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アリシア・キーズ、息子が警官を「良い人か悪い人か?」と考えなくてはいけない恐怖を語る

  • 2020.9.19
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アリシア・キーズが、2人の子供を育てるなかで感じている恐怖について語った。警察は、果たして正義の味方?(フロントロウ編集部)

第2子の妊娠中に起こったある事件

グラミー賞歌手のアリシア・キーズは、ラッパーのスウィズ・ビーツとの間に2人の息子を育てている。2010年に第1子のエジプトを、2014年に第2子のジェネシス君を授かった2人だけれど、アリシアがジェネシス君を妊娠中には、ある事件が起きた。

それは、マイケル・ブラウン射殺事件。

2014年の8月にアメリカのミズーリ州ファーガソンで、高校を卒業したばかりの、当時まだ18歳だった丸腰のマイケル・ブラウンが白人警官に射殺された。警官は不起訴になっている。また、2014年にも相次いで黒人が警官に殺される事件が起こっており、7月には43歳のエリック・ガーナー窒息死事件、10月には17歳のラクアン・マクドナルド射殺事件が発生した。

黒人コミュニティが抱える警察への恐怖

アリシアとスウィズはアメリカに住む黒人であり、当時、すでに4歳となる子供を育てていて、さらに新しい命が生まれてくる身。その状況のなか、正義の味方であるはずの警官に黒人が殺される事件が起こったことは、アリシアに大きな恐怖を与えたことは簡単に想像できる。英Telegraphのインタビューでアリシアは、当時をこう振り返る。

画像: 2017年に撮影されたアリシア達一行。
2017年に撮影されたアリシア達一行。
「あれは恐怖だった。(息子達を)心配したかって?イエス。あれ(事件)はものすごい恐怖だったかって?イエス。それを考えることすら恐怖かって?子供が警察に対して、“この人は良い人か、悪い人か?”って考えなくてはいけないだなんてクレイジー。多くの尊敬できる警官がいる。でも、10回のうち9回は、状況は上手くいかないと思うよう訓練しなければいけないなんて…」

黒人である親達は、自分の身の危険を感じるだけでなく、子供達の安全のためにも神経を研ぎ澄まさなければいけなくなる。米Cutによる動画『Black Parents Explain | How to Dealwith the Police(黒人の両親が教える:警察にどう対応するか)』では、黒人コミュニティでは現代でもなお、子どもたちに幼少期から警察の前では手をあげ、名前を言い、武器を持っていないことを証明するよう教えていることを紹介している。

黒人の子を持つ親は他にも

また、養子を迎える家庭が日本よりも多いアメリカでは、白人である親が黒人の子を迎えることも少なくない。例えば、俳優のアンジェリーナ・ジョリーやシャーリーズ・セロンなどは、黒人の子を育てている。

画像: アンジェリーナ・ジョリーと子供達。第1子のマドックスは、現在韓国の大学に在籍しているため、ここにはいない。
アンジェリーナ・ジョリーと子供達。第1子のマドックスは、現在韓国の大学に在籍しているため、ここにはいない。
画像: シャーリーズ・セロンと子供達。
シャーリーズ・セロンと子供達。

しかし社会の状況を見ると、警官は白人である自分に危害は加えないかもしれないけれど、黒人である子供には危害を加えるかもしれない、という不安を抱えることになる。アンジェリーナは、英Harper’s Bazaarのインタビューでこう話した。

「(アメリカ社会の)私を守るシステムは、私の娘を守らないかもしれません。もしくはその肌の色によっては、他の男性や女性、子供たちも。それは耐えがたいものです」

黒人である子供達、その親達、ひいては黒人コミュニティに属する全ての人々が、正義の味方であるはずの警官に対して日々感じている恐怖。多くの人々が声をあげるなか、アリシアも、上の子とは話すのを避けてきた話題に関して、下の子とは話すようになったという。また、アリシアは被害者のために積極的にSNSで声をあげ、さらに黒人が経営する企業や黒人コミュニティを支援するための基金を設立することを発表している。(フロントロウ編集部)

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