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40代女性子供1人、離婚に踏み切るには、いくらあれば安心?

  • 2020.8.28
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離婚したいという気持ちがあっても、その後の生活に対する金銭的な不安があって踏みとどまっている方は少なくありません。離婚後に必要なお金や受け取れるお金について、Mさんの事例をもとにご紹介します。

■離婚したいけど、自分の収入が少なくて不安

夫と高校生の娘と暮らすMさん。夫とはほとんど会話がなく、離婚を考えています。

ただ、Mさん自身はパートとしての収入(月10万円)しかなく、家計は夫の収入をもとに成り立っています。さらに高校生の娘も大学進学を希望しているということで、お金の不安が大きいために我慢の日々を過ごしていました。

■離婚時のお金について知ろう

もし、Mさんが離婚したらどうなるのでしょうか。いきなり家から出されて貯金もないまま月10万円で暮らさなくてはならない……とは限りません。

離婚するときは、「財産分与」といって夫婦2人で築き上げてきた財産を分配することになります。家や車、保険や有価証券、将来もらえるはずの年金などさまざまな資産が対象です。

もし夫のみが名義人になっている資産でも、夫婦の協力によって得られたとみなされれば、Mさんも受け取れる可能性があります。

また、もしMさんが娘さんを引き取って育てていくことになったら、夫から養育費を受け取る権利もあります。裁判所が公表している算定表によると、15歳以上の子ども1人、会社員の夫の年収が500万円、Mさんの給与120万円とすると、毎月の養育費の目安は6万円~8万円となっています。

財産分与や養育費の金額は夫婦の合意内容によって変わるので、離婚前に話し合っておきたいポイントです。いずれも受け取る権利があるので泣き寝入りしないようにしましょう。また、離婚の原因によっては夫に慰謝料を請求できることもあります。

夫婦でよく話し合って、決めた内容を書面(できれば公正証書)に残しておくのがおすすめです。

話し合いがうまくいかない場合は、裁判所で「調停(ちょうてい)」を申し立てることもできます。これは、第三者にあいだに入ってもらってお互いの意見の調整を図るものです。裁判より手続きも簡単で費用も安く済みますよ。

■離婚に踏み切るには、いくらあれば安心?

離婚後の生活に必要なお金についても考えてみましょう。大学への進学資金が心配とのことでしたが、2020年4月から「高等教育の修学支援新制度」が始まっています。保護者の年収が低い場合、授業料や入学金の減額もしくは免除、返済不要の奨学金の受給などが可能です。

お子さんの希望をかなえてあげるなら奨学金や教育ローンといった選択肢もありますので、あきらめずに検討してみましょう。

ちなみに、総務省の家計調査によると、20歳未満の子どもと暮らす母子世帯の平均支出は約22万円とのことです。今の収入10万円+養育費7万円として、あと少し働く時間を増やすか、時給を上げておきたいところです。

できれば社会保険完備のフルタイムの仕事が理想です。お子さんが高校生なら、家事を手伝ってもらうなど協力して乗り切ることもできるでしょう。

■離婚について悩むポイントを、1つ1つ解消していこう

離婚は大きな決断です。なかなか決めきれずにモヤモヤしてしまうかもしれませんが、少なくともお金のことに関しては、具体的な数字を予測しておくことで悩みが解消されやすくなります。勢いで離婚してあとから困らないよう、少しずつ判断材料を集めていきましょう。

文・馬場愛梨(ばばえりFP事務所 代表)
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強!銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。AFP資格保有。

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