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《29年間ビューティ担当のベストコスメ》【第31回】ランコムの 「クラリフィック デュアル エッセンス ローション」

  • 2020.8.15
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ヨーロッパでは19世紀になるとラテン語の「洗う」に由来する「ローション」という言葉が文献に現れ、化粧水の使い方は拭き取り、洗浄がメインになりました。今もヨーロッパではその位置づけのままです。フランスのブランドが日本をメイン市場に考えて作った待望の化粧水がヒット中。1stステップから肌の内部エネルギーを最大限活用し、肌の土台を作る画期的な製品です。

今月の殿堂コスメは、肌の土台作りは化粧水から。ランコムの 「クラリフィック デュアル エッセンス ローション」
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クラリフィック デュアル エッセンス ローション 150㎖ ¥11,000(ランコム)。単に白いだけではない〝新次元の透明肌〟は、キメが整い毛穴が目立たず、肌トーンが均一で、ふっくらとハリがあり、潤って明るく輝いていること。それを実現するために最新の酵素サイエンスを取り入れた2層ローション。3%はオメガ6が豊富なグレープシードオイルを使ったエッセンスオイル、97%は天然ブナの芽エキスが配合されたエッセンス。シェイクしてから使うこと。本国フランスからサンプルが来た際、ウィスクなしとウィスク付きでは、ウィスクでシェイクしたローションの感触が段違いに良かったそう。2020年2月14日発売。

\ここがすごい/
1:外から与えるより、酵素の力で内側から肌を健康にする
2:肌の浄化と再生に効率よく肌エネルギーを使う
3:期待値が高いからこそ、化粧水の領域と美容液の効果を超える


環境ストレスが大きい今だから、最新の酵素サイエンスで肌の力を目覚めさせる化粧水を

日本人に化粧水は欠かせません。単品で高い売り上げを誇り、ロングセラーが多いのも日本ならではの現象です。日本では江戸時代に「ヘチマ水」「花の露」といった〝美人水〟が人気になり、1897年に資生堂が初の化粧水「オイデルミン」を拭き取り用として発売。肌の清浄と引き締め作用がメインでした。1980年代には化粧水に配合できる成分と技術が進化して、1980年「SK-IIフェイシャル トリートメント エッセンス」、1985年「コーセー薬用 雪肌精」と現在まで続く名品が生まれます。直近のヒットは、2014年発売のエスティ ローダー 「マイクロ エッセンス ローション」。〝とろシャバ〟というテクスチャーが注目を浴び、ここから化粧水は一気に高機能になっていき、濃厚なとろみ、美容液クラスの効果、斬新な見た目を兼ね備えたさまざまな化粧水が登場。しかし目覚ましいヒット製品は見当たらず、今年2月に発売された、ランコム「クラリフィック デュアル エッセンス ローション」(以下、「クラリフィック」)が、ついに大ヒット。

これまでランコムでは主に主力製品は美容液やクリームで、アジア市場でヒットする化粧水を作るのは長期の課題でした。発売するからにはランコムらしい最高のもの、悩み別ではない、人を選ばない、そんな待望のスター化粧水です。「クラリフィック」はオイルとエッセンスの2層。その中にオブジェのような美しいウィスク(泡立て器)が見えます。化粧水に対する目が肥えている私たちにとって、まず使いたいと思わせる第一印象は上々。ボトルを振るとマイクロバブルがシュワ~ッと立ち清涼感を与えます。肌あたりは柔らかくスッと馴染み、サラッとしているけど、しすぎない。このテクスチャーでずっと保湿感が続くのが、素晴らしい。

製品の核となるのは、酵素です。酵素とは生命活動に欠かせないたんぱく質で肌の中にも存在します。クラリフィックの中には酵素が入っているのではなく、クラリフィックのメイン成分「ブナの芽エキス」が、表皮に存在する5種の酵素に働きかけ発現と活性の2段階で正常に作用します。ブナは根に保水作用があり森を豊かにする樹木です。ランコムはブナの根や幹から次世代のアンチエイジング分子・プロキシレンを生み出し、「アプソリュ」ラインなどに配合していますが、今回はポリフェノール、アミノ酸、糖類が含まれるブナの芽を使用。環境を考えた持続可能な採取方法から、成分を安定的に抽出する「グリーンプロセス」まで気を配り、その芽吹くパワーをより進化させたのがブナの芽エキスです。

ランコムは30年にわたる酵素研究から、〝新次元の透明肌〟を実現するために酵素が重要な鍵をにぎることを解明し、クラリフィックに応用しました。水分が少ないゴワついた皮膚はたんぱく質が強固すぎる状態で角層が上に行かずターンオーバーができないのですが、カリクレイン7とカリクレイン5という酵素はそれを緩める働きをします。角層のバリアを強固にするフィラグリンはセリンプロテアーゼによって天然保湿因子(NMF)になります。トランスグルタミナーゼは代謝を高め、カテプシンL2は増殖・分化・保護・保水・排出と広い領域で働きます。酵素は量が多いからよいわけではなく、カリクレイン7とカリクレイン5は、過剰になるとバリア機能が低下しアトピー性皮膚炎の原因になることがわかっています。酵素が正常に働くことが大事なのです。また、酵素は細胞本来のエネルギーを無駄に使わないようにサポートする働きがあります。厳しい加齢ストレスや環境ストレスに対抗して肌を正常に保つにはエネルギーが多く必要ですが、酵素の働きを高めればエネルギー不足の心配が減るのです。肌に何かを与えるというよりも、自分が持っている肌内部エネルギーを最大限活用させる、まさに肌の力をアップする化粧水です。

豊富で良質な水に恵まれた日本人の美容とは、まず肌を清め、浄化することから始まるのではないでしょうか。だからこそ化粧水がこれだけ愛されるのです。酵素による細胞の生まれ変わり、とろみに頼らないみずみずしいテクスチャー、清々しい使い心地。体を清めれば心まで、という禊の感覚が、クラリフィックには宿っているような気がするのです。それがヒットの理由の一つだと思っています。

\使い切っています♡/

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現在2本目です。ブナの芽の形をデザインしたウィスク(whisk・泡立て器)は医療用素材で作られているとか。私はコットンで2度づけするため1カ月で1本使いましたが、手で浸透させるとマイクロバブルの感触が直に感じられて、1カ月半くらい持ちます。つけた瞬間は潤うけれどすぐに乾いてしまうものってありますよね(とろみ化粧水が人気なのはそれを感じにくいからだと思います)。クラリフィックは、とろみはそうないけれどサラサラとも言い難い不思議なテクスチャー。つけたあと肌を触ると潤ってひんやりしていて、今の季節にとても心地いいです。

『JJ』時代から美容を担当。 スーパーモデルブーム、 日本上陸前のM·A·Cをブレイクさせる。愛ある視点で厳しく化粧品を選び、「コスメは感動!」が信条。美ST ONLINEでの連載「30年目のコスメ愛」も好評。

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29年間ビューティ担当・ 編集 I

2020年『美ST』9月号掲載 撮影/河野 望 イラストレーション/大沢かずみ 編集・文/石原晶子

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