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価値観の違う夫婦でも仲良くなれる“建設的なケンカ”のすすめ

  • 2015.5.8
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【女性からのご相談】

結婚して5年経つのですが、結婚後に旦那との価値観の違いに気がつきました。そのせいで、ささいなことでのケンカが日常茶飯事。一体どうすれば旦那とケンカばかりの日々を改善させることができますか?

●A. 価値観の違いにばかりにとらわれないことが大切です。

こんにちは。メンタル関連を中心に執筆しているフリーライターの桜井涼です。ご相談ありがとうございます。

価値観の違いって一度感じるとさまざまな細かいところまで気になってしまうものですよね。好きなものや嫌いなものなんかは、お付き合いの段階ですぐに分かるものですが、価値観は育った環境や親の影響などが関わってきます。そのため、生活を共にしてみないと分からないものです。

価値観のズレを解消するべく、自分と同じようにさせることは無理な話と考えることが大切です。相手に“こちらのやり方”を無理に押しつけようとしても、うまくいくことはほとんどありません。自分の価値観の押しつけをしようとせず、ありのままを受け止め、そこから良い方向に持っていけるよう考える方が、ご相談者様にとって、楽なのではないでしょうか。

●価値観の違いで生じるケンカの大半は“破滅的なケンカ”

価値観の違いは、さまざまなところに存在しています。その中でもケンカの原因となる大きなものを6つ挙げてみました。

・家事分担

・料理に文句を言う

・仕事のグチ

・金銭関係

・子どものこと

・二人の関係

これらのことで話し合ったり、どちらか片方からパートナーに話を振ったときに言い合いのケンカになってしまうことがありますね。こういった場合、お互い相手にストレスをぶつけるだけになってしまいがちです。攻撃をするばかりで、いい結果を生むことがない(破滅的である)のがこのケンカの特徴です。

破滅的なケンカは、相手に対しての愛情が不十分だったり、思いやりがなかったりしたときに起きます。お互いを傷つけ合い、言わなくても良いことまで言ってしまいます。男性は、話すことが面倒になり、回避してしまうケースが多く、結果が出ることなく離れてしまうことになります。

●大事にして欲しいのは、“建設的なケンカ”

パートナーに愛情や思いやりを持っていれば、言わなくて良いことまで言ったりしません。自己制御することができるからです。

それに、相手の状態を考えることができますから、お互いが妥協できるところまで譲歩することができます。そうすれば、価値観が違っていたとしても譲り合うことができ、爆発するようなケンカにはならないはずです。

【建設的なケンカの一例】

妻:「ちょっとは手伝ってよ! 仕事を平等にしているんだから家事も同じでしょ!」

夫:「こっちも疲れてんの。男は家事なんて手伝わないよ、普通。家事は女の仕事でしょ」

妻:「私だって仕事してきてるのよ。横になりながらでいいから子どもの面倒だけでもみてくれない? その間に夕食を作っちゃうから」

夫:「子どもの面倒くらいならみるよ。じゃあメシの支度をお願い!」

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夫と妻で価値観が大きく違っているのが分かると思います。でも、譲れるところを譲り、お願いしたいことをはっきり言うことで、大きなケンカにならずに丸く収まった例です。

自分の意見をはっきりと言いますが、相手の状況を理解し、相手ができそうなことを提案するようにして、相手に飲んでもらいます。自分の要求ばかりを押し通すことは無理な話ですし、自分がいつも我慢する側に回ると、今度はストレスがたまってしまいます。

●夫婦の価値観は違って当然

夫婦は、赤の他人が結婚して生まれるものですよね。ご相談者様もそのことは分かっておられると思います。

赤の他人ということは、育った環境も考え方も、大人から受けた影響もまったく違うということです。似たところはあるかもしれませんが、まったく同じということはありえません。

「最初から価値観は違って当然なんだ」と考えたら楽になると思います。それを踏まえた上で、ご主人のことをよく考えてみてください。「こういうとこいいな、好きだな」と思えるところがたくさん見えてくるはずです。そうすれば、自分の要求だけを押しつけようとは考えなくなるのではないでしょうか。例えケンカになっても“建設的なケンカ”ができるようになるはずです。

価値観の違いにばかり目が行ってしまい、「自分とは合わない」と思ってしまうこともあるでしょう。しかし、そこにばかり着目せず、ちょっと引いた目線から全体を見てみることも大事なのではないでしょうか。

夫婦関係や結婚生活の安定性の研究で有名なジョン・ゴッドマン教授の研究で、『建設的なケンカをする夫婦は良い方向に向かい、破滅的ケンカをする夫婦は悪い方向に向かった』という結果が得られています。

大事なのは、価値観の違いという枠だけに目線を置くのではなく、ちょっと引いてもう少し大きな視点で見てみるということです。ご相談者様は、ケンカをどうにかしたいとお考えのようですから、ご主人を思いやり、愛情をかけることでその回数は減らすことができるかと思います。

もし、ケンカになってしまった場合でも、相手にぶつけ合う破滅的なケンカではなく、相手を思いやって建設的なケンカになるよう、イニシアティブを握ってみるようにしてみましょう。

夫婦のことは夫婦しか分からないと言います。ご相談者様ご夫婦もケンカばかりの日々を改善させるために、まずは目線を変えることから始めてみましょう。

【参考文献】

・『結婚生活を成功させる七つの原則』ジョン・M.ゴットマン・著

●ライター/桜井涼(フリーライター)

新潟県佐渡島出身。親が転勤族だったため、幼少期より引越し・転校を多数経験しました。母親が病弱だったこともあり、「地球が滅亡しても生きていける!」と呼ばれている父の元、家事からサバイバルまでを様々経験してきました(そのワザが震災時に大活躍!)。4人兄弟の長として奮闘してきましたが、現在は、2児の母をしています。妊娠中と出産のハプニングを乗り越え、今はフリーライターとして活動中です!

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