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業務が止まって迷惑な「ごあいさつ電話」、宣言解除で増加?目的や対応は?

  • 2020.8.17
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「ごあいさつ電話」はなくならない?
「ごあいさつ電話」はなくならない?

新型コロナウイルスの再拡大を受けて、テレワークを再開、継続する企業がある中、企業に「ごあいさつをしたく、電話しました」「新商品のご紹介をしたく、ご連絡しました」と電話をかけてくる、いわゆる「営業電話」が再び増加しているようです。出社している従業員が少ない会社では、電話のたびに業務がストップし、非効率でもあります。

「ごあいさつ電話」について、キャリアコンサルタントの小野勝弘さんに聞きました。

「あいさつ」は目的ではない

Q.面識のない相手に対し、「ごあいさつ電話」をかける側の目的は。

小野さん「面識のない相手に対して行う『ごあいさつ電話』は営業目的が一般的です。本当の意味で『あいさつ』を目的にしているということを聞いたことがありません。少なくとも、キャリアコンサルタントとして聞いている生の声としては、面識のない相手に対するごあいさつ電話は全部営業です」

Q.会社の共通メールアドレスが公開されている場合に「新商品の資料をメールしました」「イベントの資料をメールしました」などと電話をかけてくる側の目的は。

小野さん「アポイントを取ろうとしていると思われます。目的は先ほどの回答と同様、基本的には営業です。そもそも、資料の配布などは、電話による営業活動の一環で行われています。従って、『実際に資料を説明するため訪問したい』という話だったり、『セミナーが別途あるが参加しませんか?』という話だったり、営業に絡めた目的があることは間違いないと思います。

もちろん、電話を受けた会社側の別の担当者が『資料を送ってほしい』と言っていたケースや、イベントに参加していて資料請求をしていたケースもありますから、むげな対応はできません。しかし、実際に請求していたかどうかを考えずとも、資料を送り、電話までかけてくる場合、売り込みという部分が強いのではないでしょうか」

Q.新型コロナの最初の流行でテレワークを実施する企業が増えた際は、上記のような電話は減ったのでしょうか。それとも、減ってはいなかったのでしょうか。

小野さん「減っていたと思われます。なぜなら、電話をするという仕事だけでも大きなコストや安全面の整備が必要になるからです。例えば、携帯電話の支給がされていない会社の場合、個人の電話料金の精算が必要になるでしょう。また、セキュリティーの問題があるでしょうし、個人情報保護の観点からも望ましいことではありません。

私が面談をする中で聞いた話としては『生活音に配慮しなくてはならないから、電話をかけることさえ行いにくい』という意見もありました」

Q.緊急事態宣言が解除された後、上記のような電話は増えたのでしょうか。

小野さん「増えたというより、今までできていなかった分が消化されている感じを受けます。例えば、元々用意していた営業候補先リストが100件分あったとしましょう。本来であれば、リストを作るたびに架電していたものが、約2カ月架電できていない状態です。もちろん、緊急事態宣言が明けてもリスト作りは続くでしょうから、まずは2カ月分の200件から処理していくという必要がでてきます。そうして、先述のような電話が増えたと考えられます。

実際、求人においても、電話による営業やテレホンオペレーターといった仕事は増加しているように思います」

Q.テレワークの会社が増えている中で、営業電話をかける側は、相手がテレワークを実施している会社かどうかというのは気にしないものなのでしょうか。なぜ、このような電話はなくならないのですか。

小野さん「営業電話をかける側は、相手がテレワークを実施している会社かどうかというものを気にしません。少なくとも、面識がない相手にかける営業電話であれば、特にその傾向が強いです。そもそも、営業電話は1回だけの決め打ちでかけているわけではありません。架電してみてダメだったら、次の会社に架電するというのが普通ですから、営業電話をかける側が相手の事情を気にすることはないでしょう。

また、なくならない理由ですが、営業が経営において一番考えなければならないものだからです。営業して利益を生むからこそ、会社を続けることができるし、従業員の生活を守ることもできます。仮に商品が勝手に売れていくようなものであっても、新規開拓や既存顧客のフォローは必要です。新しい営業スタイルが確立しない限りは、営業電話はなくならないでしょう。

実は、電話をかけるという営業はいわゆる『飛び込み』『外回り』といった営業の後に出てきた、新しいタイプの営業スタイルです。効率化と成果を考えて生みだされた営業方法ですから、簡単にはなくならないでしょう」

Q.全社的なテレワークではなく、多くの従業員がテレワークをしていて、一部の従業員が出社している場合、上記のような電話への対応が負担になりそうです。どのように対応すべきでしょうか。

小野さん「社内で対応の可否を考えるべきでしょう。結局、電話を取るのは従業員の誰かですから、現場の声を踏まえて対応を考え、理解・納得・賛同が得られるよう工夫することが大切です。『営業電話を断り、メールその他でサービス紹介するよう伝える回答テンプレートを用意する』といった方法や、『テレワークにより取り次ぎができません』と返事することを徹底している企業もあると聞いています。

また、『テレワークの影響で、電話がつながりにくくなっております』といった、事実に即した話をホームページ上に乗せることを検討した会社もあるようです。いずれにせよ、会社としてどのように対応するかを明確にし、行動指針を決めることが求められているといえそうです」

オトナンサー編集部

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