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『運命の王子様は本物!? 婚活ブームの闇「結婚詐欺」から身を守る方法』婚活アドバイザー、植草美幸(第108回)

  • 2020.9.17
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婚活ブームの闇「結婚詐欺」のよくある手口は知っておこう


こんにちは、結婚相談所マリーミー代表で婚活アドバイザーの植草美幸です。

コロナ禍の中でもオンラインお見合いなどが生まれ、ますます盛り上がる婚活ブーム。気軽に出会える一方で、結婚をエサに女性の気持ちをもてあそび、金銭を奪い取る「結婚詐欺」のニュースや判決を見聞きすることもあります。婚活業界に身を置くひとりとして許しがたいこと!

ここ数ヵ月で私が見聞きしただけでも、裁判所職員の男が裁判官の名刺を渡して身分を偽り、「職場で結婚積立制度がある」と金をだまし取ったという件。また、大学講師だと身分を偽り、投資やトラブル解決名目で現金を要求したという件など、大きなニュースにはならずとも数多く報告されています。

結婚詐欺師のよくある定番の手口は、好意があるふりをして近づき、急速に恋人になり求婚してきて、理由をつけてお金を借り、突然姿を消して相手が身分を偽っていたことが分かるというもの。

ある日突然だまされることがないよう、注意したい4つのポイントを挙げていきます。

1 すぐに急接近「運命の出会い」こそ、疑うべき

出会ってから結婚するまでの平均交際期間は4.6年というデータがあります(※2015年社会保障・人口問題基本調査 <結婚と出産に関する全国調査> 第 15 回出生動向基本調査より)。会話の中でプロフィールを探り、信頼関係を築いてから、段階的に出生や親族について知っていき晴れて結婚……となるのですから、それなりに時間がかかります。すべてすっ飛ばして「好きだから即結婚しよう」なんて、やっぱりちょっとおかしいですよね。運命の出会いだと相手から持ち掛けられても、「まだ早い」と用心していいでしょう。

結婚相談所では多くが1年以内で結婚します。でも、それは登録時に面倒なプロセスを経ていることで、安心安全な相手かどうかをジャッジしているからなんです。

2 身元は公的なもので確認! 名刺は偽造しやすいので注意

お金持ちであることを臭わせ、分かりやすい好条件や肩書で釣ろうとするのも手口の一つ。その証明として名刺や社員証を出してきても、すぐに信用してはいけません。確認するなら、簡単に偽造できない免許証などの公的なものを見せてもらいましょう。

出会いのシーンで「身分証を見せて」というのは難しいと思うかもしれませんが、本気で結婚する気なら名前や会社名に偽りがないかどうかくらい確認すべき。個人情報を教えたがらない男性は、既婚者である可能性も高いので避けておいた方が無難です。

3 フェイドアウト必至! 「お金の無心」があったら一発NG

お金の無心をするまでは頻繁に会い、いきなり姿を消してフェイドアウトするのはよくある手口です。親の借金、事業の失敗、事故の示談金、病気の治療費など、どんな理由であっても、他人からのお金の無心に耳を貸してはいけません。投資については、近しい相手であっても自分で判断できる知識があってこそ。積み立て貯金などの言葉であってもお金を預けては絶対にダメ。

結婚相談所では、女性はお金目当てで狙われないように年収や貯金額などは非公開にしています。

4 気軽に参加OK=身分を偽りやすい! と心得て

ネットやSNSの出会いに危険が潜んでいることは、今やご存知の人も多いでしょう。婚活パーティーも千差万別。すべて危ないのかというとそうではなく、主催者を確認することが大事です。イベント会社やパーティー会社が主催している「誰でも気軽に参加OK」なパーティーの場合、悪人が紛れ込みやすいともいえるので、参加条件を設け、きちんとチェックしているところか確認を。

最も信頼できるのは、結婚相談所連盟や大手の結婚相談所、もしくは市区町村などの自治体が主催のもの。参加者全員にIDや公的な身分証が必要になるので、簡単に身分を偽ることができません。主催者側は、参加者が出会うだけでなく成婚することにメリットがあるので安心なのです。

結婚相談所で結婚詐欺が起こることはありませんが、「過去に被害にあった」という相談や、「個人で婚活をしていてだまされかけている」という相談を受けることはたくさんあります。私が聞いた結婚詐欺の実例ケースを紹介しましょう。

CASE
女性32歳・看護師 × 男性35歳・自称 不動産業

婚活パーティーに初参加した女性は、全然いい人がいなかったのでひとりで会場を出ると、同じように暇そうにしているスーツ姿の男性に出会います。同じ境遇だったこと、婚活の場で出会ったことで安心してしまい、意気投合。居酒屋で飲み直したらいい雰囲気になって終電も過ぎていたことから「キミの家にいっていい?」と言われて自宅に招いてしまいます。

不動産業をしているという男性は、高級車の写真や豪華マンションの写真を見せながら、投資で儲けている話をし始めたといいます。その後、たった3回のデートで「一緒に住もう」とその気にさせ、「毎月11万円なら今の家賃と同じだ」「自分の営業成績にもなるから」などと言葉巧みにマンション契約を結ばせたのです。頭金と数回分の支払いをしたところで連絡がつかなくなり消息不明に。最初は心配で連絡したいと思ったものの、名刺1枚とLINEアカウント以外何も知らなかったことに気づき、詐欺だったと分かったのだとか。

「信じたい」焦っているときほど客観的な判断を

ちなみに、男性詐欺師だけでなく女性の詐欺師もいます。例えば、飲み屋さんで指輪の営業ウーマンに出会い、その人の紹介で出会った彼女と婚約したところ、価値のない指輪を100万円以上で買わされ、後日、婚約破棄されてお金だけを失ったという男性もいました。

「まさか自分が……」と思っていても、舞い上がってしまうと冷静な判断ができないこともあります。

被害者を責めるつもりはありませんが、どうしても「この人を逃したくない」と執着したり、もっと好条件の結婚をしたいと高望みしたりすると、相手の本質が見えにくくなることも。できれば婚活のプロに相談してもらいたいところですが、少しでも怪しい出来事があったら、せめて家族や知人、できれば結婚している親しい友人に相談をして客観的に判断してもらいましょうね。


*個人情報保護のため、一部アレンジしています。

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