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1日1分! 肩こり、冷え、むくみ…不調解消に! 自律神経研究の小林弘幸先生考案「最新呼吸メソッド」

  • 2020.8.27
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自律神経と腸内環境を同時に整える「長生き呼吸法」

外で清々しい空気を吸う男女

今回、ご紹介する「長生き呼吸法」は小林先生が急性咽頭蓋炎を患い、呼吸ができないなど死を意識するほどの苦しさを味わったことを機に考案されました。腸内環境を良好にする「腸活」と肺を鍛える「肺活」も同時に行うことができるのが特徴。1日1分、難しいことは何もありません。さっそく、試してみましょう。

「長生き呼吸法」〜6秒吐いて3秒吸う〜

まずは、基本の姿勢を覚えよう!

◎ 脚を肩幅に開く
◎ まっすぐに立つ
◎ 肩の力を抜く
◎ 両手はお腹の横に

両手はろっ骨の下をつかみます。「長生き呼吸法」は呼吸をするとき、同時に腸をマッサージします。自律神経と腸内環境をダブルで整えていきます。

6秒、口から吐く

上体を前に倒しながら、息を吐く様子。両手でろっ骨をつかむ。

上体を前に倒しながら、ゆっくり、ゆっくり息を口から吐きましょう。息を吐き出しながら、両手を使いわき腹の肉をおへそにグーッと集めるイメージで、腸に刺激を与えます。上体は写真のように、無理のない範囲で倒してください。

3秒、鼻から吸う

背中を反らしながら、ゆっくり息を鼻から吸う様子。

背中を反らしながら、ゆっくり息を鼻から吸いましょう。 息を吸い込みながら、腸に刺激を与えていた両手の力をゆるめていきます。上体は写真のように、無理のない範囲で反らしてください。

「長生き呼吸法」のスゴイ効果

健康でスリムな女性

自律神経のバランスが整う
「長生き呼吸法」をすると、横隔膜がよく動きます。横隔膜も自律神経によってコントロールされているため、「長生き呼吸法」をすれば自律神経のバランスを整えることができます。その結果、腸内環境や血流など健康に欠かせない機能が回復します。

免疫力がアップする
全身の免疫細胞の約70%は、じつは腸に集まっています。つまり感染症やウイルス性の疾患、アレルギー・花粉症をはじめとする免疫疾患は、腸内細菌のバランスが崩れていることが原因なのです。腸内環境を良好にすることは、免疫力アップに直結します。

メンタルトラブルを防ぐ
うつ病、睡眠障害、パニック障害などのメンタルトラブルは、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの不足が一因。そのセロトニンの90%は腸でつくられています。つまり、腸内環境を改善して、セロトニンの分泌量を増やせば心の病の予防・改善も期待できるのです。

生活習慣病が改善する
腸内環境が改善されて血液の質が上がり、血流がアップすると、高血圧・脂質異常症・糖尿病・動脈硬化・脳梗塞・心筋梗塞・不整脈などのリスクを回避できます。また免疫力がアップし、ホルモンバランスも整うため、がん発症のリスクも軽減することが期待できます。

「ポイントは、息を吸う時間よりも吐く時間を長くすること」と小林先生。吐く時間を長くすると、副交感神経の働きが高まり、自律神経のバランスを整えることができます。何かとストレスの多い時期だからこそ、自らの呼吸に意識を合わせ深めてみましょう。

次は応用編! 「肩こり解消呼吸法」をご紹介します。

 

 

肩こり・冷え性・むくみも「呼吸」で解消!

入浴する女性

「長生き呼吸法」は自律神経を整え、腸活や肺活によいことに加え、肩こりや冷え、むくみといった女性の悩みにも有効です。

ストレスや疲れで肩や首まわりがかたくなっているとき、呼吸も浅くなっています。そういうときはさらに悪化すると猫背になったり、体が冷えを帯びたりします。

「浅い呼吸をしている人は、肩で息をしている傾向があります。これは1分間に数十回も肩をすくめているのと同じこと。結果、肩こりや猫背を誘発し、さらに浅い呼吸になってしまいます。また最大の呼吸筋である横隔膜がかたくなっているという特徴もあります」と小林先生。

また、女性に多い冷え性は、自律神経のバランスが乱れていることに関連しているそう。

「冷え性の人の9割は交感神経が極端に高ぶって、血管が収縮しています。そのため、血流が悪くなっているのです。夏でも手足が冷たいという人はほぼ全員がこのタイプ。『長生き呼吸法』は血管を広げる副交感神経の働きを高めるので、自律神経のバランスが整って血流がよくなります」

むくみも同じようにカギを握るのは血流。
「余分な水分や老廃物を回収するのも血液の役割ですから、血流をよくすることがむくみの解消につながります」

そこで、役に立つのが「長生き呼吸法」をアレンジした「肩こり解消呼吸法」。お風呂のなかでとり組むことでさらに効果がアップします。

「長生き呼吸法」をアレンジ! 【肩こり解消呼吸】

首を回しながらゆっくり呼吸する様子

首や肩にたまったこりをほぐしつつ、ゆっくりと6秒口から息を吐き、3秒鼻から息を吸う「長生き呼吸」をします。 お風呂で体を温めながら行うと、さらに効果が上がります。

姿勢のポイント
◎ 背すじを伸ばして座る
◎ ひじを伸ばす
◎ 手首をクロスさせる

呼吸のポイント
◎ 首をゆっくり回しながら
◎ 6秒口から息を吐き、3秒鼻から息を吸う
◎ 逆回しもして1セット、計5セット行う

肩こり、冷え、むくみといったなんとなくの不調が出たら、ゆったりとした呼吸で自律神経を整えるようにするといいですね。

次は、猫背を改善し、横隔膜をほぐす「長生き呼吸ストレッチ」をご紹介! 深い呼吸ができるようになるメソッドです。

 

 

深く呼吸するためのストレッチ

ゆったり呼吸することがひいては免疫力にもかかわってきます。しかし、「長期間にわたって浅い呼吸に慣れてしまっている人のなかには、肺が膨らまずに深い呼吸がしにくくなっている人がいます」と小林先生。

そこでご紹介するのが、深い呼吸ができるようになる「長生き呼吸ストレッチ」です。

1.猫背を改善して胸郭を広げる

猫背を解消して、肺を大きく膨らませられるようになります。このストレッチには、肩こり解消の効果もあります。

〈椅子に座って行う〉

椅子に座って体を反らせている様子

◎頭のうしろで手を組む
◎両肩の肩甲骨を近づけるように腕をうしろに開く
◎体を反らせる
◎10回行う

〈壁を使って行う〉

壁を使って上体をひねっている様子

◎片腕を曲げて壁に手をつく
◎壁を押しながら、上体をひねる
◎左右1回ずつで1セット、計10セット行う

2.ろっ骨を伸ばして呼吸しやすくする

わき腹をのばすと、横隔膜がついているろっ骨の間を広げられます。ろっ骨と骨盤をつなぐ腰の筋肉もほぐれ、胸郭が開きやすくなります。

〈ひざ立ちで行う〉

ひざ立ちで上体を横に倒す様子

◎両腕を頭の上で組む
◎ひざが浮かないように、上体を横に倒す
◎左右1回ずつで1セット、計10セット行う

〈寝たまま行う〉

寝た状態で手足をのばしている様子

「私たちが呼吸するとき、肺は自分の力で収縮しているのではありません。呼吸筋と呼ばれるろっ骨についた筋肉などが柔軟に動くことで肺が収縮し、私たちは呼吸ができているのです」と小林先生。

長期間、「浅い呼吸」をしてきた人は、呼吸筋がガチガチにかたまっている恐れも。呼吸筋を動かしやすいようにして、呼吸を十分にするのがこのストレッチ。呼吸筋がほぐれ、だれでも深い呼吸ができるようになります。

自律神経の研究を20年以上にもわたって続けてきた小林先生が、あらためて思うのは「呼吸」の大切さ。自律神経を整えるためにさまざまな方法がありますが、ゆったりとした呼吸はそのベースになるもの。「何をするにも、しっかりとした深い呼吸をしてから向かい合うと、必ず状況はいい方に向かっていきます」と話します。

ただ深い呼吸をするだけ。このようなときだからこそ、毎日寝る前や仕事の合間に胸を開いて呼吸を深めてみてください。

文/FYTTE編集部

参考書籍
『自律神経を整える「長生き呼吸法」』(アスコム)

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