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バーチャルヨガクラスに「コミュニティ」の機能と社会的なつながりによる恩恵はあるのか?

  • 2020.9.13
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私は2006年、ニューヨーク市イーストヴィレッジのとあるヨガスタジオで初めてヨガを体験しました。当時、ダウンドッグもアップドッグも何のことかわからず、イライラしながら必死に真似をしてクラスをやり過ごしました。しかし、シャヴァーサナの最中、皆の呼吸が部屋に響き渡ると何かが変化しました。クラスメイトたちとの集団によるエネルギーを浴びて、この世のものとは思えぬ静けさによって気がふっと楽になったのです。そして私はヨガの虜になったのです。

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この共有体験によるパワーが、多くの人が何度でもマットへと戻ってヨガを続ける理由なのです。新型コロナウィルスの影響で、私たちの多くが見落としているものもあります。今回、ヨガジャーナルは新型コロナウィルスの影響で私たちが失ったもの、また得たものについてしっかり見ていきます。そしてエネルギッシュなつながりとコミュニティの観点から、バーチャルヨガ体験へとシフトする現在を見つめます。

社会的なつながりがもたらす恩恵

社会的つながりが寿命の延伸と闘病に与える良い影響を示す研究には事欠きません。ある画期的な研究では、孤独感は肥満や喫煙と同じくらい致命的な可能性があると指摘しています。また、多くの人がヨガのプラクティスは心の傷を癒すこと、またヨガスタジオに通うことで得られる社会的なつながりは深い癒しの効果があることを実感していることは一般的によく知られています。

エマ・セッパラ博士はスタンフォード大学の思いやりと利他主義の研究教育センター(Compassion and Altruism Research and Education)のサイエンス・ディレクターであり、イェール大学感情知能センター(the Yale Center for Emotional Intelligence)の感情知能プロジェクトの共同ディレクターも勤めています。「他者とのつながりを強く感じている人は、不安とうつ病の発生率が低くなります。さらに研究によれば、彼らはより高い自尊心を持ち、他人に対してより共感力があり、信頼性と協調性が高まり、結果として周りの人間は一層オープンになり、信頼と協力を得ることができます」と彼女は述べています。しかし、コミュニティに属することによるメンタルヘルスのベネフィットは、対面での体験に限定されません。セッパラ博士は「つながりは内的感覚です。研究者たちは、つながりのベネフィットは実際のところ、当人の主観的なつながりの感覚に関連していることを認めています。言い換えれば、ヨガスタジオであろうとZoomクラスであろうと、あなたが内側でつながりを感じているなら、同じ利点を享受できます」と述べています。さらに彼女は次のように続けます。「ヨガはあなたを副交感神経モードにし、ストレスを和らげます。そのため、自然により大きな帰属意識、思いやり、そしてつながりを感じることができるのです。気分がより良くなると、帰属意識の感覚も増します」。

バーチャルのつながりが対面のつながりと同じ生物学的反応をもたらすという事実は、私たちの脳に存在する“ミラーニューロン”の存在によるものでしょう。UCLAの精神科学および生物行動科学の教授、マルコ・イアコボーニ博士によって書かれた科学雑誌「サイエンティフィック・アメリカン」の記事によると、ミラーニューロンは他人がしていることを我が事のように感じることのできる神経細胞を指します。例えば、誰かが誤ってぶつかってきたら、私たちはたじろぎます。また、誰かが微笑みかける時、私たちは無意識のうちに微笑みます。

マーケティング・ストラテジストで作家のデイヴィッド・マーマン・スコットさんは、ミラーニューロンは有り難いことに画面上に表示されるものと繋がることができると示唆します。彼はブログに次のように綴っています。「ミラーニューロンは、私たちが映画スターやテレビのパーソナリティたちのことを『知っている』と感じる理由を説明するのに役立ちます。私たちの脳は、画面を通じて彼ら有名人の側にいるかのように感じることにより、私たちが彼らのパーソナルスペースに居たと訴えるのです」。

バーチャルスタジオのLivekick(ライブキック)で双方向ストリーミングによるライブヨガクラスを指導するケイティ・ハンロンさんは、「アイコンタクトやハグはもちろん恋しいけれど、自分のスペースで指導している際にもエネルギーの変化は感じることができます」と言います。ハンロンさんは当初少しぎこちなかったことは認めましたが、初めて指導したクラスとそう変わりはなかったと言い、画面を通じてエネルギーがうまく伝わっていくことには驚きを感じると述べています。「私は創造性と革新とテクノロジーの力を信じています。自信を持って立ち向かえば、より素晴らしい収穫を得られるのです」と彼女は言います。

トラウマに詳しいティーチャーで、ボランティア団体のConnected Warriorsの共同創設者でもあるジュディ・ウィーバーさんもまたこれを直に体験しています。「私のセラピープラクティスの奥深さと幅広さ、また指導年数のおかげで、意外にもオンラインでエネルギーを本当に感じることができ、生徒のベネフィットのために適切な指導を提供することができることがわかりました」と彼女は述べています。ウィーバーさんにとって、これは彼女のクラスを受講する生徒に応じてテーラーメイドすることができる、つまり対面指導と変わらないことを意味します。

作家であり、精神科医また心理療法士でもあるバーナード・ベイトマンさんは、人と人の間のエネルギー交換について研究しています。ベイトマンさんは彼の患者たちとこの共有された「精神圏」を頻繁に経験すると述べています。社会的交流の中で、私たち全員が生体電流と体のエネルギーを放出するからです。「私はそれをエンゲージメントと呼んでおり、文字通りエネルギー分野のエンゲージメントです」と彼は述べています。彼はバーチャルダンスクラスで仲間とアイコンタクトをとった際に個人的にこれを経験しています。そして彼が患者たちといるときに感じるように、エネルギーが沸き起こるのを感じたのです。彼は、バーチャルヨガクラスはプラクティショナーが運営に慣れていれば、小さな精神圏とみなすことができると言います。

バーチャルヨガの普及でより開かれたサービスへ

エボニー・スミスさんは、白人女性が運営するヨガクラスを初めて受講し、彼女からあなたは間違った場所にいるかもしれないとほのめかされました。その後、テキサス州のサービスの行き届いていないコミュニティにヨガを届けることを目的として「Yoga N Da Hood」を創設しました。その組織は2016年に開始されて以降うまくいっていましたが、バーチャルクラスに変更して以降、過去数カ月間に人気が爆発しました。

「実店舗を持つことはずっと私の夢のひとつでしたが、今は絶対にそういうわけではありません」とエボニーさんは言います。新型コロナウィルスが流行する以前、3つの異なる学校間を1日数時間運転して200人の子供にサービスを提供していました。しかし、現在は彼女曰く、生徒数は1日当たり500人に達すると言います。しかも、時間、お金、町中を運転するストレスから解放されています。

iStock CentralITAlliance
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より多くの子供たちに届けられたことに加えて、スミスさんは対面クラスの時よりも数多くの大人の生徒を対象にバーチャルクラスを指導しています。彼女は生徒数の増加の理由の一つは、以前はヨガを敬遠していた人が自宅でできることを快適に感じたり、お金もさほどかからないと思ったりしたことがきっかけではないかと考えています。私のクラスは寄付ベースで行われています。そのため、生徒が多く集まれば集まるほど、より高い収入を得ることができます。

疎外されたコミュニティにいる人々にとって、バーチャルヨガへのアクセスは普段自分たちがいるスペースとは違う場所に存在し、規範を覆すことを意味します。「インターネット上のスペースは全ての人に開かれたスペースです」とスミスさんは言います。長い間、アクセサビリティに悩まされてきた業界では、バーチャルへの移行によってハンディがなくなります。

ヨガティーチャーのリナ・ヤクボウィッツさんはまったく別のポイントを提起します。バーチャルクラスでは、自分の住む街では教えていないインストラクター、自分の住む街では利用できないスタイル、そして忙しいスケジュールに応じて都合のよい時間帯のクラスを選ぶことができます。子供が寝た後に深夜のヨガクラス?もちろんOK!一方、ヤクボウィッツさんは、これによりセルフケアが促進されると述べています。

DJでヨガティーチャーのセレナ・アイルズさん(DJ Seriousblackとも呼ばれている)は、バーチャルヨガの良いところはスケジュールが柔軟な点と同意します。彼女はハンロンさんがLivekickで指導しているクラスでDJを行い、遠く離れていてもオンラインであるおかげでついに彼女のクラスに参加することができました。

「ある意味、(バーチャルヨガ)は数千人の生徒にプラクティスを指導してきました」とアイルズさんは言います。彼女はまた、バーチャルヨガの場合、そばにいる生徒のポーズと自分のものを比べたり、他人の外見と比較したり、スタジオでクラスに参加するときのように気が散ることがないと考えます。そういった気が散る現象がなくなると、そこに残るのは自分の呼吸と体とマットだけです。

ヨガコミュニティの見直しや変化に伴い、ある程度のキャパシティでヨガスタジオに客足が戻るのは間違いありません。おそらく、2021年には大規模なヨガフェスティバルやイベントが復活することでしょう。しかし、バーチャルヨガは今後も存在し続けるでしょう。最初私たちが思ったほど悪い影響ばかりではありませんから。

教えてくれたのは…リゼット・チェレソンさん
リゼット・チェレソンさんはウェルネスと非営利開発の分野に精通したライター、ヨガティーチャー、編集ディレクター。新著「The Yoga Almanac: 52 Practices to Stay Grounded Through the Astrological Seasons」の共同著者であり、エディー・スターン、オーエン・フィン、エレナ・ブラウワーらとショートフィルムの製作も行っている。彼女はまたWanderlust Journal、Yoga Journal、The Quilt Thread、Matadorに寄稿し、受賞歴のあるジャーナリストでもある。 彼女はブルックリンでの200時間のヨガトレーニングとインドでのレイキアチューンメントを修了している。彼女はワンダーラストフェスティバルとマニフェストステーションでワークショップを開催し、2019年には終末期ドゥーラトレーニングを修了している。彼女は夫と動物と共にハドソンバレーに住んでいる。

ヨガジャーナルアメリカ版/「Do Virtual Yoga Classes Have the Same Social and Energetic Benefits as In-Person Sessions?」

By LISETTE CHERESSON
Translated by Hanae Yamaguchi

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