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「更年期太り」を代表するぽっこりおなか。その原因とは?【内臓脂肪編】

  • 2020.8.6
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運動して脂肪を燃焼させればやせてはいくけれど、なぜかおなかだけは引っ込まない。手足は細くなっても、おなかだけぽっこりというプレ更年期、更年期女子が多くいます。そこで、なぜぽっこりおなかになってしまうのかについて産婦人科医の善方裕美先生にうかがいました。

若いころはぽっちゃり、更年期はもってり、その違いは?

太った若い人を「ぽっちゃり」という言葉で表すことが多いけれど、太ったプレ更年期、更年期世代は「もってり」「どっしり」。若い人は肌もハリがあってツヤツヤしていてたるんでいる感じがないから、ぽっちゃりにもご愛敬が。でも、プレ更年期、更年期世代はおなか周りがだぶついて締まりがなく、だらしない感じが出てしまいがちに。

たとえ若いころと同じ体重でも、この大きな見た目の違いは脂肪の付き方にあります。太ると若い世代は皮下脂肪になり、太ももやおしりがむちむち、俗に言う“洋ナシ型”。一方、プレ更年期、更年期世代は顔やバスト周りがふくよかにならず、おなかばかりがぽっこり。脚や胸はそれほど太っていないように見えるため、丸いリンゴのような体型に見える“リンゴ型”に。このぽっこりおなか体型の原因は、内臓を支えるおなかの筋肉が弱くなることと、内臓脂肪が増えるからなのです。

更年期は内臓脂肪の増加を抑える女性ホルモンが減少

女性ホルモンの1つエストロゲンは、コレステロールの分解代謝をし、悪玉コレステロールを低めに抑えています。でも、閉経前後の更年期になると女性ホルモンのエストロゲンが減少し、内臓脂肪の分解が弱くなるので、腸の周りの腸間膜に脂肪がたまり、“リンゴ型”に。

よってプレ更年期、更年期を迎える前の女性ホルモンが安定していたころと同じような食生活や運動量でいると、内臓脂肪がたまり始め、ウエストのくびれがなくなっていくので注意が必要です! ウエストのくびれが内臓脂肪の目安の1つですが、血液検査の数値でも知ることができます。

上記のいずれかに入る場合は、古くは「高脂血症」といわれていた脂質異常症と診断され、積極的な食事改善が必要になります。更年期のぽっこりおなかが気になり出したら、健康診断の血液検査の結果を見ながら、医師に内臓脂肪の状況を聞いてみるといいでしょう。

増え続ける内臓脂肪を減らすには?

1日の摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、余ったカロリーは脂肪に変換され腸間膜に蓄えられます。これが内臓脂肪。体の奥深くにたまった脂肪は落としにくい気もしますが、実は内臓脂肪は蓄えられやすい半面、エネルギーが不足すると簡単に消費されます。つまり運動で消費カロリーを増やせば、消費される内臓脂肪の量も多くなるわけです。

内臓脂肪を減らすなら、有酸素運動を毎日30~60分ほど続けてみましょう。まとまった時間を取れないときは、1日の間に10分の運動を6回など、短時間に分けておこなっても同様の効果を得られます。

プレ更年期、更年期世代なら、一番お手軽なウォーキングはどうでしょう。10分あたり30~40kcalを消費できるので、1つ先の停留所や駅まで歩いてみたり移動にエレベーターではなく階段を使ってみたり、意識して体を動かしてみましょう。内臓脂肪を減らすための運動は続けることが大事! 最低でも週に2回以上おこなうのがおすすめです。

まとめ

激しい筋トレはプレ更年期、更年期世代にはちょっと過酷……。ウォーキングなら、毎日の買い物や犬の散歩などで続けられそうですね。ぽっこりおなかを引っ込めて、しばらくお目にかかっていないウエストのくびれよ、再び!

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

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著者:井上裕紀子

読モを経て、ファッション誌、情報誌などのフリーライターへ。しわ、肝斑、たるみ、更年期太りと苦しい戦いを続けつつも、その先にいったい何があるのか見えない迷える五十路女子。


監修者:医師 よしかた産婦人科院長 善方裕美先生

横浜市立大学産婦人科 客員准教授。日本産婦人科学会専門医。女性ヘルスケア専門医。日本骨粗しょう症学会認定医・評議員。約30年にわたって多くの悩める更年期女性と向き合い、更年期障害についてカウンセリング、HRT(ホルモン補充療法)、漢方薬、食事、運動、代替医療など多方面のアプローチで治療をおこなう。著書『最新版 だって更年期なんだもーん 治療編』(主婦の友社)。

ベビーカレンダー/ウーマンカレンダー編集室

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