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はじめしゃちょー、超ショックなことも「ネタにすればいい」 発想力&転換力

  • 2020.8.3
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年を重ね、一つずつ何かを選ぶなかで道は絞られ環境や現実と折り合いながら、人は大人になっていく。ただ、未知の何か光るものが、自分の中に眠っているという“可能性”は、いつになっても失われることはない。動画クリエイターのはじめしゃちょーさんに、ご自身の経験をもとに“才能論”を語っていただきました。

才能の開花に必要なのは、より多くの経験です。

自分に才能があるかどうかなんてよくわからないけど、強いて言うなら“発想力”はあるほうかもしれません。日々ネタを考えていて気がついたんですが、悩みがなく心が空っぽで、脳みそに余裕があるときに発想は生まれてきます。焦って考えると出ないけど、脳みそが空っぽになると自然にアイデアが湧いてくる。それが特技なのかもしれない。動画の発想はどんなきっかけで生まれるのかってよく聞かれますが、最近だとプレステ4でアマゾンプライムビデオを見ていたとき、ロード画面を読み込む時間が長くて待っていたんですけど、ふと「読み込みのときに画面に出るグルグルがずっと終わらない」というドッキリを思いつきました。最近は、日常の中から疑問に思ったことを、そのまま動画にしていることが多いです。

才能って通常、備わっているものが5割、後天的な努力が5割くらいなんじゃないかなと思うんですよね。ただ、僕の場合はほとんどが努力っていう気がします。これも最近のことですが、缶チューハイのストロングゼロが売り切れるという噂を聞いて、アマゾンで10カートン240本買い漁ったんですが、そのニュースが間違いだと知って、超ショックだったんです。でも、逆に間違えて買っちゃったことをネタにすればいいんだ、って発想を一瞬で切り替えられて。それはこれまでの動画制作経験や、動画を配信し続けるという積み重ねから生まれたものだと思うんですよ。あと、僕は両親が結構厳しくて、子供の頃にやりたいと思ったことがあまりできなかったので、当時の渇望をもとに、大人のいまだからできるようなネタをやることも多いかも。そういったバックグラウンドと、動画で積み重ねてきた経験でここまできたように思います。

「持って生まれた特別な何かがない」と感じている場合も、合っていると感じたものに出合えば、何歳になっても才能は花開く、僕はそう思います。そのために必要なのは、より多くの経験です。何がどうマッチするかはわかりませんから。自分の持ち味を生かせる分野が人には必ずあるものだし、子供でも大人になっても見つけられる。才能を見つけられないという人は、趣味や娯楽に時間を費やしすぎている可能性があります。ただ面白いだけの同じことを続けているなら、思い切って一度やめてみるのもいいかもしれません。何かを禁止すると、そこに費やしていた時間が空くので、マインドを変えるきっかけになると思います。

そして合っているものを見つけたら、自分に才能があると信じて努力を続けるということが、開花させるためには絶対に必要です。とはいえ、それだけに人生のすべてを投資するのは、大きなリスクがあることも忘れないでいてください。プロゲーマーを目指したいからってそれしかやっていない人がたまにいたりしますけど、もしなかなか才能が開花しなかったら人生詰んじゃう。並行して別の進路を模索することも大事だと思います。僕の場合は大学時代に動画を作り始めましたが、当時はまだユーチューバーというのは未知の職業でどうなるか予測できなかったので、一応教員になる方向で勉強もしていましたよ。

インターネットの世界で活動を始めて7~8年経ちますが、年々流行の移り変わりが加速しています。何かに固執していてはついていけないので、いろんな情報や現象、技術など新しいものを取り込みながら、時代に合わせ変化させる柔軟な対応力が必要です。僕自身もそんな力を磨いていきたいと、いま思っています。

はじめしゃちょー “自由”をモットーにしているフリーダムな動画クリエイター。大学時代にYouTubeチャンネルを開設し、現在チャンネル登録者数は日本一の872万人。静岡県を拠点に、実験動画やドッキリ企画を発信。

※『anan』2020年8月5日号より。取材、文・若山あや

(by anan編集部)

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