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「映える塩」が話題。コロナ禍の京都・土産物店による新たな仕掛け

  • 2020.9.11
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Go Toトラベルキャンペーンが始まっても、周囲に旅行するとは言いづらい、と思っている人は多い。実際、観光地の土産店ではいつもより客足が遠のいてしまっているようだ。コロナ禍でお土産店としてもこれまでとは違う取り組みを求められる中で、京都の「かみ舎楽」のユニークな商品開発に注目したい。店に来ずとも欲しくなるような、“映える”する商品をプロデュース。その経緯、そしてお店の今を「かみ舎楽」社長・神舎佳代子さんに伺った。

京都市の嵯峨野、竹林の道や野宮神社からほど近い場所に立つ、「京都嵯峨嵐山 かみ舎楽」。

この店で扱うのは、天然素材で作った七味、山椒、調味塩。香り高くどんな料理にも合うと、お土産にも人気の一品だ。人気の清見オレンジ七味(税込756円)をはじめ、常時12種類前後が揃っている。

Go Toトラベルキャンペーンがスタートしたこの夏、お店のある嵐山・嵯峨野エリアの状況はどうだったのか、かみ舎楽を運営する京都電業の社長、神舎佳代子さんに話を聞いた。

京都電業 神舎佳代子 社長Harumari Inc.

「今年は例年以上の京都特有の猛暑であったのと、コロナ感染者数増大時でのGo To!キャンペーンで、「The!観光地」の京都嵐山、清水等は三密を敬遠されてか、7月よりも観光客は激減しているように思います」

さらに、お店の状況についても教えてくれた。

「お盆休みは少しは観光のお客様もいましたが、ほぼ近隣の日帰り客が多かったように思います。また、客層も若いカップルが中心で、その為、お土産としての需要では無く、自分用としての商品購入や、カフェ利用が多かったですね。ですので、総じて客単価は低くなっています。
また、コロナ自粛で他人への「お出かけしました!アピール」がしづらく、SNSへ投稿を控えておられる感もあり、店内、店外写真を撮る方がかなり減ったのも、お店としては辛いですね」

お土産需要の減少、そしてお客さんによるSNSへの投稿が減ってしまったことが、売り上げにも影響してしまったという。そこで神舎さんは、これまでとは違った発想で店を盛り上げようとしている。

「おうちごはんをSNSでアップすることが人気なので、写真映えのする新商品として、紫色の塩『梅しそ塩』を新たに発売しました。マヨネーズに入れて梅しそマヨネーズや、お料理に一色、一味プラスの提案をしています」

SNSで注目してもらうにも、ただ待っているだけでは始まらない今。店の写真を撮影できないなら、撮影したくなる商品を作ってSNSにアップしてもらおう−。そう考え、新商品を開発したのだ。
かみ舎楽はコロナ禍でオンラインショップを拡大しており、店に来ずとも買える態勢は整っている。

一方、店舗では、これまでは行っていなかったセールを実施。お試しを兼ねて、七味、塩、山椒をセットにして数量限定で販売中だ。

「賞味期限が3か月切った商品を廃棄にせず、セール価格の福袋でセット販売を始めました。初めて『かみ舎楽』の商品をお使いいただく方々や、リピーターの方々にも好評です」

まもなく秋。例年であれば、紅葉が美しい観光にはぴったりな季節だが、今年はどんな秋になるのだろうか。

「この猛暑と、コロナ感染者数が落ち着いてくると、京都、嵐山への観光客数は増えては来るかとは期待していますが、外国人観光客が入国しにくい状況は変わらない以上、今年の紅葉シーズンがどうなるか、予測ができません。お店としては不安はありますが、ゆったりとした今年の京都、嵯峨嵐山に来てくださった方にはぜひ、素敵な写真が撮れる竹林の道などを、楽しんでいただきたいですね」

現在、店舗では検温や消毒などのしっかりした感染防止策をして営業中だが、今すぐ旅行にいけない人は、まずはオンラインで、人気の七味や塩を購入してひとときの京都気分を味わってみよう。(2020年8月4日撮影)

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