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働き始めた妻にイライラする夫、不機嫌になる原因は?

  • 2020.8.4
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私のところに寄せられる妻からの悩みで、「私が働き始めたら、夫が家事について文句を言うようになった」「新しく始めた仕事の話をすると、夫が不機嫌になる」というものがあります。

妻が働き始めれば家計も助かるし、将来かかる子どもの教育費や老後のための蓄えにも余裕が出てくるでしょう。妻は良かれと思って仕事についたのに、なぜか不満そうな態度を見せはじめた夫に混乱するばかりだと思います。

どうして、働き始めた妻に対して夫は冷たく当たるのでしょうか。

■働き始めた妻に八つ当たりする夫の心理は?
専業主婦だったり産休育休中だった妻が仕事を始めた途端、子どものようにすねて不機嫌になる夫。仕事で疲れている妻に「ごはん、まだできていないの?」「もっとちゃんと家事をやってよ」など、これまで口にしたことがないような文句を言い始める夫は少なくありません。

妻は、そういう夫にイライラすると同時に、「今までと同じように家事ができなくて申し訳ないな」「やっぱり私、働かないほうがよかったのかな」などと以前より家事育児が満足にできない自分に罪悪感を抱え、私のところへ相談に訪れるわけです。

しかし、夫の機嫌が悪いのは、妻が仕事で家をあけていたり、家事育児に不満があるからという理由だけではないケースがあります。それは、自分より楽しそうに働く妻への「嫉妬」です。



妻が家事育児に専念していた頃は、「俺も仕事で大変だけど、妻も家事育児に頑張ってくれている」と夫は同志のような気持ちを持っていたと思います。妻が守ってくれている家は、唯一仕事と自分を切り離せ、リラックスできる居場所だったのでしょう。

しかし、働き始めた妻が毎日楽しそうに仕事へ出かけるようになると、夫の中でモヤモヤした感情が芽生えるようになります。

「俺は仕事がつらくて我慢ばかりなのに、どうして妻は楽しそうなんだ?」

これまでは、仕事と家事育児と別々のフィールドで頑張っていたのに、妻も仕事を始めてとてもうまくいっている様子。そうなると、夫は自分の中で一番優先順位の高かった仕事という領域を侵され、自分の存在価値が脅かされているように感じるのでしょう。単に仕事がうまくいっている妻がうらやましいのです。

そのため、「たいして稼いでもいないのに」「たかがパートだろう?」など、あくまでも仕事では自分の方が上だとアピールするために、妻をわざとおとしめるようなことも言ってしまうのです。





■働く妻を妬む夫、嫉妬を買わない方法は?



働く妻に対して不機嫌な態度をとる夫に対して、どのように対応したらいいのでしょうか。

妻に嫉妬し、無意識のうちに不機嫌な態度をとったり、傷つけるような言葉を口にしてしまう夫は、もともとプライドが高く働き者で仕事人間、小さい頃は厳しく育てられたタイプに多いようです。繊細で傷つきやすい反面、感情表現や弱音をはくことが苦手で、妻にも弱みを見せることはほとんどありません。

そのため、自分の仕事がうまくいっていないことや、職場の人間関係にストレスが多くてつらいといったことも話せないでいるのでしょう。そんな時に、妻の成功を見たり聞いたりすると、応援する気持ちよりも嫉妬の気持ちが勝ってしまうのです。

怒りの感情の根底には、悲しみやさみしさが隠れています。夫がモヤモヤした怒りを感じているのは、妻に差をつけられて落ち込んでいる、自分の存在価値である仕事が否定されたように感じて悲しいといった感情からです。

そういった複雑な気持ちが夫にあると認めたうえで、嫌みや傷つくような言葉を言われたら、「今、夫は仕事が大変で、私の成功を受け止める余裕がないんだわ」とあきらめて聞き流すのが一番です。

また、なるべく摩擦が起きる原因を取り除くために、妻は仕事の話を家でしないようにするのがいいかもしれません。それが愚痴だとしても夫には自慢のように聞こえるかもしれないので、避けるのが懸命でしょう。

仕事の話をしているわけでもないのに、夫が嫌な絡み方をしてきた時は「愚痴を聞いてほしい」サインかもしれません。そんな時は、「最近、どう? お仕事大変そうだね」と声をかけてみてはいかがでしょうか。



私が相談を受けたケースでは、ずっとすねた態度をとり続ける夫に妻が「働いてみてあなたの大変さがわかったよ。本当にいつも頑張っているんだね」と声をかけたら、「大変なんだよ…」と夫が本音を見せたそうです。それから、夫はイライラしなくなり、関係が好転したというケースもあります。

人間は、他の人から何を言われても、本人が自覚し納得しなければ変わることはありません。妻への嫉妬に無自覚なまま、怒ったり嫌みを言ったりする夫を変えることは難しいでしょう。それならば、妻が一番楽で快適に働くためにも、夫に「仕事って大変だよね。いつもありがとう」の気持ちを持って接してみてはいかがでしょうか。




(佐藤栄子)

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