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鮭の種類や産地で異なる味わいを徹底解説!使い分けておいしくいただこう

  • 2020.8.12
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焼き鮭として朝ごはんの定番でもあり、ホイル焼きやグラタンなど、和洋折衷いろんなアレンジができる鮭。鮭の旬といえば秋冬だと思われる方も多いと思いますが、実は種類や産地でおいしい時期が違うのを知っていましたか?
今回は日本の代表的なお魚「鮭」の種類や意外な産地を徹底解説します!




■鮭の種類は8種類もある!

鮭は代表的な回遊魚であり、回遊魚とはある期間回遊した後、産卵のために故郷の川に戻ってくる習性を持つ魚のことを指します。この鮭の代表的なものといえば、代表的な物でいうと紅鮭・銀鮭ですね。
この2つは良くスーパーなどにも並んでいるのを見かけることも多いかと思います。
実は鮭にはこれ以外にもたくさん種類があり、普段口にしている物が思っていたのと違う種類だったりするのです。まずは鮭の種類についてご説明いたします。

・キングサーモン




その名の通り、キングサーモンは世界でも最大級の大きな鮭です。日本では回転寿司でよく見る名前ではないでしょうか?サイズは1mを超える物は珍しくなく、鮭の中でも最高品種として扱われています。
どこで獲れるかというと、主にアラスカ沖の北太平洋やオホーツク海などに生息しています。日本に出回るのはかなり希少で、お寿司屋さんで良よく見る物はカナダなどからの輸入品がほとんどです。

・マスノスケ




先ほどご紹介したキングサーモンよりもさらに大きいマスノスケ。キングサーモンの和名としても扱われていますね。サイズは鮭の仲間では最大の2m。体重はなんと40kg以上にもなるのです。産まれの北アメリカから回遊してくる物が日本で網にかかり、市場に出回ります。

・白鮭




日本で鮭と言えば皆さんが想像するのはこの白鮭です。スーパーで見かける鮭はほとんどがノルウェー産やチリ産ですが、、白鮭は日本で産まれいろんな場所を回遊して獲られる唯一の種類なのです。
アキアジ・アキサケなどとも呼ばれており、その卵はお正月やお祝い事に大人気のイクラ、筋子に利用され日本食の代表となっています。

・紅鮭




紅鮭は日本で滅多に獲ることができない種類です。紅鮭の旬は6~8月頃で、スーパーで目にするのは主にカナダ産の物がほとんどです。鮭の色は生物学で「白色」の分類なのですが、紅鮭は産卵期を迎えると身が真っ赤に色づくことからその名がつきました。

・銀鮭




国内外でオールマイティに生産・販売されているのがこの銀鮭。成長が早く育てやすいことから市場に出回っているのはほとんどが養殖もので、スーパーではチリ産とノルウェー産が多く流通しています。
日本の生産品としては宮城や東北地方の養殖が盛んです。8~10月頃が旬だとされていますが、先ほどもお伝えしたとおり養殖しやすいので年間を通して販売されています。
コンビニ弁当やおにぎりなどでもよく使用されている品種です。

・カラフトマス




カラフトマスは生の切り身で売っていることは少なく、加工品として使用されることが多い品種です。
鮭フレークや鮭缶などに使われており、鮭の中では最も資源量が多い品種とされています。赤い缶詰で有名なマルハニチロ(株)の「あけぼのさけ」の原料はこのカラフトマスと言われており、公式ホームページにも記載があります。

・アトランティックサーモン




別名、「タイセイヨウサケ」「トラウトサーモン」とも呼ばれ、どちらかと言えばこの別名で見かけたことがある方の方が多いのではないでしょうか?他の種類と比べ、脂身も多くお寿司屋さんや最近では居酒屋の鮭メニューとしても使われていますね。焼いて食べるというよりは、生のお刺身で食べられるのが人気な品種で、脂がおいしい品種ですので女性にも人気です。

・サクラマス

都道府県により少し呼び名が変わりますが、桜の季節に出るから桜鱒(サクラマス )と呼ばれるこの種類。ちなみに関東では本マス、岩手県では真マスと呼ばれています。鱒は鮭と別種だと言われることもありますが、生物学上で鱒はサケ科サケ属。しっかり鮭の仲間だと証明されています。

・ニジマス




ニジマスが鮭の一種だということを知らない方は多いのではないでしょうか?身も白っぽく別種の魚だと思っている方も多いはずです。さらに、南米チリから輸入されている海面養殖のニジマスは「サーモン・トラウト」とか「トラウト・サーモン」と呼ばれておりこの2種類が同じ品種だと聞くと驚かれる方も。
価格が比較的安く、焼き物や煮込み料理など生魚から加工されて食卓に出されることが多い種類です。


■『秋鮭』と『時鮭』は同じ種類!?




たくさん種類がある「鮭」。この中でも秋鮭と時鮭は同じ「白鮭」の仲間になるのです。秋鮭と時鮭、この2種類の違いを簡単にご紹介させていただきますね。

・どちらも『白鮭』




先ほどもお話しましたが、日本で一番有名で一般的な鮭の「白鮭」。鮭の中での大きなジャンルの名前だと認識していただくと、あとの説明がわかりやすいです。白鮭は1年中獲れますが、その獲れる時期によってさらに呼び名が変わるのです。

・秋鮭は産卵間近の秋の鮭




川で産まれた鮭が海へと下り成長し、そして産卵時に生まれた川の沿岸へと再度戻ってくる時期があります。日本の白鮭の産卵時期は秋で、この時に獲れる鮭を「秋鮭・秋味」と呼ぶのです。この時期の鮭は、身はもちろん卵もおいしく、イクラに加工して使われます。

・時鮭は『時知らず』とも呼ばれる




回遊中の鮭が春から初夏にかけての回遊中、沿岸の定置網で獲れるのものは、時鮭(時知らず)と呼ばれています。安価な白鮭の中でも希少価値が高く、高値で取引されることが多いのです。
特に時知らずのハラスなどはかなりの人気で、ネットショップでも多く販売されています。

■主な産地と日本で流通している鮭の種類




鮭といえば北海道!日本の魚!と思われている方もおおいかもしれませんが、海外でも鮭の養殖や販売は多く行われており、意外と海外産を買ったほうがおいしい種類なんかもあるのです。
では、鮭はどこの産地がおいしいのでしょうか?スーパーでおいしい鮭を買えるようにご説明させていただきます。

・海外の鮭の産地
1.ノルウェー

鮭の輸入国ナンバーワンのノルウェー。その生産量は65万tにも及び、なんと世界の鮭の養殖生産量の約4割にあたるそうです。養殖に適した静穏なフィヨルド海域や大西洋サケに適した水温といった環境条件に恵まれ、大西洋サケに注目するとその全生産量の量の47%を生産している、まさに鮭大国ですね。

2.チリ

ノルウェーに次ぐ世界第2位の鮭養殖生産国であるチリ。広大な海域や水温が鮭の養殖にとても適した環境で、ニジマスや銀鮭を中心に養殖されています。
元々の環境の好条件と高品質魚粉・魚油が確保できるといった飼料原料に恵まれていることから、ノルウェーの生産量ナンバーワンを追い越すかもと言われています。

3.カナダ

マスノスケの生産で有名なのがカナダ。鮭全体の生産量でもここ10年で30倍にもなっている鮭先進国です。チリと同様、水温や海域の微生物が好条件になっており、銀鮭の生産量はチリにつぐ量になっています。

・日本の鮭の産地
1.北海道

鮭といえば北海道ですね。3つの海に囲まれ、国内の鮭の水揚げの8割を占める北海道は道内ほぼ全域で漁獲されますが、特に有名な地域は太平洋やオホーツク海が産地のもの。
紅鮭はもちろん時知らずもブランド化された物があり、イクラや筋子もネット販売で多くの有名店がありますね。日本産の鮭を買うならまずは北海道産をチェックしてみるのがおすすめです。

2.青森県

北海道についで鮭の水揚げ量が多いのは青森県です。この地域では鮭の消費量がもっとも多いとされる都道府県で、おにぎりの具材には筋子が選ばれることが1番多いのは鮭愛が強いこの土地ならでは。
筋子納豆という食べ方まであり、あったかいご飯にひきわり納豆と筋子をのせて食べるものです。身から卵まで楽しめるのが青森県産の鮭の特徴ですね。

3.岩手県

日本でナンバー3の生産量を誇る岩手県では、稚魚のふ化・生産・育成を行っています。中でも岩手県の秋鮭は有名で品質が良いため、市場から非常に高い評価を得ています。
岩手県の鮭の水揚げ方法は定置網漁なので、鮮度が非常に良い状態で流通するそうです。スーパーで岩手県産の秋鮭を見たら是非手に取りましょう!

・日本で多く流通している鮭




たくさんある鮭の種類の中で、日本でよく流通している物は時期により少し変化はありますが、お刺身として「サーモントラウト」・切り身やおにぎりなどで「銀鮭」・北海道産として売られる切り身の「紅鮭」・そしてはるか昔から食されてきた馴染みの「秋鮭」が多いです。これらはチリやノルウェーなどの輸入品や国内で多く生産されており、日本の食卓にもよく登場します。

■鮭の種類によりおいしい食べ方がある!




焼き物から洋食・お刺身にお寿司まで幅広い顔をもつ鮭料理。好みが別れるかと思いますが、種類によりおいしい食べ方があるのはご存知ですか?料理によって使い分けして、おいしい鮭料理を作ってみましょう!


・二面性をもつニジマス




ニジマスといえば焼き物!と思われる方も多いかと思いますが、このニジマスを改良して作られたサーモントラウトはスーパーでお刺身用として売られていることが多く、実は回転寿司でもよく使われています。
ただし生で食べれるのは養殖のサーモントラウトのみ。ですので、ニジマスは焼き物として楽しんでいただき、サーモントラウトはお刺身やカルパッチョにして食べるのがおすすめです!同じ品種なのに脂のノリが違いますので、食べ比べするのも楽しいですね。

・シンプルに焼くなら銀鮭





スーパーの鮮魚コーナーで切り身として売られているのをよく見る銀鮭。脂乗りも程々で身も柔らかく、焼き物にするのが一番おすすめです。
銀鮭はチリ産が有名ですが、ときたまアメリカやロシア産の天然物が輸入されており、それを見つけた時は希少ですので迷わず買いましょう!
三陸の方では銀鮭を刺身にして食べる食べ方もあるらしいのですが、食べ方が少し難しいようでシンプルに焼き物として食べるのがおすすめです。

・ムニエルには白鮭





鮭の代表的な料理といえば、鮭のムニエルもそのひとつ。それには旨味がしっかりとした味の強い白鮭の一種である秋鮭がぴったりです。脂は少なめですので、バターで焼いて調理する調理法でコクをプラスするのがぴったりなんですね。同じ白鮭の仲間の時鮭も、脂の質はあっさりしていて旨味が高い品種になりますので、グラタンに入れるのもおいしいです。

・マルチプレイヤーな紅鮭




身そのものの味が強い紅鮭は、脂のりがよくてあっさりとしています。紅鮭は赤みが強い物がおいしいと言われていて、さまざまな商品に加工されます。干物・瓶詰め・塩漬けなど、味が強い紅鮭だからこそ味を足してもさらにおいしくなるんですね。
焼いた身をおにぎりの具やお茶漬けにするだけでもおいしいですよ。生食よりは火を入れて食べるのが断然おいしいです。

・キングサーモン




脂がおいしく舌触りもいいキングサーモンは、ノルウェー産が有名です。分厚い身をステーキにして食べるのももちろん、蒸し物やホイル焼きにしても食べ応えがあっておいしいです。脂が多いので、酸味があるレモン塩やさっぱりとしたお酢のドレッシングの相性がいいですよ。

■鮭は塩の振り方にも種類がある




種類も産地も豊富な鮭。実はさらに塩の振り方にも種類があるんです。実際スーパーで並んでるのを見て甘口ってなんだろう?と思われた方も多いのでは。ここでは名前でどれくらいの辛さの物と判断できるようにご説明させていただきます。

・鮭の塩漬けの由来




元々は鮭を日持ちをさせるために塩漬けがはじめられたそうです。
今では好みが別れ、それに合わせて作っている生産者がほとんどのようです。ただし、これから記載する基準はあくまでも指標になり公式に定められた基準ではありませんので、スーパーで買う時は参考程度にしてみてくださいね。
いろいろ食べ比べをして好みの辛さを見つけてみてください!

・甘塩




甘口とも記載されます。身の塩分濃度が3%未満の物のことを言い、通常の鮭で食べやすい塩辛さです。

・中辛




身の塩分濃度が3%以上6%未満の物です。少し辛いので、焼き物にしても大根おろしを添えて食べたいという辛さですね。そのまま食べるにしてもすこしお水がほしくなる辛さです。

・辛塩




身の塩分濃度が6%以上10%未満の物です。非常に辛く、混ぜご飯やシチューなど鮭そのものの塩気を料理の足しにする使い方がおすすめです。

・激辛




身の塩分濃度が10%以上の物です。正直かなり辛いので、焼き物として食べるのが好きな方は少ないのではないでしょうか。お酒のアテとしてちまちまと食べるのがいいですね。


■辛さを生かして作ってみよう!




いかがでしたか?ここまでで鮭の種類や産地、辛さなどをご紹介させていただきました。
最後に、鮭を買った時に意外と多い「焼き魚にしたけど辛くて食べられない!」というときのための、あえて辛さを生かすお助けレシピをご紹介します。焼いた後にも焼く前にも使えますのでぜひ参考にしてみてください。

・お米と混ぜてピラフや炊き込みご飯に




生鮭の場合は、炊飯器にお米と鮭を入れるだけ。あとは好みでにんじん・しいたけ・薄揚げなどを入れてもOKです。鮭の色が綺麗なので、野菜を入れなくともいろどりのいい炊き込みご飯が出来上がりますよ。
さらに魚の脂がいいダシになって昆布を入れなくても旨味がでます。洋風にしたければコンソメを混ぜ込むのもいいでしょう!味が薄ければ上からお醤油を回しかけて、後から好みの味にしてしまえば大丈夫。
焼き鮭の場合は炊き上がったご飯にほぐした身を入れてまぜごはんのように。ごまと卵を入れると食感も楽しく、お子様にも大人気の味になりますよ!

・パスタ




焼き魚にした鮭をほぐしてフライパンに入れ、そこに生クリーム(牛乳、豆乳でも)とコンソメスープの素を入れて少し煮込み、最後に固めに茹でたパスタを入れましょう!
野菜があればブロッコリーやほうれん草など緑の物を入れると色合いも綺麗です。こちらも味は鮭の塩気だけでOK!ランチにぴったりな簡単アレンジです。

・鮭フレーク



焼いた鮭をほぐし、ごま油をしいたフライパンに入れごまとお醤油をひと回し入れ水分がなくなるまで煎りましょう。ご飯のお供やおにぎりにぴったりな鮭フレークのできあがりです。

■今日の夜ご飯は鮭にしてみよう!



1年中食べることができる、オールマイティな鮭。いつもは何気なく買っているかもしれませんが、これからは産地や種類にこだわって選んでみるのはいかがでしょうか?
作りたい料理や季節によって、自分好みの食材選びができるようになれば、スーパーに行くのが少し楽しみになるかもしれませんね。是非ためしてみてください!

(AYA)

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