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脂質は量より質の時代。オメガ3系オイルで免疫バランスをコントロール

  • 2020.8.25
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ここ10年を振り返ると、亜麻仁油やココナッツオイルなど「サプリメントオイル」とよばれる食用オイルブームの波があったが、それが近ごろ食生活に定着しつつある。新型コロナウィルスの影響で、自炊が増え免疫力への関心が高まり、食事の質を見直す人が増えたからだ。いま改めて理解したい食用オイルの重要性について、「オイルファーマシー」の代表であり、日本オイル美容協会の代表理事も務めるYUKIEさんに話を訊いた。

栄養を摂ることとは、体のマイナス部分をゼロにリセットする行為

今回のパンデミックによって免疫力への関心や健康志向に意識が向いた人は多いだろう。しかし、栄養について考えた時、何の根拠をもって栄養を定義するのか答えられる人は少ない。YUKIEさん曰く、オイルを摂取することの前に栄養についての基本的な定義を理解することが必要だという。

「そもそも美容と健康は全く異なる考え方。『今日よりも明日のほうが美しくなる』と言うように美容はプラスの考え方ですが、健康であるために必要な栄養は、体のマイナスに凸凹している部分を戻していく行為。だからこそ今回の新型コロナウィルスであったり、疾患にかかるなど、何かきっかけがないと気が付かないことが多いんです。まずは栄養の定義である、エネルギーになること、体を作ること、調子を整えることの3つを理解しておきましょう」

YUKIEさんが主宰する「オイルファーマシー」では多様な種類のオイルをテイスティングすることができる。Harumari Inc.

カロリーは貯蓄されない。みんなが誤解するカロリーの話

体のエネルギーを作り出す栄養素は、脂質や糖質、タンパク質の3つだ。エネルギー=カロリーというとダイエッターには敬遠されがちだが、そもそもカロリーは体に溜まるものではない。気を付けないといけないのは、何が燃料となりエネルギーを起こしているかということで、タンパク質と糖質は1g4kcalに対して、脂質は9kcalの熱量を出すように、燃料が油なのか糖質なのかタンパク質なのかによって、1gあたりの熱量が変わるのだ。一方で、現代の日本は飽食状態になっており栄養過多でもある。カロリーが蓄積されるものとして誤解されているのは、このような背景からきているとYUKIEさんは話す。

また、その熱量が一緒でも摂取した時の代謝が異なる。代謝とは「エネルギーの変換」のことを言い、例えば同じ熱量でも牛脂などの動物性の油とある特定の植物性で比較すると変換スピードが異なる。ここ数年で名前をよく聞くようになったココナッツオイルやMCTオイルは、他と比べると効率よくエネルギーに変換してくれるため、体にカロリーを貯めさせたくないという人にオススメである。この代謝スピードはオイルによって異なるため、オイルを選ぶ際に考慮したいポイントである。

1回のオイルは5mLが適量とのことで意外と量がある。Harumari Inc.

リポクオリティって何? これからの脂質は量より質

「リポクオリティ」という言葉をご存知だろうか。言葉の通り、これまで食生活の乱れにより量ばかり摂りがちだった脂質を、質を意識して摂取しようとする考え方だ。

「リポクオリティが何故大事かというと、体にある約37兆もの細胞の膜を脂質が作っているのです。また、脂質は神経伝達物質の材料として欠かすことができず、不足すると免疫力の低下や学習意欲の減退を招いてしまいます」

YUKIE / 美容オイルコンシェルジュ。米国医学博士のもと、オイルセラピストを取得。社団法人日本オイル美容協会の代表理事を務める他、オイル美容クリエイターとして、オイル美容教室「O.I.L.」も主催。Harumari Inc.

よく耳にするオメガ3とオメガ6とは

さて、脂質の質にこだわるなら何がポイントとなるのか。1番気を付けなければならないのが、私たちの体の中で作ることができない必須栄養素のひとつとされる必須脂肪酸だとYUKIEさん。これが、ご存知、オメガ3とオメガ6だという。なかでも現代人が意識して摂るべきなのが、オメガ3である。

「オリーブオイルやサラダ油で摂取できるオメガ6はどの家庭でも摂り入れている人が多いです。またヘルシーコンシャスな方でいうと、ゴマ油はオメガ6の代表ですし、他にもグレープシールドオイルなど、だいたいの植物性オイルにはオメガ6が入っています。さらに、日本の家庭で食事に摂り入れることが多い大豆もオメガ6系に該当。それに対してオメガ3は5本の指にも満たないぐらい。亜麻仁油やエゴマオイル、チアシードオイル、新しいものだとサチャインチオイルなどを摂り入れていないと、普段の食事でオイルからはオメガ3を摂れていないんです。オメガ3は魚にも入っており、イワシで言えば二尾分、マグロ4切れが1日の理想の量とされます」

効率よくエネルギーに変換し、代謝を促進してくれるココナッツオイル。(右から順に)オーガニックエクストラバージン ココナッツオイル 184g 1080円、ココウェル 有機プレミアムココナッツオイル 460g 1026円、同 リキッド ココナッツオイル 93g 1,200円(すべて税込)Harumari Inc.

オメガ3が免疫のカギ。両者のバランスが大切

これまでさまざまな年代の人たちの脂肪酸分画の検査結果をみてきたというYUKIEさん曰く、現代人は圧倒的にこのオメガ3の数値が低いという。では数値が低いとどのようなことが起きるのか。オメガ3と6の働きは、拮抗作用といって双方が逆の働きをして免疫のバランスを保っているという。

「皆さんコロナウィルスのこともあり、免疫のことを感染から身を守ることだと捉えがちなのですが、本来免疫というのは、異物が体に入ったかどうかを判断する機能なんです。炎症というのは免疫の機能の一部であるので、炎症を起こすことで体に異物が入ったということを知らせます。例えば、体に異物が入ってそれをやつけるために細胞が闘います。これがずっと続いたら問題が起きるので、この炎症を止めに行く別の細胞が存在する。オメガの話でいえば、オメガ6は炎症を発動する働き、オメガ3は炎症を止めに行く働きなので、両者のバランスが大事。旬なネタでいうと、新型コロナウィルスで言われた炎症が発動し続けるサイトカインストームは、オメガ6に偏っているということです」

さらに花粉症の症状もこれに当てはまるそうだ。YUKIEさんが主催する「オイルファーマシー」のお客さんでは、オメガ3と6を意識したバランスのいいオイル摂取で、花粉症が改善された方が何人もいるという。

(右から順に)オメガ3系のオイル。オイルファーマシー プレミアムエキストラバージンカメリナオイル 250ml 4,104円、オーガニックエクストラバージン サチャインチ油 170g 1,480円、Oki エゴマオイル 120g 1,944円、NU SCIENCE 亜麻仁油 345g 4,180円(すべて税込)Harumari Inc.

自分のライフスタイルに適したオイルに出会うには

ここまではオイルの機能面に特化してきたが、やはりオイルも食材。選ぶ際には毎日の食材として続ける原動力を大切にしているとYUKIEさん。食生活をいきなりガラッと変えるのは難しい。であれば、今使っているオイルだけでも機能的なものにスイッチするのが日常に定着させる秘訣だという。

「欧米では油を香味油というように、料理の仕上げにかけて味わうものだったりします。オメガ3系のオイルは総じてえぐみがあるので、薬味オイルという表現が近しいです。効率よく摂取するならオメガ3系のエゴマオイル、アマニオイルがオススメです。ただ弱点があって、冷蔵保存しなければならないし加熱できないし、使い方に制約が出てきてしまう。一方で同じオメガ3でも前者より含有量は減りますが、カメリアオイルは150度まで加熱でき調理で使えるので、使いやすさという点でこちらを選ぶのもいいと思います。

甘みがありダイエット中にも満足感があるオススメオイル。ヨーグルトや豆腐にかけて食べるのがオススメ。(右)オーガニックブラッククミンシードオイル 99.8g 2,052円 、オイルファーマシー プレミアムエキストラバージンマカダミアナッツオイル 100ml 4,536円(ともに税込)Harumari Inc.

YUKIEさんがそういうように、大切なのは毎日続けること。体の根本的な仕組みを正しく理解することで、オイルがいかに生活に欠かせないものかが分かるだろう。機能性を意識しつつ、味を試してピントくるものを摂り入れることから始めてみては。

撮影:服部希代野

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