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映画界にも這い寄る混沌!クトゥルー神話映画傑作選

  • 2020.8.2
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『カラー・アウト・オブ・スペース―遭遇―』が公開中。この機会に、クトゥルー神話の影響下にある映画作品をとことん研究する! [c]2019 ACE PICTURES ENTERTAINMENT LLC. All Rights Reserved
『カラー・アウト・オブ・スペース―遭遇―』が公開中。この機会に、クトゥルー神話の影響下にある映画作品をとことん研究する! [c]2019 ACE PICTURES ENTERTAINMENT LLC. All Rights Reserved

【写真を見る】ユニバーサル・モンスターの『大アマゾンの半魚人』(54)

怪奇小説の大家H・P・ラヴクラフトが生み出した架空の神話体系“クトゥルー神話”。その世界観をベースにした作品群の中でも、ラヴクラフト自身が最高傑作と称した短編『宇宙の彼方の色』(※『カラー・アウト・オブ・スペース―遭遇―』の原作には、『宇宙からの色』『異次元の色彩』などの邦題もありますが、本記事では森瀬繚氏訳『宇宙の彼方の色 新訳クトゥルー神話コレクション5』に従い、『宇宙の彼方の色』という呼称で統一しています)を、舞台を原作の19世紀から現代に移して映画化したのが、『カラー・アウト・オブ・スペース―遭遇―』(公開中)だ。

監督を務めるのは、『ダスト・デビル』(92)以来28年ぶりに長編劇映画にカムバックした異才リチャード・スタンリー。制作SpectreVision、主演ニコラス・ケイジの『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』(18)チームとタッグを組み、未だかつてない極彩色の恐怖譚を生み出した。

もちろん、我らがニコケイ十八番のブチギレ演技も炸裂。“異様にアルパカに執着する父ニコケイ”という映画オリジナル要素もシュールこの上なく、幸せな一家が心身共に変容していくグロテスクなショック描写と渾然一体となって、作品全体に、名状しがたい狂気が宿っている。

ラヴクラフトの小説の直接の映像化だけではなく、一部引用も含めれば膨大な数があるクトゥルー神話映画。『カラー〜』公開で、映画界界隈でもクトゥルー神話が改めて脚光を浴びる(?)今、その中から、関係が特に興味深いものを厳選して紹介しよう。

『インスマスを覆う影』を参考にした元祖HPL映画

【写真を見る】ユニバーサル・モンスターの『大アマゾンの半魚人』(54)
【写真を見る】ユニバーサル・モンスターの『大アマゾンの半魚人』(54)

『透明人間』(公開中)と同じユニバーサル・モンスターの半魚人。『インスマスを覆う影』が元ネタとの噂あり。監督はジャック・アーノルド。(BD&DVD:NBCユニバーサル)

HPL小説の初の映像化作品

『怪談 呪いの霊魂』(63)
『怪談 呪いの霊魂』(63)

エドガー・アラン・ポーの『幽霊屋敷』が原作とされているが、HPLの『チャールズ・デクスター・ウォード事件』の映像化とも。監督&製作ロジャー・コーマン。(DVD廃版)

『宇宙の彼方の色』の初映画化作品

『襲い狂う呪い』(65)
『襲い狂う呪い』(65)

基本プロットは『宇宙の彼方の色』だが他のHPL作品の要素も。ボリス・カーロフの怪演が強烈。監督のダニエル・ホラーは、『ダンウィッチの怪』(70)も手掛けた。(DVD:フォワード)

非HPLのクトゥルー神話小説が原作

『マニトウ』(78)
『マニトウ』(78)

『グリズリー』のウィリアム・ガードラー監督がグレアム・マスタートンの同名小説を映画化。『〜HDリマスター特別版』BDが発売中。作品はカラー。(BD:スティングレイ)

ダン・オバノンの初期構想ではクトゥルー神話を意識

『エイリアン』シリーズ(79~) TM & copyright [c]20th Century Fox Film Corp. All rights reserved
『エイリアン』シリーズ(79~) TM & copyright [c]20th Century Fox Film Corp. All rights reserved

第1作の原案&脚本はHPLマニアのD・オバノン。リドリー・スコット監督にH・R・ギーガーの画集『ネクロノミコン』を見せ、プロジェクトを進めた。(UHD&BD&DVD:ディズニー)

ダンウィッチで地獄の門が開く!

『地獄の門』(80)
『地獄の門』(80)

地図に載っていない町ダンウィッチを舞台にした、ルチオ・フルチ監督によるゾンビ・ホラー。主演は『ベルサイユのばら』(79)のカトリオーナ・マッコール。(BD廃版)

『ハーバート・ウェスト―死体蘇生者』ほかHPL作品の影響大

『ゾンゲリア』(81)
『ゾンゲリア』(81)

(HPLの出身地)プロヴィデンス出身の葬儀屋が死体蘇生…!脚本はD・オバノン。『〜-日本語吹替音声収録コレクターズ版-』が9月2日(水)発売。(BD:ニューライン/ハピネット)

禁書“エイボンの書”を巡るゾンビ・ホラー

『ビヨンド』(81)
『ビヨンド』(81)

監督ルチオ・フルチ&主演カトリオーナ・マッコールの『地獄の門』コンビ作。エイボンの書はネクロノミコンと並びクトゥルー神話小説に頻出するアイテムだ。(BD廃版)

ネクロノミコンのビジュアルを決定づけたスプラッター

『死霊のはらわた』シリーズ(81~)
『死霊のはらわた』シリーズ(81~)

サム・ライミ監督の出世作。物語自体はクトゥルー神話ベースではないが、人肉で装丁されたネクロノミコンのビジュアルはこの映画が元祖。(BD&DVD:ソニー・ピクチャーズ)

『ハーバート・ウェスト―死体蘇生者』を映像化

『死霊のしたたり』シリーズ(85~)
『死霊のしたたり』シリーズ(85~)

第1作『ZOMBIO/死霊のしたたり』は『ハーバート・ウェスト〜』の映画化。ブライアン・ユズナ監督による『死霊のしたたり2』『〜3』も人気。(BD:是空/ポニーキャニオン)

原作小説が『狂気の山脈にて』に着想

『遊星からの物体X』(82)
『遊星からの物体X』(82)

原作であるジョン・W・キャンベルJr.著『影が行く』は、『狂気の山脈にて』にインスパイア。監督ジョン・カーペンター、主演カート・ラッセル。(BD&DVD:NBCユニバーサル)

原作にはない“眠れる神”が登場

『キング・オブ・デストロイヤー/コナンPART2』(84)
『キング・オブ・デストロイヤー/コナンPART2』(84)

映画オリジナルの邪神ダゴスは“Dreaming God”と呼ばれており、海底に眠る神クトゥルーからの引用と考えられる。ダゴスの名はダゴンのアレンジか。(BD:ディズニー)

S・ゴードン監督が『彼方より』を大胆アレンジ

『フロム・ビヨンド』(86)
『フロム・ビヨンド』(86)

『ZOMBIO/死霊のしたたり』のスチュアート・ゴードン監督が『彼方より』を大胆にアレンジして映画化。ゴードンは『キャッスル・フリーク』(95)、『DAGON』(01)などクトゥルーものを多数監督。(BD廃版)

デニス・ホッパーがラヴクラフトを演じる…?

『魔界世紀ハリウッド』(94)
『魔界世紀ハリウッド』(94)

魔法が存在する50年代ハリウッドを舞台に、私立探偵ハワード・フィリップ・ラヴクラフトが活躍。『SFXハードボイルド/ラブクラフト』の続編。(DVD:フォワード)

原題が『インスマス』+『狂気の山脈にて』

『マウス・オブ・マッドネス』(95)
『マウス・オブ・マッドネス』(95)

ジョン・カーペンター監督作。原題『In The Mouth of Madness』は、“Innsmouth”(インスマス)+“At The Mountains of Madness”(『狂気の山脈にて』)。(BD:ワーナー・ブラザース)

世界を混沌へと導く邪神が登場

『ヘルボーイ』(04)
『ヘルボーイ』(04)

HPL好きのギレルモ・デル・トロ監督作。邪神オグドル・ヤハドの造形や設定など、クトゥルー神話オマージュがいたるところに盛り込まれている。(BD&DVD:NBCユニバーサル)

まさかのクトゥルー展開に唖然!のメタ・ホラー

『キャビン』(12)
『キャビン』(12)

監督&脚本はドリュー・ゴダード。よくあるティーン・ホラー的序盤からひねりのあるメタ構造、そしてクライマックスは驚愕のクトゥルー展開!(BD&DVD:ハピネット)

マイケル・ドハティ監督、HPLからの影響を公言

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(19)
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(19)

ゴジラたちタイタンと呼ばれる、太古に地球を支配した巨大な怪獣が各地で眠りについているというコンセプトは、「ラヴクラフトさながら」と監督も認める。(BD&DVD:東宝)

文/DVD&動画配信でーた編集部

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