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産婦人科専門医に聞く、布ナプキンについて知っておきたいこと

  • 2020.8.12
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紙ナプキン派? 布ナプキン派?

あなたは、紙ナプキンと布ナプキンどっち派? 肌に直接触れるものは、自然のものを選びたい! と、布ナプキン派のトレ女達は多いかも。布ナプキンに替えると生理痛や月経痛が軽減されるなんていう噂もあるし…。でもラントレなど激しいトレーニングをする人には少し心配になりますよね。実際のところどうなんでしょう?

月経血コントロールと布ナプキン

布ナプキンとともによく聞かれるのが“月経血コントロール”。今では月経血コントロールヨガなんてプログラムもあるほど、有名になっていますよね。月経血コントロールのための方法とは、骨盤の一番下にある骨盤底筋を鍛えて、緩める、締める動作を自由にし、月経血の排出をコントロールしていくというもの。簡単にいうと、日常は経血が出ないようにためておき、トイレの際に排出して流すようにすること。月経血のコントロールだけでなく骨盤底筋を鍛えると、産後や閉経後の尿トラブルにも有効的です。月経血の排出を自分でコントロールできるようになると日常ナプキンを汚すことが減るため、布ナプキンでも漏れが気にならず、かつ自然素材だからデリケートな場所に使っても安心だということから、布ナプキンも注目されてきています。

実際に布ナプキンってどう?

信頼性の高い医学的な研究結果というものは特にないので、一般的な考え方として…。もしも、月経血コントロールがとてもうまくできる人、すなわちトイレの際にうまく排出がちゃんとあり、経血が少なくナプキンにつく量が極端に少ないというのであれば、布ナプキンも有効的に使えるのかもしれません。

しかし、それなりの経血が布ナプキンに吸収される人の場合、一般的には経血を吸収することでコットンが濡れますよね? コットンが濡れると冷えます。その冷えてしまったツールをデリケートな部分に触れさせているということは、体に影響がまったくないとは言い切れません。一般的なナプキンはケミカルな素材だからと、抵抗がある人もいます。でもデリケート部分に直接血液が触れないような仕組みになっているので、冷えた布を長時間触れさせている状態からは逃れられます。ケミカルな素材にどうしても抵抗がある場合は、少し金額は高いですが、オーガニックコットンを使った紙ナプキンを選択するという手もあります。

一概にどちらがいいかは言えないですが、ただ布ナプキンが自然でいい! というだけのイメージにとらわれず、自分の経血量や体調に合わせて選ぶのがベスト。「布ナプキンにしたら月経血コントロールができた!」っていう人もいるかもしれませんが、「月経血コントロールヨガの指導者なのですが、実はコントロールできないんです…」っていう人もいると思います。でも、できないからといって、体の機能に大きな問題があるわけではないので、悩む必要はありません。今の自分を受け入れ日々快適に過ごしやすいほうを選ぶのが得策です。

自分の希望としてはやってみたいことも、体にとっては難しい場合もあります。心と体のバランスがとれてこそトレーニングの結果が現れるはず。そのためには、いろいろ今のあなたに合うツールや方法に出会うことが大切なのです。

ライター:北川彩
取材協力:高尾美穂/産婦人科専門医。スポーツドクター。女性のためのクリニック「イーク表参道」副院長

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