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【枝豆と大豆の違い】それぞれの魅力や味わい方に迫る!黒豆も大豆?

  • 2020.8.14
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おつまみの定番・枝豆と、豆腐や納豆などの原料としてよく知られる大豆。どちらも健康に良い食材として、日本だけではなく海外でも広く親しまれています。

そんな枝豆と大豆が、実は同じものだということをご存知でしょうか?そして何と、黒豆も同じ大豆なのです。

でも、なぜこんなにも色や味も違うのでしょう?今回は枝豆と大豆の違い、また黒豆について探ってみましょう。それぞれの魅力やおすすめの味わい方もご紹介します。




■枝豆と大豆は何が違うの?



枝豆は大豆がまだ熟しきっていない、若く青い状態で収穫されたものです。
一方、大豆は実が完全に熟し、茶色く乾燥した状態になったところで収穫されたものです。

つまり、枝豆と大豆は同じ大豆であり、収穫時期が異なるだけなのです。

・枝豆は大豆の未熟なもの



枝豆は大豆の未熟なものですから、完熟した大豆に比べて実は柔らかく、みずみずしいのが特徴です。枝ごと収穫し、そのまま茹でて食べたことから、「枝豆」の名がついたといわれています。

また植物分類学上では、豆ではなくて「野菜類(緑黄色野菜)」とされています。そのため枝豆は豆と野菜の両方の特徴をもち、栄養的にもそれぞれのメリットがあります。

・大豆は『畑の肉』
大豆は栄養価がとても高く、貴重なタンパク源として、古くから大切に食されてきました。
大豆に含まれるタンパク質は必須アミノ酸をバランスよく含んでおり、肉や卵にも劣らない良質のものです。ゆえに大豆は「畑の肉」とも呼ばれているのです。

・現在は枝豆専用品種がある



かつては大豆として栽培・収穫すべき品種を、若いうちに収穫して枝豆として食べていました。しかし近年では、未熟であっても粒が大きく、甘みもしっかりとした枝豆専用の品種が育成され、栽培されるようになりました。

現在、枝豆専用の品種は400以上もあるといわれ、大きく分けると「白毛豆(青豆)」「茶豆」「黒豆」の3種類があります。

最も一般的な「白毛豆」は、サヤに白いうぶ毛が生えているのが特徴で、サヤも豆も鮮やかな緑色をしています。クセがなく、食べやすいため、全国的に栽培されています。
代表的な品種は「サッポロミドリ」「湯あがり娘」などがあります。



「茶豆」は、サヤの中の豆が茶色の薄皮をかぶっているため、こう呼ばれます。強い甘みと独特の風味が特徴で、茹でたてはスイートコーンに似た香りがします。
山形の「だだちゃ豆」、新潟の「黒埼(くろさき)茶豆」などのブランド枝豆が有名で、だだちゃ豆の主な品種には「白山(しらやま)」、黒埼茶豆は「くろさき茶豆」があります。

「黒豆」はおせち料理によく使われる黒豆を、成熟する前に収穫して枝豆としたものです。
大粒で深い甘みとコクがあり、ホクホクとした食感が特徴です。
晩生種が多く、一般には枝豆に不向きといわれる黒豆ですが、「たんくろう」は早生品種で枝豆向けに改良された品種です。

・大豆アレルギーは枝豆もNG?



大豆はアレルギー症状を引き起こす食物のひとつで、大豆に含まれるタンパク質がその要因となります。
そのためアレルギーのある方は、大豆に関連する食品は摂取しないよう、注意が必要です。

枝豆も未熟とはいえ大豆であり、タンパク質を含みますから、控えるようにしましょう。

■枝豆と大豆の栄養素の違い



枝豆と大豆の違いは、成熟の度合いであることは、これまで述べてきたとおりです。
では、栄養についてはどんな違いがあるのでしょうか。それぞれ見ていきましょう。

・枝豆の栄養



枝豆は大豆と同様に栄養価が高く、また豆と野菜の両方の栄養素を含んでいます。
タンパク質や脂質が豊富で、ビタミンB1、食物繊維、カルシウム、鉄分なども含むほか、大豆には少ないビタミンCやβ-カロテンも含まれているのが特徴です。

枝豆に多く含まれるビタミンB1は、糖質を分解してエネルギーに変えるはたらきがあります。
またナトリウム(塩分)の排出を促すカリウムも豊富なことから、むくみの解消にも役立つといわれています。
このことから、枝豆が夏のスタミナ不足や疲労回復、またダイエットにもよいといわれています。

さらに枝豆のタンパク質に含まれているメチオニンは、ビタミンB1・ビタミンCとともにアルコールの分解を促進して、肝機能のはたらきを助けてくれます。そのため飲み過ぎや、二日酔いを防いでくれるのだそうです。
枝豆をおつまみにするのは、とても理にかなっているのですね。

・大豆の栄養



大豆には、さまざまな栄養素が含まれています。タンパク質や脂質、糖質、食物繊維、ビタミンB群をはじめとしたビタミン類、葉酸、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛など、実に種類も豊富で、バランスも優れています。
その一方で、コレステロールは全く含まれていないのです。

なかでも注目すべきはタンパク質で、100g中およそ33gも含まれており、肉にも匹敵するほど。けれど肉よりも低カロリーで、消化吸収もよいのです。

また大豆はイソフラボンを含む食材としてもよく知られています。イソフラボンは女性ホルモンと似たはたらきをすることから、更年期障害や骨粗しょう症といった、女性に多く発症する病気の予防にもつながるといわれています。

・枝豆と大豆のカロリーはこんなに違う!



枝豆のカロリーは、100gあたり約134kcalです。それに対し、大豆は約433kcalです。
大豆は成熟して乾燥した状態になっていることと、脂質は枝豆のおよそ3倍も含んでいることから、これだけカロリーに差が出てくるのです。

■枝豆や大豆と関連する食べ物



枝豆や大豆を原料とした食品は、たくさんあります。ちょっと意外なものから、日頃私たちがよく口にする身近なものまで、とても種類が豊富なのです。

・もやしは大豆からできる



実はもやしも、大豆からできています。もやしとは豆類や穀類、野菜の種子を水に浸し、暗いところで発芽・生長させたもので、通常は豆類から作られたものを指します。

もやしにも種類があり、最も生産量が多いのは緑豆から作る「緑豆もやし」です。軸が太めでみずみずしく、食べ応えがあります。

ブラックマッペと呼ばれる小粒の黒豆から作る、「黒豆もやし」もよく見かけますね。特有の甘みと、やや細めながらもシャキシャキとした食感から、根強い人気があるもやしです。

そして「大豆もやし」は韓国料理には欠かせない、大きな豆がついた太く長いもやしです。ほかのもやしに比べてタンパク質が多く、栄養価が高いのが特徴です。豆の部分の旨みがしっかりしているのは、大豆ならではです。

・黒豆も大豆の一種



おせち料理の煮豆で知られる黒豆も、大豆の一種です。種皮にアントシアニンという色素を含んでおり、外見が黒いことから「黒大豆」とも呼ばれます。

大豆の仲間ですから、基本的な栄養は黒豆も大豆とほぼ同じで、タンパク質が豊富です。
また黒色の素となるアントシアニンというポリフェノール(抗酸化物質)の一種は、動脈硬化やがんの予防に役立つといわれており、また腹部に脂肪が溜まるのを抑制することがわかっています。

ちなみに、小豆も黒豆と同じく大豆の仲間と思われる方も多いと思いますが、小豆は全く別のものです。大豆はマメ科ダイズ属、小豆はマメ科ササゲ属で、タンパク質を豊富に含む大豆に対し、小豆は炭水化物が主な成分です。

・納豆も大豆が原料



納豆は蒸した大豆に納豆菌を噴きかけ、じっくりと発酵・熟成させたもので、特有の香りと粘りがあります。

もともと栄養価の高い大豆ですが、納豆にすることでさらに高まります。たとえば、体内に溜まった余分な脂肪を分解し、燃焼させるはたらきがあるビタミンB2は、納豆にすることでおよそ20倍に増えます。

また発酵により生み出される酵素のひとつ「ナットウキナーゼ」は、心筋梗塞などの原因となる血栓を溶かす作用があるといわれ、とても注目されています。

・和食には欠かせない『みそ』『醤油』



日本の食卓に欠かすことのできない、「みそ」や「醤油」といった調味料も大豆製品です。

みそは大豆を煮てつぶし、蒸した米や麦、塩、麹を加えて作る、発酵食品です。長時間寝かせることで生まれる深い旨みは、おみそ汁をはじめさまざまな料理に使われます。

醤油は主に、大豆と小麦、塩から作られます。蒸した大豆と炒った小麦を混ぜ合わせて作られる醤油麹に、塩水を加えたものが諸味(もろみ)です。これをじっくりと熟成させた後、絞って火を入れたものが醤油になります。
煮物などの調理に使ったり、お刺身や焼き物に添えたりと、まさに和食の基本となる調味料です。

■枝豆と大豆のおいしい食べ方



枝豆と大豆のおいしい食べ方についても、学んでいきましょう。
おいしい枝豆の選び方から、基本の茹で方、おすすめのレシピをご紹介します。

・おいしい枝豆の選び方



おいしい枝豆の条件とは、やはり新鮮であること。枝つきのまま売られているものの方が鮮度がよく、日持ちしするのでおすすめです。

選ぶポイントとしては、この2点です。

  • 葉の色が茶色くなっていたり、枯れたりしていないもの
  • 枝の節と節との間が短く、サヤが密集しているもの



また、サヤの状態はこの3点をチェックしましょう。

  • サヤの緑色が濃く、鮮やかなもの
  • サヤがぴんと張っていて、中身がつまっているもの
  • 豆が均等に入っているもの



・枝豆の茹で方



枝豆は新鮮なほどおいしいですから、買ってきたらすぐに茹でるのがおすすめです。
色も鮮やかに、おいしく茹でる方法をご紹介します。

材料
枝豆(枝から外したもの) … 250g
水 … 1L
塩 … 40g ※茹でる水に対して4%

手順

  1. 枝豆を水で洗い、サヤの両端をハサミで切り落とします。
    (豆に塩味がつきやすくなります)
  2. 40gの塩のうち15g程度を使って、枝豆を両手で塩もみします。
    (色が鮮やかになり、味もなじみます)
  3. 水を沸騰させます。沸いたら残っている塩を入れます。
  4. 2. を塩がついたままの状態で、沸騰したお湯に入れます。
  5. 吹きこぼれないよう注意しながら、中火で3〜5分茹でます。
    3分半たったら枝豆を1つ取り出し、味見を。少し硬いくらいでOKです。
  6. ザルにあげたら少し広げ、うちわであおいで冷まします。



長期保存する場合は、少し硬めに茹でて水気をよく切り、保存袋に入れて冷凍すると、およそ1ヶ月はもちます。さっとお湯に通すか、電子レンジで解凍しましょう。

・枝豆のおすすめレシピ



「枝豆・エビ・豆腐のあっさり煮」は、枝豆のグリーンとエビの赤が映える一品です。塩であっさりと、やさしい味に仕上げます。

まずは材料です。
材料(2人分)
枝豆(塩茹でした豆のみ) … 100g
絹ごし豆腐 … 1丁
むきエビ … 8尾
サラダ油 … 大さじ1
ごま油 … 少々
<下味用>
塩 … 小さじ1
片栗粉 … 小さじ1
<合わせ調味料>
鶏がらスープ … 200cc
酒 … 大さじ2
みりん … 大さじ1
塩 … 少々
こしょう … 少々
ショウガのしぼり汁 … 小さじ1
<水溶き片栗粉>
水 … 大さじ1
片栗粉 … 大さじ1

つづいて、作り方です。

  1. エビは背ワタをとり、分量外の塩水で洗い、水気を切ります。<下味用>の塩をもみこみ、片栗粉を全体にまぶします。
  2. 豆腐は厚みを半分にし、さらに6等分に切ります。
  3. <合わせ調味料>と<水溶き片栗粉>は、それぞれよく混ぜ合わせます。
  4. フライパンを中火で熱したらサラダ油を入れ、エビを炒めます。
  5. 豆腐を加えたら<合わせ調味料>を入れ、強火にします。全体に火が通ったら枝豆を加えます。
  6. <水溶き片栗粉>を加え、しっかりと火を通します。とろみがついたらごま油を回し入れて、できあがりです。



とろみがゆるんでしまわないよう、水溶き片栗粉を加えたら、しっかり沸騰させましょう。

・大豆のおすすめレシピ



タンパク質と野菜がたっぷりとれる「大豆とソーセージのトマトスープ」は、お子さんにもおすすめ。トマトジュースを使って、手軽に作りましょう。

まずは材料です。
材料(2人分)
水煮大豆 … 100g
ソーセージ … 4本
玉ねぎ … 1/4個
にんじん … 1/4本
エリンギ … 1本
顆粒コンソメ … 小さじ1
水 … 100cc
トマトジュース(無塩) … 300cc
塩 … 少々
こしょう … 少々
パセリのみじん切り … 少々

つづいて、作り方です。

  1. ソーセージは5mm幅の輪切りに、玉ねぎとにんじん、エリンギは1cm角に切ります。
  2. 鍋に水、玉ねぎ、にんじん、エリンギを入れて中火にかけます。煮たったらコンソメ、水煮大豆、ソーセージを加えます。
  3. 再び煮たったらトマトジュースを加えて3〜4分煮込み、塩・こしょうで味を整えます。
  4. 器に盛りつけたらパセリを散らして、できあがりです。



パセリと一緒に粉チーズをかけると、コクがさらにアップしますよ。

■枝豆と大豆を食べて健やかに



枝豆も大豆も、私たちの健康と食生活を支えてくれる、大切な食材です。
ベジタリアンのように、動物性食品をとらない食事を選ぶ人も増えている今、枝豆や大豆を使った食品はますます注目されています。

おいしく楽しく味わって、心も体も健やかにしていきたいですね。

(AYA)

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