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#ChallengeAccepted が世界中の女性の間で話題に!女性という理由で殺害される世の中をなくそう

  • 2020.8.27
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世界の女性たちがモノクロのセルフィーを投稿する「Women Supporting Women」というムーブメントがインスタグラムのフィードを賑わせたのは、もう1ヶ月も前のこと。「#ChallengeAccepted」「#womensupportingwomen」「#blackandwhitechallenge」とハッシュタグをつけて投稿し、次の挑戦者を指名するというチャレンジは、多くの海外セレブリティーが賛同したことで日本にも広まった。しかし、このチャレンジの意図していることを理解しないまま投稿している賛同者もいたことから、しばしば批判されることも。女性のエンパワーメント、フェミニズム運動の一つとしてとらえられ支持されているチャレンジと思われがちだが、その真意は一体何なのか。

あなたのslacktivism(スラクティビズム)はなんのために?トルコ女性が受ける暴力や殺人への抗議するためのチャレンジ
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I have received several requests that wanted me to share this as a post as well. So here goes. I hope this will be able to inform people as to what is going on in Turkey and why the black and white photo challenge exists. Thank you all for sharing this information. #blackandwhite #challengeaccepted #womensupportingwomen #mensupportingwomen #istanbulanlaşmasıyaşatır #blackandwhitechallenge #istanbulsözleşmesiyaşatır

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海外では多くのセレブリティーが賛同し広がったこのチャレンジ。初期の投稿では、チャレンジの詳細がないことや、「 #womensupportingwomen」というハッシュタグがついていることから、この運動は女性同士サポートし合うことの重要性を主張するムーブメントだと思われた。

こうしたSNSを通じた意思表明は、「slacktivism(スラクティビズム)」と呼ばれる。怠け者を意味するslackerと、activism(アクティビズム)を組み合わせた造語。現在のようにコロナの影響を受けた外出制限で積極的な活動が難しい中、オンラインツールやSNSを使用した活動は有効的と考えられている。

しかし、一部からは著名人が自分の美しいセルフィーをポストすることで、どう連帯感をもたせるのかと疑問視する声も多々上がっていた。

このチャレンジのルーツは諸説あるとされているが、「ニューヨーク・タイムズ」のジャーナリストのタリロ・ムゼズワは今回のチャレンジがトルコで女性たちへの暴力や女性差別に起因する殺人への抗議として始まったものだと主張している。そして、初期の投稿についていたトルコ語の「#kadınaşiddetehayır(女性への暴力反対)」「#istanbulsözleşmesiyaşatır(女性に対する暴力を防止するイスタンブール条約を施行せよ)」というハッシュタグが徐々に抜け落ちてしまったことを指摘している。

また、この運動をサポートしているインスタアカウント @beezeboobz は以下のように投稿している。

「トルコの人々は毎朝起きると、インスタグラムのフィードや新聞、TV画面で殺された女性のモノクロ写真を見ます。このモノクロ写真を投稿するというチャレンジは、女性が自分たちの声を上げる方法として始まりました。亡くなった女性と連帯して立ち上がるために。いつか自分の写真もモノクロのフィルターがかけられてメディアに貼り付けられるかもしれないということを見せるために」

このチャレンジは、トルコで起こっている女性が「女性である」という理由で殺害される「Femicide(フェミサイド)」を知ってもらうためのキャンペーン。

外国で始まったこのチャレンジは、“女性が女性をサポート”するムーブメントとしていつしか、大まかに捉えられるように発展してしまったのだ。

女性だから ‥‥
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Women's Health

トルコにおけるフェミサイドは、ここ最近始まったものではない。2019年には500人近くの女性が殺害されたという記録がある。2020年7月に発生した27歳の大学生Pınar Gültekin(ピナール・グルテキン)が、32歳の元交際相手に殺害されたという事件をきっかけに、デモや抗議活動が巻き起こった。

トルコは、女性に対する暴力やDVに対処する政策として欧州評議会が策定したイスタンブール条約に2012年3月に批准。その一方、保守派はイスタンブール条約が離婚を促進するものだとして、条約からの脱退を訴える嘆願書を繰り返し提出しているとも言われている。

フェミサイド事件はトルコだけで起こっているわけではない。コロナ禍の中で、世界各地で外出制限や自宅待機が導入されるなか、とくに女性や子供に対する暴力被害や、フェミサイドの事件が増加しているのだ。ドイツの国際メディアDeutsche Welle (DW)の記事によると、ロックダウンの影響で、中国、スペイン、ドイツ、フランス、カナダ、オーストラリアなどで、DV件数が増加したことが分かっている。また、ニューズウィークの記事によると、南アフリカでもパンデミックの影響で、女性に対する暴力やフェミサイドが深刻化しているという。

私たちにできることって?
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Women's Health

誰しもが、様々な理由で差別や偏見などを経験したことがあるかもしれない。もちろん、育ってきた環境や、価値観、宗教観などで考え方は何通りにもなる。現在の世の中は転換期と言われ、ここ数年間はたくさんのキャンペーンやムーブメントが世界中で起こっている。

女性が声を上げ立ち上がる運動はここ数年でよく耳にしたり、目にする機会が増えたが、世界にはまだまだ女性が弱い者として扱われ、ジェンダーイコール(男女平等)からはほど遠い国が多く存在することを私たちは知っておかなかればならない。もちろん無理に支持する必要ない。しかし、もし今回のWomen Supporting Womenやこういった社会的なチャレンジをサポートしたいのであれば、まずは事実を知り、チャレンジの意図をしっかり理解する。そして、”流行”として捉えてインスタを投稿して終わりではなく、その後もこのチャレンジが広がるようにSNSで投稿を続けたり、運動に参加、署名、寄付をするなど支援することが本当のサポートではないだろうか。

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