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ここだけ抑えればきれいに見える! 人生を変える「美しい文字」を書く6つのポイント

  • 2020.8.30
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美しい字は、それだけで人を引きつけるもの。最近、パソコンやスマホでしか文章を書く機会がないという人もペンを手に取って、レッツトライ!

Writing letter in Japanese by brush pen
※写真はイメージです(写真=iStock.com/hungryworks)
美しい手書きで品格を上げる、「ペン習字」入門

「手書き文字が上手だと、しっかり仕事ができそう、礼儀正しそう、信頼できそうなど、周りの人に好印象を与えることができます。反対にクセの強い下手な字では、悪いイメージしか持たれません」と語るのはペン字講師の萩原季実子さん。以前は広告会社などで営業職に就いていたが、仕事相手と文書を交わす機会があれば必ず手書きの文字を添えていたという。その文字が評判となり、結果、営業成績も上がった。美しい文字は萩原さんの最大の武器となり、まさに人生を変えたのだ。

「最近はスマホやPCで打った直線的で平板なデジタル文字を見慣れているので、私が開発したメソッドで書く文字に驚く方が多いようです」

請求書を送る際などに、一筆箋に短文を書いて同封すると「わざわざ時間を割いてその人のために書くので、相手への尊敬の念を表すことにもなります。大事なビジネスマナーの1つですね」とは納得だ。

萩原さんが提唱する6つのポイントを意識して書いてみよう。

記事内のサンプル文字、文例はすべて萩原さんの手書きです。

誰でも品格文字が書ける! 6つのポイント
1.「タメ」をつくれば存在感が出て大人っぽく

漢字を書く際「止め」「はらい」「バランス」以上に意識したいのが「打ち込み」。単にまっすぐな線を書いただけでは、弱々しく子どもっぽい印象に。書き出しにしっかりと斜めの打ち込みを入れて、「タメ」をつくって力強い線を引くと、存在感のある大人っぽい字に変わる。打ち込みの角度は、斜め45度になるように注意しよう。

2.たおやかな丸みを出すためつながっているように書こう

ひらがなはたおやかな丸みを出すと優雅な雰囲気に。“く”“て”のように一筆で書く文字と、“お”“た”のように数画あるものに、大きく分かれるが、数画ある文字は、図の赤い点線のように、書き順に沿ったつながりを意識して練習してみよう。こうすると直線的で幼い印象の文字にならない。形やバランスを体感で覚えよう。

3.隠れた漢数字を意識して多くの漢字をマスター

横に長い線を使う漢字は数多くあるが、ほとんどが1本から3本の線で成り立っている。たとえば“上”“下”は“一”、“工”“土”は“二”、“王”“生”は“三”を使った漢字。つまり「一、二、三」がしっかり書けるようになれば、漢字はさらに上達する。漢字の中にある一、二、三の横線の方向、反り方、間隔のあけ方を意識しよう。

誰でも品格文字が書ける! 6つのポイント
4.両端の隙間が“抜け感”に。エレガントさもプラス

たとえば“日”や“目”のように、囲みの中にある横線は、線の端をきっちり閉じないようにする。この部分がピタッと閉じていると、字が縮こまって窮屈そうな印象を与える。あえて両端に隙間をつくって余裕を持たせると、大人っぽい抜け感がある字にチェンジ。さらにはエレガントな印象もプラスされるので、隙間を意識して書いて。

5.下に向かってすぼめると大人っぽくなる

“口”などの四角形の漢字は、下に向かってすぼめていくのがポイントだ。これらの字を真四角に書くと幼い字に見えてしまうが、逆台形にすることで、シュッと引き締まったスマートな字に。“高”“南”など、四角の底辺がない文字も同様。ただし、“日”“目”などの縦長の文字はすぼませず、垂直に線を下ろせばよい。

6.似た形のひらがながきっちり上達する

“よ”“の”“け”の3文字をマスターすれば、似たパターン(“よ”と“は”、“の”と“あ”、“け”と“い”などの、同じ要素を持つ複数のひらがな)の文字の書き方が自ずと習得できる。“よ”の小さな丸は斜め下につくる、“の”はゆっくり半円を描くように丸みをつけ、“け”は向かい合う縦線が平行になるように注意し、さらにつながりも意識。

誰でも品格文字が書ける! 6つのポイント
ポイントを意識したら、こんなに文字の印象が変わる!
数字は少し斜めに書くと大人っぽい/アルファベットはしっかり止めてまっすぐ書く
今更聞けない……ペン習字の素朴なギモンを解消

昔習ったはずなのに、基本を忘れている人のために。ペン習字の疑問に萩原さんが答えます。

Q1.文字を書くときの正しい姿勢、正しいペンの持ち方って?

美しい文字を書くためには、正しい姿勢、正しいペンの持ち方を心がけて。猫背になって紙と体の距離が近いと、自分の文章を全体的に見られず、字が斜めになってしまいがち。まずは背筋を伸ばして、机と体は拳1つ分あけて椅子に座りましょう。こうすれば文字が斜めになったり、全体的にバランスを欠いた文字になることはありません。また、イラストのように、ペンの上側を親指と人差し指でかるく挟み、下側に中指、薬指、小指を縦一列にそろえるのが正しい持ち方です。

文字を書くときの正しい姿勢、正しいペンの持ち方
イラスト=中嶋クミ、以下すべて同じ
Q2.紙は体の真正面に置けばいい?

紙を体の真正面に置く人が多いようですが、これでは、自分の手で隠れてしまい、書いている字がきちんと見えません。利き手の延長線上に紙を置くのが正解です。右利きならば右斜め前方に、左利きならば左斜め前方に紙を置きましょう。

利き手の延長線上に紙を置く
Q3.きれいな文字を書くにはどんな文具を使えばいい?

紙がずれないソフト下敷きを敷き、大きなマス目の入った用紙で練習を。ペンは「ゲルインク」の0.5mmが書きやすく、インクが常に均一に出て字が見やすいので、ビジネスレターにおすすめ。黒で書くより、ブルーブラックを使ったほうが柔らかな印象に。親しい人には、夏には爽やかな青、秋にはワインレッドなど、季節感のある色ペンを使って手紙を書いてもマナー違反にはなりません。ただし履歴書や公文書は、黒か濃いめのブルーブラックで。

大きなマス目の入った用紙、ソフト下敷き、ペンは「ゲルインク」の0.5mm
Q4.毎日毎日練習していれば上手になる?

メソッドのポイントをおさえて練習すると確実に上達します。しかし忙しい毎日を送る現代女性にとって、練習時間を捻出するのは難しいもの。そういうときは、スマホでのイメトレが効果的です。自分が美しいなと思った字を撮影し、通勤の電車内などでその字を眺めていると、脳がきれいな文字をインプット。実際に文字を書くときに再現しやすくなります。空いた時間にイメトレをやってみましょう。

自分が美しいなと思った字を撮影し、通勤の電車内などでその字を眺める
Q5.筆圧が強くていつも手が痛い……

筆圧が強すぎる人は、ペンを指で握りしめている可能性があります。正しい持ち方(Q1参照)を心がけて。2Bの鉛筆や万年筆で練習するのも一手。鉛筆や万年筆は力を抜いても字が書けるので、筆圧がコントロールできるようになります。

鉛筆や万年筆は力を抜いても字が書ける
毎日イメトレ!ビジネスで使えるサンプル集

忙しくてペン習字の練習時間がない人に。スマホで見て、脳に美文字を焼き付けましょう。

社内伝言メモ
一筆箋・縦バージョン/一筆箋・横バージョン/ビジネスレター

文=東野りか イラスト=中嶋クミ 写真=iStock.com

萩原 季実子(はぎはら・きみこ)
ペン字講師
ペン字教室myMOJI主宰。都内各所でレッスンや好きな場所で学べる動画講座を展開。著書に『誰でも一瞬で字がうまくなる大人のペン字練習帳』(アスコム)など。

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