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白菜の黒い点はなぜできる?!正体はポリフェノールで食べても大丈夫!

  • 2020.9.3
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鍋料理やお漬物に大活躍の白菜。その栄養素の高さは、食事が乱れがちになる年末年始や、運動不足になりがちな冬にぴったりです。そんな白菜に「黒い斑点」ができていることがありますよね。「これって食べても大丈夫なのか?」と疑問に思う方が多いでしょう。今回は白菜の黒い点の正体について解説します!




■白菜の黒い点の正体は?
・黒い点の正体はポリフェノール



白菜の黒い点の正体は、「ポリフェノール」です。皆さんは、店頭で白菜を買おうと手に取ったとき「黒い斑点」に気づき、思わず棚に戻してしまったことはないでしょうか?

しかし、こうした白菜の黒い斑点は、汚れやカビ、病気などではなく、実はポリフェノールなのです。こうした白菜の葉っぱや茎についている黒い斑点は、見た目がゴマのように見えることから、「ゴマ症」とも呼ばれています。

・食べても問題なし
前述したとおり、白菜の黒い点の正体は「ポリフェノール」。つまり、健康にいい栄養素なので、白菜の黒い斑点は食べても全く問題がありません。

しかし、黒い点があまりにもたくさん付いていると、なんとなく気味が悪いですよね。そんなときは、包丁で黒い部分をそぎ落として食べてください。いくら「食べても大丈夫です」といわれても、食材の見た目が食欲に影響することもあります。でも、気になる部分をそぎ落とせば、その問題も解決できます。

・ポリフェノールの効果とは



まず、ポリフェノールとは、植物が光合成を行うときにできる物質の総称であり、カテキン、フラボノイド、イソフラボンなども、ポリフェノールの一種です。ポリフェノールが含まれる代表的な食品は、赤ワイン、コーヒー、緑茶などです。ポリフェノールは、苦味や渋味が強く、色の濃い植物の実(特にその皮や種)に多く含まれています。

ポリフェノールの効果は、活性酸素のはたらきを抑える「抗酸化作用」にあります。活性酸素が体内で必要以上に生成されてしまうと、その酸化・殺菌力によって正常な細胞を傷つけてしまい、さまざまな病気の要因となります。ポリフェノールは抗酸化作用が強く、活性酸素などの有害物質を無害な物質に変えたり、抑える作用があるので、動脈硬化など生活習慣病の予防によいとされています。

参考:メディカル・ライフ教育出版「すぐに役立つ暮らしの健康情報-こんにちわ 2011年2月号」

■白菜の黒い点はなぜできる?

・環境によるストレス



白菜のゴマ症は、環境によるストレスによってよく発生します。「大きく育った白菜ほどゴマ症が発生しやすい」といわれています。

ゴマ症の原因は、白菜自体がもつ生理反応によるもので、「生理障害」というもの。生理障害とは、虫類、カビ、細菌などによる被害ではなく、栄養失調あるいは過多、低温度・高温度による障害のことです。それぞれの植物によって生理障害の症状はさまざまですが、特徴的な葉に出る症状は、葉脈や葉の縁側に影響が出やすいようです。そのほかの部位では、いち早く新芽に症状が出やすかったり、果実で大きな影響が出る場合もあります。

・肥料過多



白菜は肥料の窒素が自身の中で多くなりすぎると、細胞内外の窒素濃度の差を減らすために、水分を吸収しようとし、これが細胞の膨張を引き起こします。細胞に膨張というストレスがかかると、ポリフェノール類の色素が合成されて、白菜の表面に黒い点として現れるのです。

・気温が高過ぎた・低過ぎた



栽培環境の気温が高すぎる、あるいは低すぎる場合も、白菜にストレスがかかってしまい、白菜の表面に黒い点が現れる原因の一つとなります。また、出荷されるまでの低気温状態の保存が長いと、買ってきてすぐは斑点がなくても、冷蔵庫で保管しているうちに現れることもあります。ゴマ症が気になるなら、買ったらできるだけ早く、新鮮なうちに食べる方がいいということです。

・狭い場所で過密な状態で育った
狭い場所で過密な栽培環境で育った白菜もストレスがかかってしまい、ゴマ症を引き起こしてしまいます。気温など、農家さんではコントロールしづらい要因もあるので、完全に防ぐのはなかなか難しいのです。

■白菜の黒い点の部分に味の変化はある?
・通常の部分に比べると味は落ちる



黒い斑点があった場合でも、食べて問題がないのはわかりましたが、味はどうなのでしょうか?

結論からいうと、黒い斑点がある白菜は味が落ちてしまいます。一般的に、ゴマ症が出ていない白菜の方が甘みが強くおいしいと言われています。前述したとおり、ゴマ症は収穫後に保存している間も、環境によってストレスを受けるとできることがあるので、端的に言えば鮮度の問題と言えますね。ゴマ症の白菜があったら、なるべく早めに食べるようにしたほうがいいでしょう。

白菜を購入するときは、なるべくゴマ症のない白菜を選ぶのがおいしい白菜を選ぶコツ、ということになります。

・日持ちしない
白菜はもともと保存の効く食材です。丸ごと1玉買った場合は、常温や冷蔵でも3週間〜1カ月前後は保存できます。とはいえ、ゴマ症の白菜は水分を多く含んでいるものが多く、日持ちしません。おいしくいただくためには、早めに食べてしまうことをおすすめします。

・おいしい白菜の選び方とは
まず、黒い斑点が気になる方であれば、買うときに葉や茎に黒い斑点がついているものは避け、しっかり葉が巻いている詰まったものを選ぶようにしましょう。手に持ったときにずっしりと重いことも大切です。

また、芯が葉全体の3分の1以下だと甘く歯ごたえのあるおいしい白菜がいただけます。上部を押したときに軽く弾力があると新鮮な証なので、合わせてチェックしてみてください。断面の真ん中が盛り上がっている白菜は避けた方がよいです。これはカットされてから時間がたちすぎている証拠ですので、注意してください。

■腐った白菜の見分け方
白菜が腐っているか見極める決め手は、見た目と臭いです。白菜が腐ると、実はこんな風になります。
・全体や中心部から黒ずむ



白菜の見た目をしっかり確認しましょう。白菜が腐り始めると、周りや中心部に黒ずみが出てきます。これは、先ほどまで紹介していた白菜特有の「ゴマ症」とは別なので注意してください。周りや中心部ももちろんですが、茎の方から黒ずみ(茶色も含まれる)が出てくる場合もあります。

・茶色っぽい汁が出る
白菜が腐ったときの酸っぱい臭いが出るころには、白菜自体から茶色っぽい汁が出ていたり、ぬるっとしたぬめりが出たりするので、食べることなく処分しましょう。

・酸っぱい臭いがする



腐った白菜からは酸っぱい異臭がします。こうなっていたら、もう食べない方がよいでしょう。臭いと見た目、合わせて確認すれば安心です。

新鮮な白菜には独特な臭いがありますよね。酸っぱい臭いではないけれど、なんとなくツンとする感じがすると思います。この臭いの正体は「イソチオシアネート」や「アリルイソチオシアネート」という成分です。苦みや辛みの成分で、もともと白菜にある成分から出ているにおいという訳です。消毒っぽいような、ワサビのような臭いなら、腐っているわけではないので、腐っていると勘違いしないようにしましょう。

■白菜を保存する際のポイント

・芯から使うとうまみが逃げない



白菜は収穫された後、4分の1に切られたとしても外側の葉から中心部に栄養を送る性質があります。そのため、芯が残っていると、外側の葉が栄養を芯に送ります。そうなると外側ほど、うまみも抜けた状態になり、おいしくなくなります。

これを防ぐため、芯からつかいはじめてください。芯を取った白菜は、栄養を送る場所がなくなるので、外側の葉にも栄養が留まり、うまみも残るのです。芯の部分はうまみのもとになるグルタミン酸が外側の葉の14倍も含まれています。白菜は芯からつかうようにして、葉の部分が余るようであれば、この後紹介する保存方法で保存しましょう。

・冷蔵庫に入らない「丸ごと」の白菜は、冷暗所で立てて保存
丸ごと1個の白菜は新聞紙で包み、冷暗所で立てておきましょう。外側から葉をはがして使った場合も同じ、外葉は捨てずにかぶせてから新聞紙で包むのがおすすめです! 冬場なら、暖房のない部屋やベランダの日陰など涼しいところで保存できます。新聞紙が湿ったら、乾いたものに交換しましょう。保存期間の目安は涼しいところで3~4週間もちます。

・キッチンペーパーで包んで野菜室で保存



包丁で半分やくし形に切った白菜は、切り口をぬらしたクッキングペーパーで包み、さらにジッパー付き保存バッグに入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。切り口の乾燥を防ぐことで、鮮度を保つことができます。保存期間の目安は冷蔵で1週間ほどです。

・ざく切りにして固めに茹でて冷凍する
生のものは、ざく切りしてそのまま冷凍用保存袋へ入れて、冷凍保存しましょう。茹でてから保存したいのであれば、まずはちょっと固めに茹でることがポイントです。茹で時の水気をしぼってから、小分けしてラップで包み冷凍用保存袋へ入れて冷凍しましょう。水気を切って冷凍しておけば、日持ちがしますし、スープや鍋料理には凍ったまま入れるだけで便利です。解凍して水気をしぼれば、ササッと和え物などもつくれます!

■白菜は黒い斑点があっても問題なし!



今回は白菜の黒い斑点の正体を解説しました。まとめると、黒い斑点はポリフェノールで、むしろ健康のために積極的に摂取されている成分です。もちろん食べても問題なしです。

しかし、見た目が悪いということで、スーパーなどで売られていても最後まで残ってしまいます。「売り場で人気がない」ということは「商品価値が低い」ということになり、収穫されても出荷されず廃棄されてしまうこともあります。できるだけ黒い斑点のついた白菜をつくらないという作り手側の努力も必要ですが、消費者の黒い斑点に対する誤解にも問題があると言えますね。

白菜は内葉、外葉、芯など部位によって、味わいも栄養も異なるので、料理の際にはそれぞれの特徴を生かして使うのがポイントです。 たとえば、少しかための外葉は、炒め物やその葉の大きさを生かしてロール白菜などにつかうのがおすすめです。一方、やわらかい内葉は、甘みを生かし鍋料理にしましょう。 特に柔らかい部分はサラダにも利用できます。芯は鍋料理やスープ向きです。ただし、葉よりも火の通りに時間がかかるので、芯の厚い部分はそぎ切りにして、火の通りにムラのないように工夫しましょう。

これから鍋のシーズンも始まるので、たっぷり白菜を食べましょう!

(AYA)

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