1. トップ
  2. 恋愛
  3. 捨てたいものは…夫。いくたはなが本音でつづる壊れかけた夫婦の風景

捨てたいものは…夫。いくたはなが本音でつづる壊れかけた夫婦の風景

  • 2020.9.19
  • 110561 views



幸せになるために結婚したはずが、ときに静かに音を立てて崩れていく夫婦関係。

壊れやすく修復が難しい夫婦関係には、“崩壊のスイッチ”が押される瞬間が必ず存在します。

夫婦ふたりがどのようにして危機を迎えていくのか?

そんな夫婦のすれ違いプロセスを妻視点から生々しく描かれているのが、いくたはなさんの新刊『夫を捨てたい』(祥伝社)です。

一生を誓い合ったはずの「夫を愛せなくなる妻」とそんなことなどつゆ知らず「変わろうとしない夫」

夫婦として何に間違い、どんな大切な物事を見過ごしていたのか、現在と過去を行き来しながら男女2人の物語が進行していきます。

本作は男女の食い違いにはがゆさを噛み締めながら、夫婦生活でときに感じるざらりとした感情に向き合いつつ、夫婦として暮らすうえでの心構えがあらためて学べる1冊です。

■いくたはなさん
会社員として働きながら、育児の体験談や夫婦の出来事をイラストや漫画で描き、インスタグラム投稿。インスタグラムのフォロワーは19万人にものぼる人気のコミックライター。
●HP:いくたの前向記後向記
●Instagram:@iktaa222
●ウーマンエキサイトの連載:天国と地獄 結婚式と悪阻物語
■好きで結婚したはずなのに。こうして妻の心は離れていく…

主人公の「はな」は、学生時代から交際していた現在の夫と社会人3年目に妊娠を機に結婚。

「この人となら幸せになれる」と信じ、夫とは永遠の愛を誓い合ったはずが、現実は幸せからどんどん遠のく生活が待ち受けていたのでした。

正社員で産休をとり、1人目の育児に追われるはなに対して、子どもが生まれても以前と変わらぬペースで飲み会に出席し、生活スタイルを変えない夫。

職場ではまだ若手である夫の立場を理解し寛容に受け止めていたものの、心の中ではいつしか口にしない不満が蓄積していきます。

そんなある日の朝、はなは夫から「明日は息子を見るからゆっくりしておいで」とうれしい提案を受けます。

喜びで気分が舞い上がったはなは、ワクワクしながら行きたいお店を調べたり、夫のために息子のおもりセットを作ったり、明日のために抜かりなく準備を進めていくのでした。

しかし、その晩夫は飲み会から帰宅することはなく…。

結局夫が帰ってきたのは朝の8時。しかもひどい二日酔いで息子をお世話できる状態ではありませんでした。



言葉にしていなかった小さな不満がじわじわと心を侵食し、ゆっくりと…でも確実に、夫から気持ちが離れていくことを実感していくはな。



いつしか怒りは無関心に変わり、夫のどこが好きだったのかさえ思い出せなくなるほどに愛はみるみるしぼんでいくのでした。


■なんで私ばっかり…母親たちが抱える苦しみの本質

本作は“夫婦の危機”という主テーマを通して、現代の母親たちが抱える切実な問題を浮き彫りにしていきます。

主人公のはながかつては結婚したいと願うほど好きだった夫を「捨てたい」と思うに至るのも、そんな夫婦2人だけの問題とは言い難い現実があるように…。



小さい子どもを抱えながら働けば、周りに迷惑をかけてしまうことは避けられない現実。だけど仕事を辞めたら辞めたで社会からの疎外感に苦しむことにもなる…。

一体何が正解なのだろうと悩む辛い日々。

だけど、もっと辛いのは夫がその苦しみを理解してくれないことなのでした。



妻に働くことを望むにも関わらず、育児もすべて妻任せの夫。日々の結婚生活は幸せを分かち合うというよりもむしろ、苦労をひとりで背負わされているかのような暮らしでした。

そんな日々のなかではなの心に浮かんだ一つの疑問。

「そんな夫、私に必要?」

その後2人目の妊娠を機に、ますます夫婦の溝は深まっていきます。



■夫を捨てる前に妻たちにできること

本作では結婚生活の理想と現実が描かれるなかで、「現実との折り合いの付け方」についても別の角度から示してくれます。

物事にはさまざまな視点があるように、夫婦関係もまた夫婦それぞれの視点から日々の暮らしを解釈し、思い込みのなかで相手を誤解してしまうこともあります。

小さな誤解はいつか大きな亀裂となり、夫婦として後戻りができなくなることもあるでしょう。


しかし夫婦関係の齟齬を解消するにはもう一度「相手を知ること」が必要なのかもしれません。



本作でも崖っぷちの夫婦関係を前に、はなは夫に気持ちを伝え、話し合いの場を持つことを決めます。



もちろん話し合いが始めからうまくいかないこともあるでしょう。

だからといって小さな努力を放棄していては夫婦関係は悪化の一途をたどるだけ。

かつて心から好きだと思えた相手を愛し続けるために、お互いにわかり合おうとすることを諦めないことがきっと大切なのです。

「人間同士は分かり合えない」という前提を以ってしても、そこで思考停止にならず逃げないという意味で…。

時間と労力を要することだけれど、夫婦を、家族を、そして愛を信じ続けるためにも、対話することから逃げない勇気を持ち続けたいものです。

そして本作では大きなターニングポイントとして描かれるはなと夫の話し合いのシーン。果たして彼らの話し合いは実を結ぶのでしょうか?

続きはぜひ本書でお楽しみください!


大学生でつきあった彼と交際して4年が経った頃、妊娠を機に結婚。そんな新婚妻の私、“はな"には悩みがある。共働きなのに、夫が家事をしてくれない。仕事、家事、育児、すべてが私の肩にのしかかっている。どうして私ばかり頑張らなきゃいけないの?600万pvの大人気WEBマンガの書籍化!Yahoo!ニュース、LINEニュースで紹介された話題のコミックエッセイです。

(倉沢れい)

元記事で読む
の記事をもっとみる