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アスパラの栄養素と効能!選び方のポイントとおいしい食べ方も紹介

  • 2020.9.11
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アスパラガスの旬はいつなのか、ご存知でしょうか。現在は、外国産の輸入物が年間を通して販売されていますので、スーパーでも一年中見かけるはず。シャキシャキとみずみずしく、さまざまな料理に使用できる多彩なアスパラガスは、国産の旬が存在します。けれど、旬の時期だけではもったいないほど、一年を通しておいしく食べられます!

今回は、栄養も豊富で人気のアスパラガスの種類や調理方法など、アスパラガスの魅力についてご紹介します。




■栄養豊富なアスパラの見分け方

・アスパラの旬な時期


さまざまな調理法でおいしさを楽しむことができるアスパラは、国産なら3~6月が食べごろ。最も旬を迎えるのは5~6月であり、甘みがあり水分をしっかりと含み、シャキッとした食感を楽しむことができます。

知らない方も多いのではないかと思いますが、アスパラは種まきから収穫までに2年以上もかかる野菜なのです。3~4月に種まきを始めて苗を作り、2年目に苗を植え付け、3年目の春に晴れて収穫を迎えることのできる実に手のかかる野菜。

しかし、収穫を迎えた3年目からは、10年ほど栽培することができるたくましい野菜のひとつです。土の中でじっくりと育てられたアスパラは、旬を迎えるころに栄養をしっかりと蓄えて皆さんの食卓に運ばれていくのです。

そして、アスパラの収穫量ナンバーワンは知る人ぞ知る北海道です。栽培面積が圧倒的に広い北海道では、一度食べたらやみつきになるほど新鮮でおいしいアスパラが豊富に栽培されています。

5〜6月に、スーパーで見かけたアスパラは、産地を確認してみましょう。もし北海道産であれば、旬の新鮮な国産アスパラですよ!

・穂先がしまっている




せっかく食べるのなら新鮮でおいしいものを選びたいですよね。おいしいアスパラの見分け方の特徴は、まず、穂先がしまっていることです。穂先がギュッと固くしまり、みずみずしいものを選びましょう。乾燥して穂先がひらいているものは鮮度が落ち、水分を失っている証拠です。穂先にささくれがあり、めくれ上がっているものも収穫から時間がたってしまっているので避けておきましょう。

・茎が太くまっすぐに伸びている


水分がしっかりと含まれたみずみずしいアスパラは、茎から穂先まで均一に水分を含むため、張りがあり上にむかってまっすぐに伸びています。若いうちに収穫された細くてやわらかいアスパラは例外ですが、おいしいアスパラは茎がずっしりと太くなっています。茎が穂先と変わらないほど細いようなものは避け、触って張りのあるものを選びましょう。

・切り口がみずみずしい


アスパラは、水分の含有率が約92%と非常に高いのが特徴の野菜です。アスパラのおいしさは、みずみずしさ、水分含有率が決め手となります。

なので、アスパラの切り口を見た時に水分を感じられ、変色のないものが新鮮でおいしい証拠です。切り口が乾いたもの、繊維質が白く浮き出ているものや変色をしているものは、水分が抜けて乾燥している可能性があるため、避けたほうが良いでしょう。

■アスパラの種類と特徴

・グリーンアスパラガス




きれいな緑色のグリーンアスパラガスは、やや青臭みがあり、一般的に最もよく知られているアスパラです。少々甘みもあり、みずみずしくてシャキッとした歯ごたえが特徴です。長さ25cm程度の若い茎の部分が食用とされ、茎には三角形のはかまがいくつかあります。日光によく当てられて栽培され、栄養価にも優れています。

・ホワイトアスパラガス




グリーンアスパラガスと違い、日光に当てられずに栽培されるため、茎から穂先まで白色に育ちます。やや独特の甘みがあるため苦手意識のある方もいますが、やわらかくてとてもまろやかな、口当たりのよいアスパラです。栄養価はグリーンアスパラにはやや劣りますが、食感や香りを楽しむことができます。

生のホワイトアスパラは皮をむいて調理するのが一般的。外国産が多くを占めますが、旬の時期には北海道産をはじめ国内産ものが出回っています。

・ミニアスパラガス




ミニアスパラガスは、若いうちにグリーンアスパラガスを収穫したもの。10cm程度の長さで筋がなくてとても柔らかいため、サラダやパスタなどに使われています。甘みがあり、皮を剥かなくても根元までおいしく食べることができます。最近ではスーパーでもよく見かけるようになり、食卓でも人気上昇中のアスパラです。

・パープルアスパラガス


茎から穂先まで紫色のアスパラガスです。紫色の色素は、アントシアニンと呼ばれるポリフェノールによるものです。香りがよくほんのり甘みがあり、鮮度によってはそのまま生食も可能なアスパラですよ。

不思議なことに、アントシアニンの持つ紫色は茹でると消えてしまいます。鮮度のよい鮮やかで柔らかいパープルアスパラを、ぜひ、サラダで食べてみてください。

■アスパラの主な栄養素と効能

・アスパラのカロリー


アスパラのカロリーはほかの野菜と比べても大きな差はなく、100gあたり約22kcalです。1本約25g程度なので、1本あたり約5kcalと低カロリーな食品です。90%以上が水分でできており、脂質は微量に含まれている程度で、ほとんどが炭水化物とタンパク質で構成されています。ダイエットの際、カロリーに関してはあまり気にしなくても良さそうな食品ですね。

・ビタミン類


ビタミンも豊富なアスパラには、主にβカロテン(ビタミンA)やビタミンC、ビタミンKが含まれています。βカロテンは、皮膚や粘膜を健康に保つはたらきが期待されています。また、目の網膜にある物質を構成する望みがあり、色を判別する力に大きく関わっていると言われています。

そして、ビタミンCは免疫力を高める力があり、風邪をひきにくく治癒を早める効果が期待できるそうです。また、コラーゲンの生成にも関与することがあるため、女性にとっては積極的に摂取したい栄養素のひとつですね。

ビタミンKは血液にとって必要不可欠な成分であり、必要に応じて血液を凝固させるはたらきもあると言われています。出血したときに時間とともに血が固まるのは、ビタミンKが作用している可能性があります。

・食物繊維


食物繊維に関しては、100gあたり1.8gと際立って多いわけではありませんが、不溶性食物繊維を含んでいるので健全な排便を促してくれることがあるでしょう。発がん性物質を排出するはたらきにも注目されており、大腸がん予防にも効果が期待できると言われている栄養素です。

・アスパラギン酸


アスパラから発見されたことにより名付けられたアスパラギン酸は、タンパク質の合成に使われており、エネルギーの代謝やミネラルの運搬など、体内で多くの役割を担うことのあるはたらきものです。不足すると疲れやすく、抵抗力も落ちる原因になる可能性が示唆されていますよ。

このような効果が見込めることから、スポーツ選手はアスパラギン酸をこまめに補給することがすすめられています。

・ルチン


ビタミンの一種であるルチンは毛細血管を強くし、血圧の上昇を抑制するはたらきが望まれています。動脈硬化や脳血管障害の予防にも、ルチンの効果が期待されているそうです。また、ルチンが欠乏すると歯ぐきから血が出やすくなることがあるため、歯磨きの際に出血が多い人はルチン不足が関係しているかもしれません。

・葉酸


ホウレン草から発見された栄養素である葉酸は、妊娠中や授乳中の女性にとって、積極的に摂取したい栄養素のひとつです。アスパラにも豊富に含まれており、妊娠中や授乳中の女性だけでなく、貧血気味や飲酒量の多い人、成長期の子どもにも積極的な摂取が推奨されています。

葉酸には、体内での造血を助けるはたらきが期待されており、細胞が新しく作られる際にも必要とされる栄養素です。しかし、葉酸はとても繊細な栄養素であり、光や酸素に弱いため、アスパラは日光を避けてなるべく空気に触れないように保存すると良いでしょう。

・ビタミンU


βカロテンやアスパラギン酸などの栄養も豊富で、さまざまなレシピで楽しむことができるアスパラですが、あまり知られていない栄養も含む優れた食材です。

アスパラには、ビタミンに似た作用を持つ「ビタミン様物質」であるビタミンUが含まれています。期待効果は、胃のはたらきを整えるため、胃酸の分泌を抑制、また胃腸の粘膜の新陳代謝の活発化です。まだまだ不明点の多い栄養素ではありますが、胃もたれや胃の不調を整えるはたらきを見せることがあるようですよ。

■栄養を損なわない!アスパラの保存法

・立てた状態で保存する




水分を多く含むアスパラの弱点は乾燥です。購入したアスパラは、育った環境と同じように立てたままで保存すると良いでしょう。収穫後もアスパラの成長は止まらないため、横にしてしまうと空に向かって成長しようとするので、エネルギーを無駄に使ってしまいます。よって収穫後のアスパラは、栄養を補給する方法がないため鮮度が落ちてしまいます。立てた状態でラップやビニール袋でしっかり包んで保存しましょう。

また、低温を好むアスパラは、野菜室よりも冷蔵庫での保管がおすすめです。鮮度を考慮して4日以内には食べましょう。

・冷凍保存する場合


長期間保存する場合は冷凍保存がおすすめです!

・生のまま冷凍する場合
切り口が乾燥している場合は、切り口を包丁で切り落としておきます。冷凍により筋が硬くなるため、アスパラの太い部分の皮をピーラーでむきます。食べやすい大きさにカットし、水分を拭き取って密閉できる袋に入れます。そのとき空気はしっかり抜いてください。食べるときは生のままの場合の調理と同じように使用します。
・茹でてから冷凍する場合
生のままの場合と同じように、切り口と筋の下処理をします。食べやすい大きさにカットし、鮮やかな緑色に色付く程度に軽く塩茹でします。水分をしっかりふき取り、密閉できる袋に入れ、空気をしっかり抜いて冷凍します。

冷凍の場合は1ヶ月程度保存可能です。茹でてから冷凍する場合は、ビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素は減少してしまうため、再度茹でることは避けて炒め物や揚げ物に使用すると良いでしょう。

■アスパラの栄養素を保つ茹で方

・茹でたときに栄養は変わるの?




茹でたアスパラと生のアスパラを比べると、微量ではありますが栄養価に変化がみられます。水に溶ける性質のある栄養素は、茹で汁に栄養が溶け出してしまうのです。ビタミンB群やビタミンC、カリウムがその栄養素に当たります。

つまり、スープにしたり茹で汁をそのまま料理に使うことで、アスパラの栄養を余すことなく摂ることができます。また、電子レンジの野菜の茹で機能を使用すれば、水に溶け出す心配がありません。

冷凍野菜として販売されている野菜は、基本的には下茹でしてあります。しかし、栄養価にも優れている旬に獲れたものを使用しているため、大きく栄養が劣っているわけではありません。旬を外して食べるアスパラよりも、冷凍アスパラの方が栄養価が高いこともありますよ。

・下茹での方法
  1. アスパラをさっと洗い、根元から1cm程度切り落します。
  2. アスパラの真ん中を片手で持ち、根元をもう片方の手で持って折ってみてください。折れた部分が硬い部分に当たるので、硬い部分が苦手な方はこの方法で下処理をしてみてください。
  3. 根元の皮が気になる部分(3cm程度が目安)をピーラーで剥きます。
  4. 鍋に1%の塩を入れて沸騰させます。
  5. 根元からゆっくりと湯に入れ、穂先まで沈めてから50秒がベスト!(太いアスパラの場合は1~2分茹でてください)
  6. 茹でたてのアスパラは絶品ですが、すぐに食べない場合や料理に使用する場合は冷水でしめてください。
・アスパラを茹でるときの注意点


1本丸ごと茹でる場合は、食感を均一にするため根元から茹でてください。カットしてから茹でる場合は、根元から10秒間隔で順番に茹でていきます。湯の量は、アスパラがしっかりと浸る程度にしてください。

塩茹でしたアスパラは、栄養を逃さないようにするためザルにあげて冷ますのが理想ですが、時間とともに変色してしまいます。鮮やかな緑色を保つためには、冷水でしめてください。冷水にさらすと栄養が少々逃げてしまい水っぽくなるので、できるだけ短時間で冷やしましょう。

■アスパラの栄養を逃さず食べる!おすすめレシピ

・塩茹で




アスパラ特有のシャキッとした食感を残すため、根元から茹で始めて穂先を投入してから50秒がオススメ。アスパラが旬を迎えるころの北海道では、茹でたてのおいしいアスパラが飲食店で提供されています。そのままでも甘みがあり十分おいしいのですが、お好みでマヨネーズや塩、わさび醤油を付けてもおいしく食べられます。

アスパラそのもののおいしさを味わえるベストな料理ですね。

・アスパラベーコンのペペロンチーノ




ピリッと唐辛子の効いたにんにくたっぷりのペペロンチーノには、シャキッとしたアスパラがピッタリ!唐辛子とにんにく多めの、お酒にも合う大人のペペロンチーノをご紹介します。

材料(2人分)
スパゲティ乾麺 160g
グリーンアスパラ 1束(約100g)
ベーコン 3枚(約50g)
にんにく 2片
輪切り唐辛子 2つまみ
オリーブオイル 大さじ2
醤油 大さじ1
塩 適量
黒こしょう 適量

作り方

  1. 鍋にスパゲティを茹でる湯を沸かす
  2. アスパラは根元の硬い部分を切り落とし、根元から1/3程度皮をむいて5cmの斜め切りにする
  3. ベーコンは幅3cmに、にんにくは薄くスライスする
  4. 沸騰した鍋に塩(分量外)を加え、スパゲティを茹で始める
  5. フライパンにオリーブオイルを入れ、スライスしたにんにくを炒める
  6. にんにくが色付き始めたらベーコンを入れて炒め、アスパラと唐辛子を加えて、すばやく塩・黒こしょうで軽く味付けをする
  7. 茹で上がったスパゲティを入れて中~強火で炒め、塩・黒こしょう・醤油で好みの濃さに味付けをしてできあがり



醤油を入れて強火でさっと炒めると、焦し醤油の香ばしい香りが食欲をそそります!
にんにく・唐辛子多めのペペロンチーノなので、香辛料が苦手な方は加減してください。


・エビとアスパラのマカロニグラタン




グラタンはシンプルなものが一番!フライパンひとつでできるアスパラを使ったグラタンの紹介です。

材料(2人分)
マカロニ 80g
冷凍小エビ 100g
グリーンアスパラ 2本
玉ねぎ 1/4個
チーズ 50g
パン粉 大さじ1
小麦粉 大さじ4
バター 大さじ2
塩 小さじ1/2
こしょう 少々
牛乳 2カップ
顆粒コンソメ 小さじ1

作り方

  1. 冷凍小エビは、ビニール袋に入れて水が入らないように口を縛り、冷水に浸してで解凍しておく
  2. 玉ねぎは5mmのスライス、アスパラは根元1cmを切り落とし、根元から1/3程度皮をむいて3cm幅に切る
  3. マカロニは表示の半分の時間で茹でておく
  4. 鍋にバターを溶かし、玉ねぎがしんなりとするまで炒める
  5. エビを入れて炒め、小麦粉を加えて粉っぽさがなくなるまで炒める
  6. 牛乳・コンソメ・マカロニを加え、中火でしっかりとかき混ぜながら煮る。
  7. 沸騰したらアスパラを入れて2~3分煮る
  8. 塩・こしょうで味を整え、器に入れてチーズとパン粉、バター(分量外)をのせる
  9. 230℃に予熱したオーブンで15分焼く


こんがりとしたチーズがアスパラのおいしさを引き立てます。

■食べて得するアスパラガス




アスパラはレシピも豊富であり、多くの利点がある優秀な野菜です。皆さんがご存じではなかったアスパラの栄養にも触れられたのではないでしょうか。年間とおしてスーパーでも購入できるようになり、手に入りやすく価格も比較的安価です。普段はグリーンアスパラを食べることが多い方も、一度、ホワイトアスパラや紫アスパラにも挑戦してみてください。今まで知らなかったアスパラガスの魅力に気付くかもしれません。

種類もさまざまなアスパラガスで、おいしいレシピを楽しんでみてくださいね。

≪参考≫
・「七訂食品標準成分表2020」監修/香川明夫 発行所/女子栄養大学出版部
・「最新栄養キーワード事典」監修/五十嵐脩 発行者/池田豊 発行所/株式会社池田書店

(AYA)

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