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準備と同じくらい実は見られている、「立ち去った後」に最悪の印象を与えるマナーとは

  • 2020.8.7
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知っていたら毎日がもっと豊かになる、大人のマナー連載。今月は、日々仕事に忙殺されるキャリアウーマンだからこそ、うっかり見落としてしまいそうな“その場を立ち去ったあと”に、自分だけが気づいていないマナー違反についてです。

ストレスのたまるオフィス
※写真はイメージです(写真=iStock.com/valdecasas)
あなたの印象は“立ち去ったあと”に残る!

大切な会議やプレゼンの前、準備は万端というPW読者は多いと思いますが、では、“自身が立ち去ったあとの現場”がどうなっているか考えたことはあるでしょうか?

打ち合わせのあとの会議室や作業の終わったワークスペースなどの片付けは、後輩や部下が先回りしておこなうこともあり、役目を終えた場所がどんな状態かまで気をつけている人はそう多くはないのかもしれません。けれど、使いっぱなしのペンや飲みさしのお茶、またはゴミなどを放置したままにしておくのは、決して品のいい行為とはいえません。

ちょっとした片付けや整理整頓などは、周りの人たちが気をもんでしまうほどに率先してやる必要はないにしろ、「自分で使ったものは自分で」という当たり前のマナーぐらいは忘れずにいたいもの。使った場所の周りだけでもササッと片付け、椅子を正すくらいのことは、どんな立場であろうと人として気をつけたい礼儀のひとつ。

用が済んだら先走る気持ちとともに部屋を出てしまい、残された誰かがフォローしてくれているのも知らず、目立つ仕事だけをする姿は、意外と周りから見られています。それでも疎ましく思われるのを覚悟で指摘……なんてしてくれないのが大人の世界。管理職という立場になり、さらには年齢を重ね誰からも注意してもらえない小さなことこそ、自身で気を配る必要があるのです。

マナー違反はビジネストラブルのもと!
若い女性がヒールのある靴を試しているところ
※写真はイメージです(写真=iStock.com/diego_cervo)

日常の小さなことができない人は、そのマナー違反がメインの仕事にトラブルとして表れることがあります。

たとえば連休や長期休暇前の仕事。長い休みに入る直前は、ついバタついてしまうことが予想されますが、きちんと仕事を終わらせておくのは当然としても、自分がいない間も周りが困らないようきちんとフォローができているか。ある程度先回りして休暇中に必要なものが準備されているか、を確認しましょう。

またたとえば、異動や転勤などで仕事の引継ぎをする際にも、後任のことを考え、今ある仕事を整えておくことはとても重要。引き継いだらそれで自分の役目はハイ、終わり……ではなく、本来の目的である、会社の利益や発展のための仕事としてふさわしいかを考えれば、どう行動するかは明確なはず。

このように「立つ鳥あとを濁さず」を実行することは、仕事や人間関係をスムーズにする作用があります。自分のあとに仕事をする人のことを考え、思いやることは、キャリア女性に必要なマナーそのものともいえるようです。

レストラン、試着室、トイレ……あなたは大丈夫?

「自分が立ち去ったあとのことを考える」──このマナーは、プライベートでも大いに役立ちます。たとえばレストランで、食事を終えたあとのテーブル。あえて片づけるというよりはきれいに使う、または出された食事に敬意を払うに近いものではありますが、やはり食事中だけでなく、終了後のことにも気遣いのある人とそうでない人では、全体の雰囲気や所作にも違いが表れます。

また買い物中、服を試着したあとの試着室、もしくは服の状態。まだ購入前の服を脱ぎ散らかして床に散乱させたり、裏返しのまま店員に戻す人の意外と多いこと。試着したたくさんの靴を脱ぎ散らかしている人さえいます。これも、いつの間にか自ら“お客様”になっているちょっとした傲慢さの表れ。

さらに、公共のトイレを使用したとき、乱暴に引きちぎられたトイレットペーパーや水滴が飛び散った洗面台に辟易としたことはありませんか? 次に使う人のためにきれいに使う、洗面台は水滴をサッとぬぐって出るかどうかのささやかな行動にも、その人の品性が出ます。このようなマナーは破ったとしても叱られるものではありませんが、守ることでみんながちょっぴり幸せになれたりもするのです。

普段のちょっとしたアクションのどこかにもマナーを心がけることで、他人も自分も心地よい──そんな毎日が送れたら、あなたの中のエレガンスはもっと輝くことでしょう。

写真=iStock.com

乙部 アン(おとべ・あん)
フリーエディター/執筆家
女性ファッション誌のフリーエディターをしながら執筆家としても活動、いくつかの連載を掛け持ちする。現在ブログ「ANNE MAGAZINE」にて、大人の女性に役立つファッション・仕事・サステナブル・独自の人生哲学を発信するほか、パーソナルスタイリングやファッション講座などを定期的に開催。

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