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【季節の行事2024年一覧】専門家に聞く暦と由来、行事の楽しみ方

  • 2020.9.11
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【2024年1月5日更新】日本には古くから現代まで伝わる、四季折々の伝統行事がたくさんあります。変わることなく大切に受け継がれてきた年中行事ですが、なんとなく知ってはいても、詳しい由来や意味、正しいルールを実はよく知らないもの、結構ありますよね。大人のたしなみとしてぜひ知っておきたい季節の行事を、和文化研究家の三浦康子さんに詳しく教えていただきました。

1月の行事

お正月:1月1日から1月7日の松の内や1月15日の小正月まで

「正月」とは、1月1日から1月7日の松の内や1月15日の小正月までを指すのが一般的。正月には、新年の神様である「年神様」を各家庭でお迎えして1年の幸せをたくさん授かるべく、さまざまな行事が行われます。

初日の出、おせち、おとそ、雑煮、年賀状、お年玉、初詣、書き初め、初夢など盛り沢山です。それぞれの行事の意味を理解して、新年の五穀豊穣や家内安全を願いましょう。

七草粥:1月7日

「七草粥」とは、1月7日の人日(じんじつ)の節句の行事食。その日の朝に「春の七草」が入ったおかゆを食べると、1年間を無病息災で過ごせるとされています。

春の七草は、歌でおなじみ「せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」の7種。お正月の暴飲暴食で疲れた胃腸を労り、冬に不足しがちなビタミンも補える、理にかなったお粥です。「七草粥って、ちょっと苦手」という人は、中華だしとごま油でつくる「中華風七草粥」がおすすめです。

鏡開き:1月11日

毎年1月11日は「鏡開き」。鏡開きとはお正月の間に年神様が宿っていた鏡餅をおろして食べ、1年の無病息災を願う行事です。

鏡餅はお供えするだけではなく、開いて小さなかけらも残さず食べることが大切です。包丁や木槌を使わない、電子レンジを使った簡単にできる鏡開きの方法や、おすすめのいただき方などもご紹介しています。

小正月:1月15日

「小正月(こしょうがつ)」は、1月15日に行われる正月行事。古来より、小豆の赤い色が邪気を払うと考えられて、朝は「小豆粥(あずきがゆ)」を食べて無病息災を願い、「餅花」を飾って豊作を祈ります。

「小豆粥(あずきがゆ)」は、ゆで小豆(無糖)を使うと手軽にでき、お好みでごまや柚子などをかけてもおいしくいただけます。

正月に飾っていたしめ縄などの正月飾りは、小正月に行われる「左義長(さぎちょう)」(どんど焼き)で燃やしてもらって。左義長の炎で焼いたお餅を食べると健康になり、書き初めを燃やすと字が上達すると言われています。

2月の行事

バレンタイン:2月14日

2月14日は「バレンタインデー」。今は女性から男性にチョコレートを贈るだけでなく、友達に贈る「友チョコ」や、男性から女性に贈る「逆チョコ」などもありますね。

でも、そもそもバレンタインとは古代ローマに実在した聖職者の名前。イタリア発祥で恋人同士で贈り物を交換したり食事をしたりするのが主流の「恋人たちの日」です。なぜ聖職者の名がついた日に、日本ではチョコレートを贈るようになったのでしょうか? バレンタインデーの由来や、時代の変遷を紹介します。

節分:立春の前日

節分とは、本来は季節の分かれ目である「立春、立夏、立秋、立冬」の前日のこと。年に4回ありますが、室町時代あたりから、節分といえば立春の前日を指すようになりました。

冬と春の変わり目である節分には邪気が入りやすいと考えられていたため、鬼を払う行事が生まれました。最近では豆まきと恵方巻が恒例行事ですね。大豆は五穀のひとつで、穀霊が宿るとされていました。そして、「豆を炒る」ことが「魔目を射る」に通じて「魔滅(まめ)」となるため、煎った大豆(福豆)を使って鬼を払うのです。炒った豆を神棚にお供えし、夜に家長が行うのが豆まきの正式なやり方。恵方巻はその年の恵方を向き、願い事をしながら無言で一気に食べるのがルールです。

3月の行事

ひな祭り:3月3日

3月3日は「ひな祭り」。別名「上巳(じょうし)の節句」「桃の節句」と呼ばれる女の子の節句で、ひな人形を飾って女の子の健やかな成長と幸せを願う行事です。

起源は、厄を人形に移す習わしと、貴族の女児のおままごと遊びである「ひいな遊び」が結びついたという説が有力。「桃の節句」と呼ばれる所以は桃が「邪気を払う神聖な木」と考えられ、行事に用いられていたからだそう。ひな人形の飾り方や、ひな祭りの行事食も紹介します。

お花見:桜のつぼみが色づき始めたら

桜のつぼみが色づき始めたら楽しみなのがお花見。奈良時代では花見といえば梅でしたが、平安時代以降は桜の鑑賞を指すようになりました。

昔の「お花見」は、貴族にとっては風雅な宴、農民にとっては桜の木に宿った「田の神様」をもてなす豊作祈願の行事でした。それが庶民の春の行楽になったのは、江戸時代から。花見弁当や花見菓子の文化も生まれ、形を変えながら現在も続いているのです。お花見や花見弁当を楽しみながら美しい彩りを楽しみたいですね。

ホワイトデー:3月14日

3月14日は、「ホワイトデー」です。バレンタインデーにチョコレートをもらった人がお返しをする、というホワイトデーの風習は日本発祥。同様の風習があるのは、日本の風習を取り入れた中国や韓国など一部のアジア諸国だけだそう。

「白は純潔のシンボル、若者のさわやかな愛の象徴」ということで、ホワイトデーという名称になったそうです。ホワイトデーが誕生した経緯や、お返しの相場や選び方などもご紹介します。

十三詣り:3月13日~5月13日

十三詣り(じゅうさんまいり)とは、旧暦3月13日に数え年13歳の男女が行う通過儀礼で、新暦の今は月遅れの4月13日を中心に、3月13日~5月13日に行われています。数え年で13歳は、干支がひと回りして、初めて「年男・年女」になる年であり、初めての「厄年」でもあります。

発祥の地とされる京都を中心とした関西圏では七五三と並んで大切にされている行事で、近年では他の地域にも広がりつつあります。別名「知恵詣」「知恵もらい」とも言われる十三詣りの風習や由来を紹介します。

4月の行事

イースター:春分の日以降、最初の満月の日の次に来る日曜日

日本でも徐々に広がってきたイースター。このイベントはイエス・キリストの復活を祝う祭で、日本名は「復活祭」。キリト教ではクリスマスと並ぶ重要な行事です。

イースターでよく見かけるのが卵やウサギ。新しい命が生まれ出てくる卵は、生命や復活の象徴。ウサギは多産であるため、繁栄や豊穣の象徴とされています。カラフルなイースターエッグを飾って、イースターの定番料理「デビルエッグ」などの卵料理を味わうイースターパーティー、楽しみたいですね。

5月の行事

八十八夜:立春から数えて88日目

立春から数えて88日目を「八十八夜」といいます。この頃は春と夏の変わり目で、気候が暖かく穏やかに。「八十八」を組み合わせると「米」という字になることや、「八十八」は末広がりで縁起がよいため、豊作祈願の行事や夏の準備を始める吉日とされていいるそうで稲の種まき準備や茶摘みのシーズンになります。

「八十八夜に摘んだ新茶を飲むと病気にならない」という言い伝えも。新茶は二番茶に比べて栄養も優れ、おいしさも格別です。丁寧に入れた新茶のおいしさを楽しみたいですね。

端午の節句:5月5日

5月5日は「端午(たんご)の節句」です。もともとは中国から伝わった邪気払いの行事で、武家社会で男の子の立身出世を願うものとして定着しました。現在では男女の区別なくこどもの幸せを願う「こどもの日」として国民の祝日になっています。

端午の節句にまつわるものは、鯉のぼりや鎧兜(よろいかぶと)、五月人形、ちまきや柏餅、菖蒲湯(しょうぶゆ)と盛りだくさん。行事の由来を知れば、「端午(たんご)の節句」をもっと楽しめますよ。

母の日:5月の第2日曜日

5月の第2日曜日は「母の日」。1908年に、アメリカで平和活動に貢献した亡き母を追悼するため娘が教会でカーネーションを配ったことが始まり、というのが定説です。

カーネーションは十字架にかけられたキリストを見送った聖母マリアの涙から生じた花だとされ、母性愛を象徴する花で、花言葉は「母の愛情」。普段はなかなか伝えられない感謝の気持ちを、フラワーギフトと一緒にお母さんに伝えたいですね。

6月の行事

衣替え:6月1日

6月1日は夏物へ「衣替え」をする日。衣替えのルーツは、「夏と冬の式服を変えて着用する」という中国宮廷の習わしで、日本には、平安時代に伝わってきました。学校や企業の制服も、この日を目安に冬服から夏服に切り替えることが多いでしょう。

家庭の衣替えは、地域やその年の天候によって前後して構いませんが、この日付近の晴れた日にするのがおすすめ。しまうときは梅雨に備えてしっかりと除湿や虫よけの対策を。さらにレースなどの薄手のカーテンを洗濯して、たまったホコリや花粉などを落とすとスッキリしますよ。

入梅:6月11日頃

暦には、毎年6月11日頃に「入梅(にゅうばい)」という記載があります。これは、暦の上での梅雨の始まり。実際の「梅雨入り」は各地で異なり、各地の気象台から発表されています。

入梅の時期は、青い梅の実がスーパーや八百屋さんに並ぶ頃。昔から「梅は三毒を断つ」という言葉があり、梅は食毒(食生活からくる体内バランスの乱れ)、血毒(血液の汚れ)、水毒(体内の水分の汚れ)を除いて、体のさまざまな機能を改善する効果があると言われてきました。この時期しか採れない青梅を使った梅酒作りもおすすめです。

父の日:第3日曜日

6月の第3日曜日は「父の日」。父の日は、1909年のアメリカで、6人の子を育て上げたシングルファーザーを敬愛する末娘が、「母の日があるなら父の日も」と、牧師協会に嘆願したことが始まりなのだそう。

日本に「父の日」が伝わってきたのは1950年代頃と言われています。アメリカでは父の日に白いバラを贈る風習がありますが、日本では黄色がシンボルカラーになり、黄色いバラやヒマワリなどを贈る人も多いですね。普段はなかなか伝えられない感謝の気持ちを、お父さんに伝えてみませんか。

夏越の祓:6月30日頃

6月後半になると、神社に大きな輪が置かれているのを見たことがありませんか? これは「茅の輪(ちのわ)」といって、6月30日頃に行われる「夏越の祓(なごしのはらえ)」という行事で厄払いに使うもの。茅の輪をくぐって今年前半のけがれを祓い、残りの半年の健康や厄除けを祈願します。

この行事は神話のイザナギノミコトの禊祓(みそぎはらい)が起源とされ、古くは宮中行事でしたが、現在では日本各地の神社で行われています。夏越の祓には「水無月(みなづき)」という、ういろうの上に小豆がのった和菓子を食べる風習も。暑気払いにぜひ食べてみてはいかがですか。

7月の行事

「朝顔市」「ほおずき市」:7月6〜8日/7月9〜10日

毎年7月に全国各地の寺社などで催される「朝顔市」と「ほおずき市」。朝顔は観賞用として、ほおずきは薬用として縁日で売られるようになったのが始まりです。

なかでも7月6〜8日の台東区入谷の鬼子母神(きしもじん)の朝顔市、7月9〜10日の浅草寺(せんそうじ)のほおずき市は有名で、例年、国内外から多くの観光客で賑わいます。浅草寺のほおずき市は、この日に参詣すると46,000日分(約126年分)お参りしたのと同じご利益で、一生分の功徳を得られるとされています。日本の夏の風物詩として大切にしたいですね。

七夕:7月7日

7月7日は「七夕(たなばた)」。七夕のルーツは中国の星伝説だと言われています。「織姫と彦星が七夕の日だけ天の川で再会できる」ということは知っていても、なんで2人は会えなくなったのか、なんで笹飾りに願い事を書いた短冊を飾るのか、知らない人も多いのでは? 七夕の由来、笹飾りの由来や七夕の行事食である「そうめん」についてもご紹介します。

土用の丑の日:土用の約18日間にめぐってくる丑の日

季節ごとにある土用ですが、夏の土用は体調を崩しやすい時期のため特に重要視され、土用といえば夏の土用を指すようになりました。

食欲が落ちがちな夏の土用。その丑の日には「う」のつく食べ物で食い養生をするのが昔からの風習で、代表格は「ウナギ」。ウナギや梅干しなど「う」のつくものを食べて夏バテ予防をし、桃の葉などを入れた丑湯(うしゆ)に浸かって夏の疲れを癒やしましょう。

8月の行事

お盆:8月13〜16日

お盆とは、先祖の霊を家に迎え、供養して感謝を捧げる行事。正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」。インドのサンスクリット語の「ウラバンナ」(逆さ吊りの苦しみ)、ペルシャ語の「ウラヴァン」(霊魂)からきた言葉だとされています。

起源は、お釈迦様の弟子が、地獄に落ちた母親を救うため、7月15日に霊を供養したという仏教経典の話です。7月に行う地域もありますが、一般的な期間は8月13〜16日です。お盆の由来、ご先祖様を祀る「盆棚」の作り方、キュウリやナスで作る「精霊馬(しょうりょううま)」の意味、13日の「送り火」から16日の「迎え火」まで、お盆について知っておきたい基礎知識をご紹介します。

9月の行事

重陽の節句:9月9日

9月9日は「重陽(ちょうよう)の節句」と呼ばれ、「端午の節句」などと並ぶ五節句の一つ。薬効があるとされる菊を用いて、長寿や無病息災を祈願します。菊を用いた菊酒や、収穫期の栗を使った栗ごはん、秋ナスなどが行事食。ピンポンマムというピンポン玉のような菊の花をお部屋に飾ったり、キク科のカモミールの香りでリラックスしたり、菊を取り入れて無病息災を願うといいそうですよ。

八朔:旧暦の8月1日

八朔(はっさく)とは八月朔日の略。朔日(さくじつ)とは1日(ついたち)のことで、8月1日を指します。現代の暦では8月下旬〜9月頃にあたり、年によって日が異なります。昔から豊作祈願の行事が各地で催されたり、「田の実」が「頼み」に通じることから、よく頼み事をする相手に贈り物をしたり、江戸時代には正月に次ぐ特別な祝日でもありました。現代ではあまり馴染みのない日ですが、八朔は昔の日本人が大切にしていた日なのです。

十五夜:旧暦の8月15日

「十五夜」とは旧暦8月15日の月を指し、お月見をする習わしがあります。「中秋(ちゅうしゅう)の名月」とも呼ばれ、現代の暦では年によって日が異なります。この頃はイモの収穫期に当たるため、「芋名月」の別名も。月見団子、サトイモやサツマイモなどのイモ類、ススキ、秋の七草などをお供えして、実りの秋に感謝しながら名月を鑑賞したいですね。

10月の行事

衣替え:10月1日

10月1日は冬服へ「衣替え」をする日。出番を終えた服は、きちんと手入れをしてからしまうのが長持ちの秘訣です。洗濯表示に従って洗濯やクリーニングをして、黄ばみや虫食いを防いでからしまいましょう。カーテンやラグなども冬物に交換して、室内も冬仕様にしたいですね。

十三夜:旧暦の9月13日

お月見といえば旧暦8月15日(現代では9月中旬)の「十五夜」が有名ですが、「十三夜(じゅうさんや)」はご存知ですか? 「十五夜」に次いで美しい月とされていて、栗や豆の収穫期に当たるため、「栗名月」「豆名月」と呼ばれることも。十三夜は旧暦の9月13日で、現代の暦では年ごとに異なります。

この風習が庶民に広まったのは江戸時代。陰の象徴である月は「お陰さま」に通じると考えられ、生きる糧である作物に感謝する旧暦9月の「収穫祭」の意味も込めてお月見をするようになったそう。十五夜は中国伝来ですが、十三夜は日本固有の行事なんです。十三夜のお供え物は、月見団子、すすき、栗や豆など。美しい夜を眺めながら栗の優しい甘さに舌鼓、というのも素敵ですね。

ハロウィン:10月31日

10月31日はハロウィンの日。今や日本でもビッグイベントとして定着したハロウィンですが、もともとは紀元前5世紀頃のケルト人の祝祭でした。

ケルトでは11月1日から新しい暦が始まっていたので、10月31日は暦の変わり目の日。この日は先祖の霊に便乗して悪魔や魔女が来て災いをもたらすと信じられていたので、収穫を祝うと共に悪霊を追い払う祭りを行うようになりました。ハロウィンで仮装するのは、悪魔や魔女から身を守るため。仮面をかぶったり、悪魔の格好をしたりして、仲間を装うのだそう。仮装してハロウィン気分を楽しむのもありですね。

11月の行事

亥の子の祝い:亥の月(旧暦10月、現在の11月頃)の最初の亥の日、亥の時間

「亥の子の祝い(いのこのいわい)」という行事を知っていますか? これは、亥の月(旧暦10月、現在の11月頃)の最初の亥の日、亥の時間に行われる収穫祭のこと。

この日を祝うようになったのは、古代中国の無病息災を祈る風習「亥子祝(いのこいわい)」から。平安時代に日本に伝わり、庶民に収穫祭として広まっていきました。多産のイノシシにあやかって、子孫繁栄を願う意味合いも込められています。また、亥が火に強いことから、この日にこたつ開きや炉開きをすると火災を逃れられると言われているそうです。

七五三:11月15日

七五三とは、「数え年」で3歳の男女、5歳の男子、7歳の女子が行う「通過儀礼」。知名度が高い行事なのに、意外と知られていない「七五三」のしきたり。

「いつやればいいの?」「男の子は3歳もやるの?」「記念写真以外に何をすればいいの?」などの疑問も多いですよね。七五三の由来、本来の日取りやしきたりなどについてご紹介します。

ボジョレー・ヌーヴォー「解禁日」:11月の第3木曜日

ボジョレー・ヌーヴォーとは、フランスのボジョレー地区でその年に収穫したブドウで作った新酒のこと。ワインは通常、収穫→発酵→醸造を経て翌年以降に販売されますが、ボジョレー・ヌーヴォーは9月の収穫からわずか2カ月程度で店頭に並びます。

その「解禁日」、つまり販売開始できる日は世界共通で、11月の第3木曜日と決まっています。「ボジョレー・ヌーヴォー」はフレッシュな味で渋みは控えめ、鍋や煮込み料理などの家庭料理との相性も抜群。今まで興味がなかった人も、今年はおうちで味わってみませんか?

勤労感謝の日:11月23日

毎年11月23日は「勤労感謝の日」で国民の祝日ですが、なぜ祝日なのか知っていますか? 今は「勤労を尊び、生産を祝い、国民が互いに感謝し合う日」とされていますが、その起源は宮中行事の「新嘗祭(にいなめさい)」なのだそう。

「新嘗祭」は、天皇がその年に収穫された穀物を神様に捧げてから自らも食し、収穫を祝って感謝する宮中行事です。勤労感謝の日には新嘗祭に倣って、おうちでも新米を神棚に供え、今年の収穫に感謝してみてはいかがでしょうか。お供えした後は、お下がりとして感謝しながらいただきましょう。

12月の行事

すす払い:12月13日

12月13日は「正月事始め(しょうがつことはじめ)」の「すす払い」の日。つまり、お正月の準備として、大掃除を始める日です。新年の神様である「年神様」をお正月に迎えるために、1年分の汚れを落とします。

神社仏閣の年中行事として今も行われていますが、一般家庭でもこの日に大掃除を始めるとよいそう。すす払いで家中の汚れを払って清めると、年神様がたくさんの幸せを授けてくれると言われています。「大掃除は年末休暇まで手を付けられない…」という人は、縁起のいい12月13日に大掃除の計画を立てるのもいいかもしれませんね。

歳の市:12月中旬から下旬

「歳の市(としのいち)」とは、12月中旬から下旬に寺社の門前や境内で催される縁日のこと。正月飾りから食品、日用品まで、正月準備の必需品を扱う露店が軒を連ね、買い物をする人々で賑わいます。

なかでも特に有名なのは、毎年12月17〜19日に東京の浅草寺(せんそうじ)で開催される「羽子板市(はごいたいち)」。全国各地の寺社で行われる歳の市は、買い物客で賑わい、年末の風物詩となっています。何かを買う予定がなかったとしても、その賑わいを体感するだけで、十分楽しめますよ。

クリスマス:12月25日

12月25日はクリスマス。日本でも年末の大型イベントとしてすっかり定着していますが、本来は何のお祝いか知っていますか? 「キリストの誕生日」と思っている方も多いと思いますが、正しくは「イエス・キリストの降誕を祝う祭」です。

毎年、何気なく飾り付けしているクリスマスのツリーやリースにも深い意味があり、オーナメントにもそれぞれ由来があります。七面鳥やローストチキン、クリスマスケーキを用意しててクリスマスの食卓を楽しみたいですね。

正月飾り:12月28日までか、30日

正月飾りと言えば門松、しめ縄、しめ飾り、鏡餅など。近年ではモダンなデザインや、マンションでも飾りやすい小さめサイズの正月飾りも豊富ですよね。

11月下旬から12月末まで、たくさんの色鮮やかな飾りが店頭に並びますが、正月飾りはいつでも飾っていいものではありません。飾っていいのは大掃除を終えた後、12月28日までか、30日。29日は「二重苦」「苦餅(苦持ち)」「苦松(苦待つ)」で縁起が悪いとされているのでNG。31日に飾ることは「一夜飾り」といわれ、葬儀を連想させて縁起が悪く、年神様にも失礼にあたるので避けましょう。

ただし、29日を「ふく」と読み、福を呼ぶとするところもあります。

大晦日:12月31日

1年の最後の日、12月31日は大晦日(おおみそか)。あなたは今年の大晦日をどのように過ごす予定でしょうか? 近年では年越しイベントも盛んですし、年末年始休暇で旅行する人も多いのですが、本来の大晦日は、新年の神様である年神様を寝ないで待つ日なのだそう。

長寿や開運を願う「年越しそば」、煩悩を払う「除夜の鐘」、年をまたいで参詣する「二年参り」など、大晦日ならではの風習もあります。今年の大晦日は、おうちや実家で伝統的な正月文化を楽しみながら、心穏やかなひとときを過ごしませんか?

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