことより大きく損をしないような資産の配分を考えることが大切です。

■やってはいけない行動3:不必要なリフォームをする

退職を機に、台所をシステムキッチンにしたり、トイレをウォシュレットにしたりする計画を立てている人も多いと思います。これら自体は生活の質を上げてくれるリフォームですが、お金があるため、当初の計画以上にあれもこれもとリフォームをしてしまうのは考えものです。

今は60代と言っても元気な方が多く、将来のことを見越してリフォームを行ったとしても、実際に高齢になってからでないとわからないことはどうしても出てきます。手すりの位置の変更や細かい段差が気になるなどが理由で、再び大きなリフォームが必要になるかもしれません。

■やってはいけない行動4:子や孫にお金を使いすぎる

年金生活になると多かれ少なかれ働いている時より生活費を切り詰める必要があります。時間ができたからといって子供や孫にお金を使いすぎると、老後資金はあっという間に無くなってしまうでしょう。

また、相続税がかかるからと早い段階から子供に生前贈与をすると、老後資金が足りなくなり、逆に子供から援助をしてもらわなければ生活ができなくなるかもしれません。子や孫に何かしてあげたい気持ちはわかりますが、まずは自分たちの生活を第1に考えましょう。

■退職金は長生きに備え、堅実な管理を

退職金は多くの人にとって、人生で1番大きな額を1度に受け取る機会になります。また、退職後に再雇用で働くにしても、一般的に給料は大幅に減るので、退職金は大きく老後資金を増やせる最後のチャンスにもなるでしょう。老後の生活は15年、20年と続きます。今回ご紹介した、やってはいけない4つの行動を参考に、ぜひ堅実な管理を心がけてください。

文・松岡紀史(ファイナンシャル・プランナー、ライツワードFP事務所)
筑波大学経営・政策科学研究科でファイナンスを学ぶ。20代の時1年間滞在したオーストラリアで、収入は少ないながら楽しく暮らす現地の人の生活に感銘を受け、日本にも同様の生活スタイルを広めたいという想いから、帰国後AFPを取得しライツワードFP事務所を設立。家計改善と生活の質の両立を目指し、無理のない節約やお金のかからない趣味の提案などを行っている。

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